スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド4
79 麻薬B-230PART1 The Controllers (Part 1)
80 麻薬B-230PART2 The Controllers (Part 2) |
|
【目的】人間を自由にコントロールできる魔薬B230と開発した博士に終止符を打つこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 これは、B230と称する薬品の実験のために精神分裂をきたして廃人となった人間モルモットたちである。B230は人間を 自由にコントロールする、つまり、ロボット化する催眠性の薬品で、開発者はカール・トレック博士である。ただ、このB230には目下精神分裂という副作用が あるが、その副作用解決の鍵を握るのがアメリカを裏切ったジャービス博士夫妻であり、現在ジュネーブにいるボロディン大佐が二人の亡命工作にあたって いる。もし彼らがB230を完成するや、われわれ自由世界はかれらのロボットと化することは明らかである。
そこで君の使命だが、トレック博士とそのB230に終止符を打つことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一 切関知しないからそのつもりで。なお、この録音テープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: ポール・クラズニーPaul Krasny
【ゲスト出演】
メレデス:ダイナ・メリル(藤波京子)Dina Merrill as Meredyth
カール・トレック博士:デヴィッド・シャイナー(小山田宗徳)David Sheiner as Dr. Karl Turek
ボロディン大佐:アルフレッド・ライダー(五藤雅博)Alfred Ryder as Colonel Borodin
キャサリン:ブルーク・バンディ(松尾佳子)Brooke Bundy as Katherine
ロークナー:H・M・ワイナント H.M. Wynant as Lorkner
副首相:ロバート・エレンスティン Robert Ellenstein as Deputy Premier Voss
ゼイガン将軍:ハリー・デーヴィス Harry Davis as General Zagin
アールド少佐:レオナルド・ストーン Leonard Stone as Major Alud
マーティン:ジョナサン・ブルックス Johnathan Brooks as Martyn
刑務所看守:マイケル・ステファニー Michael Stefani as Jailhouse Guard
【場所】@指令(媒体):高速道路の料金所にあるオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:ある国
【役割】ジム:アーサー・ジャービス博士(ボリティカン開発)
パリス:ボログラード将軍の声帯模写→ディーバ少佐→守衛→ロークナーに変装
バーニー:囚人護送車の運転手→コンピューター記憶回路の交換
ウイリー:軍人→電話線工作→ステファン・コーニック(囚人)→B-230奪取→警備員
メレデス:ジャービス夫人
【道具】@ボリティカン:活性安定剤
A登録カードとファイル:ディーバ少佐の情報
B一方が三又になっている止め具とローラー
C弾:麻酔剤を仕込んでおり、ジムがボロディン大佐に向かって撃つ
D血糊:メレデスが大佐の胸につける
E壁に丸い穴をあける器具
Fウルトラハンド
G起爆装置:車に取り付ける
【削除】(前26分20秒)実験前に副首相がまもなく来るとボロディン大佐がジムに言う
(後12分30秒)バーニーが代替案について聞くが、ジムは裁判しか方法がないと答える
(27分00秒)メレデスはジムが大佐を殺したと証言すると、ジムはしていないと立ちあがる
【見所】(前09分10秒)パリスとウイリーが登録者カードとファイルを仕込む
(20分00秒)ジムがB-230は無理として、ボリティカンの実験を明朝9時に行うと約束する
(23分30秒)トレック博士に対してメレデスはB-230の協力は主人の意向でないと言う
(31分40秒)バーニーがコンピューターの記憶回路の基板交換を完了する
(35分00秒)トレック博士が自殺を命じろと言い、ジムはウイリーに銃を渡して引き金を引かせる
(39分20秒)メレデスがB-230の研究ノートをなくしたとトレック博士を呼び出す
(45分50秒)トレック博士がジムにボロディン大佐を殺せと命令し、ジムは実行する
(48分00秒)マーティンが逃亡して射殺され、このために警報装置が鳴ってゲートが閉められる
(後07分20秒)ここまで前編の粗筋で、ここから後編スタート
(07分40秒)ボロディン大佐に弾が命中して死亡し、バーニーは裁判ができないとジムに言う
(15分30秒)アールド少佐からゼイガン将軍にジャービスが検問を突破したと報告がある
(21分50秒)弁護士としてディーバ少佐(パリス)が予定通り選出される
(24分40秒)ウイリーとパリスがB-230入りのトランクを交換する
(29分00秒)貯水タンクにB-230を投入しようとして、バーニーが足を滑らせ転落し失神する
(31分40秒)貯水タンクにバーニーがB-230を投入完了したが、溶けるまで2時間かかる
(41分40秒)ウイリーがキャサリンを助け、ロークナーをB-230の実験台に入れてしまう
(45分10秒)パリスが給水タンクにB-230を入れたとトレック博士に報告する
(47分00秒)パリスがジムとメレデスの監房の鍵を開け、二人を逃がす
【疑問点】@ボロディン大佐の死亡で作戦がどういう内容に変わったのか?
