エピソードガイド２ - スパイドラマ倶楽部別館

スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館

エピソードガイド２

29 地下よりの脱出 The Survivors

【目的】敵の諜報員に監禁されている特殊爆弾を開発中の博士と奥さんたちを無事救い出すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。　カーデル博士とストナー博士は、ある特殊爆弾を開発中の三人グループのうちの二人であるが、このほど二人は奥さんともども誘拐されてしまった。誘拐したのは敵の諜報員エリック・スタヴァックである。しかし第三の科学者ロバート・ウェブスター博士が欠けては特殊爆弾の製法がわからぬ以上、次に敵は当然ウェブスター博士を狙ってくるに違いない。が、それが果たせぬとわかった時、誘拐された二人の命は重大な危機に晒されることになる。
　そこで君の使命だが、万難を排してストナー博士とカーデル博士、およびその奥さんたちを無事救い出すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。　成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド＆アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: ポール・スタンレイPaul Stanley
【ゲスト出演】
エリック・スタヴァック：アルバート・ポールセン（大木民夫）Albert Paulsen as Eric Stavak
ユーボフ博士：ローレンス・デーン（穂積隆信）Lawrence Dane as Dr. Anton Yubov
ストナー博士：ジョン・マクリアム（松村彦次郎）John McLiam as Dr. Edward Stoner
カーデル博士：ビル・サージェント（羽佐間道夫）Bill Sargent as Dr. Wilson Cardel
ストナー夫人：アンジェラ・クラーク　Angela Clarke as Nancy Stoner
カーデル夫人：ナンシー・ジェリス　Nancy Jeris as Emily Cardel
コピック：ロバート・ホーメル　Robert Homel as Kopik
大臣：マーク・アダムス　Marc Adams as Minister
【場所】①指令（媒体）：あるビルの屋上の小屋に棒を突っ込んで、鍵を開けてオープンテープレコーダーを取り出す
②舞台：アメリカ国内
【役割】ジム：ロバート・ウェブスター博士
ローラン：ウェブスター夫人の友人→ラジオのニュースアナウンサー
シナモン：スーザン（ウェブスター夫人）
バーニー：ローランとシナモンを尾行する殺し屋を捕まえる→地震装置の工作
ウイリー：ローランとシナモンを尾行する殺し屋を捕まえる→地震装置の工作
【道具】①共振の原理を利用した装置：建物に設置して地震を起こす
②トラック一杯の岩石：地震で倒壊したビルの破片として利用
③偽物のガス：匂いのみで害はない　銃を使わせないために使用
【削除】（14分50秒）シナモンが夫をここに呼ばないと全員死ぬと監禁されている四人に言う
（20分10秒）シナモンとローランがスタヴァックから解放されるが、殺し屋がその後を尾行する
【見所】（05分00秒）ウェブスター夫人の母の葬儀にスタヴァックが見物する
（08分10秒）シナモンとローランが車に乗ったところ銃を突きつけられ、地下室に連行される
（16分20秒）ウェブスター博士を連れてくるから、２５０００ドル欲しいと告げるシナモン
（26分40秒）他の四名は化学式を言わない結論だが、ジムが言うと答えると裏切者呼ばわりされる
（29分50秒）ジムの化学式がでたらめとスタヴァックに銃を突きつけられ、その瞬間に大地震が発生する
（44分10秒）ジムが脱出口を掘り出し、夫人から先に逃がそうとするが銃を突きつけられる
（47分10秒）スタヴァックがマンホールから出ると、平穏な町並みで、ローランによって銃を突きつけられる
【疑問点】①建物が廊下状に到壊しているとローランがニュースで伝えるが、そんな日本語は聞いたことがないし、英語のコリダーの直訳だと思うが、どういう状況を指しているのか？
【粗筋】二組の科学者夫妻が敵に捕らえられ、救助するのが任務となる。まず、ウェブスター夫人の母の葬儀を新聞広告に載せ、スタヴァックにシナモンとローランを誘拐させる。しかし、スタヴァックはローランを博士と間違えたことに気づき、博士を連れてこいと牢屋に既に捕らえている四人と一緒に監禁して、二人に１時間だけ考えさせる時間を与える。これに対して、シナモンは２５０００ドルくれれば博士を連れてくるとスタヴァックに返事をする。そして、ジムが捕まりシナモンとローランは解放される。ＩＭＦはジムがどれだけ時間を稼いでくれるか、殺されたらお終いだと心配する中、ガス漏れということで、皆が監禁されているビルから人々を遠ざけ、バーニーが地震工作の準備を進める。一方、地下室では、監禁されている四人はどっち道殺されるから化学式を教えないという結論に達し、スタヴァックが誰かを殺しかねない状況下、ジムが教えると返事したことにより、四人より裏切者呼ばわりされる。だが、ジムの教えた化学式が偽物とばれてしまい、スタヴァックは今にも拳銃の引き金を引こうとする瞬間、突然大地震が起こり、全員が地下室に閉じ込められ、ガス漏れも発生していることが確認される。ジムがラジオをうまく聞こえるように細工し、スタヴァックが地震のニュースを聞き、その被害の大きさに驚き、早く脱出しなければと焦るのだ。ジムは拳銃の火薬で懐中電灯を壊してうまく爆発させて壁に穴を開け、脱出口を掘り進んでいく。そして、ジムは婦人を優先して逃がそうとするが、スタヴァックは自分たちがさっさと逃げると、脱出口を塞いでしまい、ジムらを地下室に残すのだ。ジムは岩石を取り除き正規の通路から脱出する。やっとの思いでマンホールから出てきたスタヴァックを待っていたのは、平穏なサンフランシスコの街並みと銃を持ったローランである。地上に出てきたスタヴァックはシナモンの姿も発見し、一杯食わされたという表情を見せるのだった。
【解説】第２シーズンの最初のエピソードであるが、ダン・ブリッグスに替わりジム・フェルプスがＩＭＦのリーダーとして登場する。しかし、画面においては、ダン・ブリッグスがいなくなった経緯や、ジム・フェルプスの紹介は今後のエピソードでも一切されない。これはこのシリーズの基本姿勢であるようだ。
　ＩＭＦはビルに地震発生装置を取りつけるという大胆な作戦を行う。今回、共振の原理を利用しているらしいが、本当に実現可能かは怪しいものである。今後も人工地震を発生させる作戦は第２シーズン「スリラー作戦」、第７シーズン「恐怖！人工大地震」にも登場するが、今回とは違ったシステムで発生させる。このエピソードでの地震の演出は、ビルの揺れと同時にトラック一杯のコンクリートの塊を地下室に落として壁が崩落したと見せかける。また、ガスの匂いも発生させ、敵が銃を撃てないという役割を果たす。
　最初、敵にはシナモンとローランが標的の夫婦と見誤らせ、実はシナモンの夫はジムであり、二人は仲が悪くて、シナモンがジムを連れてくるのにお金を要求する設定が面白く描かれている。そして、シナモンがジムを罠にかけて敵に売ってしまう。
　地下室でのジムは化学式が偽物とばれてしまうが、その後、懐中電灯を壊して爆弾を作ったり、壊れているラジオを直したりして凡人でないことを見せつけ、脱出口を掘るのに主導権を握る。しかし、ジムが夫人らを先に逃がそうとすると、スタヴァックは銃を突きつけ、自分たちがさっさと逃げて脱出口を塞いでしまう。そして、ジムは瓦礫を取り除いて正規の通路から逃げる。スタヴァックがマンホール口から顔を出すと、平穏な町並みと銃を持ったローランとシナモンの顔を見て、非常に驚いた表情を見せるのだった。