スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド4



81 暗号解読 The Code
【目的】暗号を解読し侵略計画の詳細を掴むとともに、敵国と連合人民共和国との同盟を粉砕すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 ヌエバ・ティアラの独裁者ヴィセンテ・ブラボーは、国境を接する隣の民主国サン・クリストバルに対する侵略を企てている。 48時間以内にその侵略計画の詳細が連合人民共和国から暗号によって、ヌエバ・ティアラにいるこの男ニコール・ヤノスに届くことになっているが、ヤノスは この侵略を助け、サン・クリストバルに傀儡政権を打ち立てるべく連合人民共和国から派遣されている策士である。
 そこで君の使命だが、暗号を解読し侵略計画の詳細を掴むとともに、ヌエバ・ティアラと連合人民共和国との同盟を粉砕することにある。例によって君もしく は君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ケン・ペットスKen Pettus
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: スチュアート・ハグマンStuart Hagmann
【ゲスト出演】
リンダ:アレキサンドラ・ヘイ(松尾佳子)Alexandra Hay as Lynn
ニコール・ヤノス:マイケル・コンスタンティン(高城淳一)Michael Constantine as Janos
ヴィセンテ・ブラボー:ハロルド・グールド(千葉順二)Harold Gould as Vicente Bravo
ラセルダ:ネイト・エスフォームズ Nate Esformes as Lacerda
アヴィラ大尉:ロベルト・コントレラス Roberto Contreras as Captain Avila
ジャニター:アート・ルイス Art Lewis as Janitor
若い男:A・マルチネス A. Martinez as Young Man
守衛:ヨアキン・マルチネス Joaquin Martinez as Desk Guard
スチュワーデス:ジョアニー・プレイドン Joany Playdon as Stewardess
技術者:ジェイ・タヴァース Jay Tavars as Technician
【場所】@指令(媒体):遊園地の回転木馬のある引き出しの中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:ヌエバ・ティアラ(サン・クリストバルの隣国)
【役割】ジム:警備兵→測量技師→暗号解読
パリス:エル・リダー
バーニー:車に隠れてる→移動式カメラの設置
ウイリー:偽の車の運転手→測量技師→暗号解読補助
リンダ:パネラ・ロバーツ(コンタクトレンズに情報を隠す)
【道具】@囮情報:コンタクトレンズに情報を隠す
Aナイフに仕込んだ盗聴機
Bリモコンで動くドリルとレンズのセット:暗号通信機の真上にセットする
【削除】(12分00秒)アヴィラ大尉がリンダに身体検査をする
(14分30秒)パリスを乗せた車がヴィセンテ・ブラボー邸に向かう
(46分30秒)そろそろ最初の報告が入るとヴィセンテはウキウキしている
【見所】(06分50秒)機内で銃を突きつけてスチュワーデスを脅すパリス
(10分40秒)物売りが運転手をかまっている間に、車をすり替えるジムとウイリー
(14分20秒)リンダのコンタクトレンズからマイクロフィルムが発見される
(22分50秒)ヤノスがパリスに何が欲しいんだと聞き、政府だねとパリスが答える
(32分00秒)ヤノスはパリスに金で解決しようとするが、副大統領と5000万ドルの条件を提示する
(35分10秒)囮の秘密文書を暗号化する場面を録画するジムとバーニー
(39分40秒)契約書が届き録画するが、解読法がなかなか見つけられないジム
(43分20秒)パリスはヤノスにさっきの条件でのむと返事をする
(48分20秒)銃声が聞こえるが、どっちが撃ってどっちが死んだのかがわからない
【疑問点】@ラストで銃声が聞こえるが、ヴィセンテとヤノスのどちらが銃を撃ったのだろうか?