【粗筋】国家保安本部に入ったパリスとウイリーは登録カードを偽造して、ディーバ少佐のデータをパリスのものとすり替える。ジムとメレデスは整形手術をし たジャービス夫妻としてボロディン大佐に迎い入れられる。副首相とトレック博士の前でB-230は無理だと言い、IMFの用意したボリティカンの実験を明日の 9時に行うことを約束し、実験となる囚人にはウイリーを選ぶ。トレック博士はメレデスのところに来て、B-230の協力を要請するが、メレデスは主人の意向で 協力できないと断る。翌朝の実験の前、バーニーは実験室に忍び込み、コンピューター記憶回路の基板をすり替える。コンピューター上では、92−95%の 確率で成功すると判定されるが、トレック博士は人体実験をしてみないとわからないと主張し、早速ウイリーを実験台にする。その結果にトレック博士は催眠 術でも可能な内容とケチをつけ、ウイリーに自殺を命じろと言うのである。ジムは銃をウイリーに渡し、引き金を引かせるが弾が出ない。大切な実験材料を殺 したくないとジムはあらかじめ弾を抜いていたのだ。そして、副首相はボリティカンに5倍の予算を組むと言って喜ぶ。その後、メレデスはトレック博士と組ん で、ジムにボリティカンを飲ませて言いなりにする。早速、ボロディン大佐を呼び出し、ジムに射殺せよと命じて殺害した後、大佐を車に積んで崖から飛び降り ろとトレック博士は命令する。しかし、B-230の実験の囚人マーティンが逃亡を謀ったため、ロークナーによって射殺されてしまい、警報機が鳴らされゲート が閉鎖されてしまう。このため大佐を乗せたジムの車はゲートを強行突破する破目になり、守衛から銃撃を受けてしまう。
守衛からの銃撃で車のトランクに弾が当たり、中にいたボロディン大佐は死亡してしまう。これでは裁判ができないとバーニーはジムに告げる。大佐は重要 な証人になる予定だったのである。しかし、ジムは予定通り裁判をするしかないと答えるのだ。ウイリーはB-230の保管してある棚からウルトラハンドを使 い、B-230を一瓶盗み出してパリスに手渡す。ボロディン大佐を乗せたジャービス(ジム)の車が崖から落ちて炎上したという知らせが入り、大佐はトランク の中から焼死体、ジムは車から放り出されて無事ということで保護され、裁判にかけられることになる。弁護士としてパリスが予定通り選任されるが、ジムは ボロディンが事故で死んだことをパリスに告げる。パリスはメレデスに大佐の事故のことを話し、日記帳の件を伝える。そして、裁判が始まり、ジムに不利な 証言が続く展開となる。一方、バーニーは貯水タンクにB-230を投入する。裁判ではトレック博士がジャービス夫人には以前に会ったことがないと嘘をつい たことから形勢が逆転し、パリスはメレデスの日記帳を証拠としてメレデスに読ませるのだ。そこにはトレック博士に対する熱い思いが綴られてあり、二人は 古い知り合いだというのがばれてしまう。パリスはトレック博士とジャービス夫人の拘留を提案し承諾される。ボリティカンが駄目になったことでB-230の実 験を続けるロークナーは、キャサリンを実験台にしようとするが、ウイリーに殴られ逆にB-230の餌食になってしまう。その後、パリスはロークナーに変装し、 監房のトレック博士にB-230を貯水タンクに入れたと報告して監房の鍵を開けてトレック博士を逃がすのだ。車に乗りこむトレック博士は車の鍵がかからずも たついているところへ、パリスからの通報でやってきた副首相の前で逃げようとするところを射殺される。パリスがジムとメレデスの監房の鍵を開け、ウイリ ー、キャサリンとともにバーニーの運転する囚人護送車で逃げるのであった。