【粗筋】パリスはエル・リダーに扮し、機内でスチュワーデスに銃を突きつけて飛行機を乗っ取り、ヌエバ・ティアラに向かわせる。ヴィセンテは飛行機に同乗し ていたリンダを捕えさせ、秘密書類を捜させるのである。アヴィラ大尉はリンダのコンタクトレンズにマイクロフィルムが隠されていることを発見する。パリスは ヴィセンテ邸に向かい、ヴィセンテとヤノスに挨拶をし、段々と野心を出してくるパリスに対し、ヤノスが何を欲しいんだと聞くと、パリスは政権だねと答えるの でヴィセンテの顔が曇る。パリスがサン・クリストバルは俺のものに決まっていると告げ、侵略はよくないし西側が黙っていないので内乱を利用すると言う。ヤ ノスはエル・リダーにどっちの味方かと聞くと、パリスはどっちつかずとかわす。そして、万一のことがあったら、全軍がヌエバ・ティアラに報復攻撃をすると釘 を刺す。これに対して、ヤノスはパリスに金で解決しようとするが、言い返事をしないので、副大統領のポストプラス5000万ドルの条件を提示し、パリスは考 えておくと即答を避けるのだ。ヤノスはヴィセンテには副大統領のポストを提示したことを秘密にする。一方、囮の文書から暗号解読を試みるジムだが、なか なか解読できずに、秘密契約書が届いてしまう。必ず写真の中に解読の鍵があると睨むジムは、時計台の針に着目し、解読に成功する。早速その情報は ウイリーによって本国にモールス信号で送られるのだ。その後、パリスはさっきの条件でのむとヤノスに返事をし、帰り際にヤノスにヴィセンテでなくもっと頭 の切れるものを上におかないとねとヴィセンテに聞こえないように耳打ちをする。そして、15時30分になり、果報を待つヴィセンテに電話が入り、ヴィセンテ は全軍に退却を指示せざるを得なくなる。というのは、事前に情報が漏れてしまっており、ヌエバ・ティアラ軍の周囲に大量のサン・クリストバル軍が包囲して いるというのだ。作戦の全容を知っているのはヤノスとヴィセンテの二人だけで、どちらかが裏切ったということでお互いに疑心暗鬼になり罵り合う。そして、I MFの受信機には銃声が鳴り響き、バーニーが"どっちが撃った"と聞くと、"どっちだって同じさ"とジムは答えるのであった。
【解説】アメリカの初回放映時において、第4シーズンの最初のエピソードに選ばれたのが「暗号解読」である。その割にはストーリーが変化に欠け、面白み があまり感じられないのは残念である。しかし、新しく本シーズンより参加したレナード・ニモイの演技力の素晴らしさが、ストーリー全体のつまらなさをカバー している。特に、敵の司令官ヤノスとの条件交渉は面白く描かれている。
 一番の見所は、IMFの秘密兵器の小型ビデオカメラを敵の暗号通信機の真上にセットして、敵が受信する暗号をモニターするところである。ここでのジム は、暗号解読のスペシャリストとして描かれている。最初は囮文書を使って暗号解読を試みるが失敗して、本番の秘密契約書が届いてしまう。敵の暗号文 書は写真と合成されて送られるというのも驚きで、ジムは写真の中に必ずヒントが隠されていると睨み、時計台の針を手掛かりに、想定されるあらゆるパター ンを描いて見事解読してしまうのだ。
 その暗号内容を本国に送信して、ヤノスらの作戦の裏をかいて侵攻地点に全兵力を配備するのである。そして、侵攻の時刻になり果報を待つヤノスの相棒 ヴィセンテは、自軍が敵軍に完全に包囲されてしまっていることを知り、退却せざるを得なくなる。作戦の全容を知っているのはヤノスとヴィセンテの二人のみ で、作戦が失敗したのは相棒が情報を漏らしたからと双方が疑心暗鬼になり、銃声が鳴り響くのである。ところが、視聴者にはこの銃撃シーンが見られな い。バーニーは視聴者を代弁して、"どっちが撃った"と気にするが、ジムは"どっちだって同じさ"と全く関心を示さない。謎のまま幕は閉じるのである。
 シナモンの代役としてリンダを演じるのは、アレキサンドラ・ヘイであるが、最後に、敵に服をビリビリに切られてタオル1枚にされてしまうという可哀想なシ ーンを演じさせられる。これで女性ファンを幾人か失ったと思われるくらい残酷に描かれている。ところで、オリジナル版では「リンLynn」という役名が、日本版 では「リンダ」になっているのは、山本リンダの影響か?


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