【解説】基本的には細菌兵器を扱った第3シーズンの「生体実験」を発展させて、今回は化学兵器をテーマに内容を膨らませて二部作にしたものだ。IMFのピ ンチが次々と襲ってきて視聴者を画面に釘付けにしてしまう。もちろん、IMFはピンチを一つずつ乗り越えていき、今まで以上に華々しい活躍を見せる。ハラ ハラさせるような大きなピンチは三箇所で見られる。
最初のピンチは、ウイリーを襲うものだ。IMFの用意した薬品の実験台になったウイリーは、薬品が効いたように演技するが、これにトレック博士が催眠術 でも可能な内容とケチをつけて、ウイリーに銃を持たせて自殺しろと命じる。ウイリーも緊張する中、引き金を引くのだ。しかし、弾は抜かれており、大切な実 験材料を殺したくないとジムが弁解する。こうなることをジムは読んでいたが、ウイリーの表情からは弾が抜かれていたことを知らなかったようだ。もちろん、 ウイリーはジムのことを100%信じているからこそ、自ら引き金を引くことができたのだろう。
次のピンチは、ジムを裏切ったと見せてメレデスがトレック博士と組んで、IMFの薬品を使ってジムを陥れることを偽装する。ジムは薬品が効いたと見せか けて、ボロディン大佐を射殺したように演じ、大佐をトランクに詰めて逃走するが、守衛の銃撃によって大佐が死亡してしまう。裁判における重要な証人の予 定だった大佐の死亡は大きな痛手となり、バーニーは裁判が進められないと懸念するが、ジムは予定通り行こうと答える。
最後のピンチは、B−230をウイリーがウルトラハンドを使って盗み出し、それをパリスが経由してバーニーに渡す。バーニーは基地を麻痺させるために、B −230を貯水タンクに登って入れようとするが、途中で錆びている梯子とともに転落して気を失ってしまう。B−230は溶けるまでに2時間かかることから、夕 食までに残り時間が刻々と迫る中、緊張感溢れるシーンとして描かれている。
第3シーズンでローラン演じるマーティン・ランドーとシナモン演じるバーバラ・ベインが降板してしまった。その代わりに第4シーズンから参加したのは、パリ スを演じるレナード・ニモイであり、「スター・トレック(宇宙大作戦)」で主演をしていたが、視聴率低迷のため第3シーズンで放送打ち切りとなり、ローランの後 釜におさまった。設定ではパリスは変装術、マジックなどの能力に関してローランと同等ということになっている。バーバラ・ベインの後継者としては、本エピソ ードに登場するメレデス役のダイナ・メリルが当初考えられていたらしい。しかしながら、彼女は「麻薬B-230」の二部作に登場しただけで、今後は、第4シー ズンのIMFの女スパイはほとんど毎回変わるというスタイルが取られる。その中でも、トレーシー役のリー・メリウェザーだけは例外で、「第三次世界大戦」、 「ロボット」、「海の底で口を割れ!」、「王家の血(三部作)」の六つのエピソードに出演している。 |
|
|
Copyright (c) from 2001 BONBEL
|