スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド4
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【目的】シンジケートの男を抹殺し、政府高官の脅迫ファイルを手に入れること
【指令】おはよう、フェルプス君。 政府の高位高官に対する脅迫材料を集め、これを使って組織的犯罪を企んでいるのはその男ルウ・メリックである。彼はそ の脅迫材料をファイルして、シンジケート全国大会に提出しようとしている。現在メリックの脅迫ファイルは、彼のボスであるシンジケートの支部長ジョナス・ス トーンがその金庫に保管しており、ストーンは次期後継者としてメリックに特別目をかけている。
そこで君の使命だが、メリックを抹殺しその脅迫ファイルを手に入れることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局 は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジェリー・ルドウィッグJerry Ludwig
原案: ジェリー・ルドウィッグ&リチャード・ニール・モーガンJerry Ludwig and Richard Neil Morgan
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: ギオーグ・フェナディGeorg Fenady
【ゲスト出演】
ルウ・メリック:ドネリー・ローデス(金内吉男)Donnelly Rhodes as Lou Merrick
ジョナス・ストーン:ポール・スチュアート(浮田佐武郎)Paul Stewart as Jonas Stone
バーマン医師:ベン・ライト(大木民夫)Ben Wright as Dr. Irving Berman
ニコルソン:ウィリアム・ブライアント William Bryant as Nicholson
トーマス・カルヴィン:ジェラルド・ハイケン Gerald Hiken as Thomas Galvin
カーター:ジョエル・ローレンス Joel Lawrence as Carter
フリン:ルーカス・ホワイト Lucas White as Flynn
看護婦:アリス・ラインハート Alice Reinheart as Nurse Larkin
【場所】@指令(媒体):あるヨットの上の鳥かごの下にあるオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ノールズ(精神科医師)
パリス:レスター・パーキン(トラック運転手)
バーニー:フィリップ・メンテナンス・サービスの窓拭き
ウイリー:セールスマン→レスティン(化学者)
バーマン医師:ストーンのかかりつけ医師
【道具】@盗聴マイク
A薬:インシュリンを主成分とした脳溢血と似た症状を引き起こす
Bマジックミラー
C取っ手:マジックミラーを掴む
Dスイッチを押すと寝ているストーンが動く装置
【削除】(15分40秒)バーマン医師はストーンの症状につきメリックに説明する
(26分20秒)メリックがノールズ(ジム)の行っている実験についての真偽をバーマン医師に聞く
(39分40秒)ノールズはメリックの連れてきた医師で、バーマン医師は知らないとストーンに話す
【見所】(08分00秒)メリックはストーンに金庫の番号を教えてくれと言う
(20分40秒)ジムがストーンとパリスの頭部に線をつないでいるのを発見するメリックの手下
(25分20秒)大会の日は予定通り28日だ、26日はいかんとパリスが言う
(31分40秒)メリックがパリスに銃を突きつけ、パリスはストーンになりきって喋る
(35分50秒)バーマンがニコルソンにメリックが室内に入れないのですぐ来てくれと連絡する
(39分20秒)ニコルソンがストーンにはめられたと言う
(44分40秒)バーニーがストーンの事務所から吊り足場に脱出する
(47分00秒)メリックが金庫を開けているのを見て、空になっているのをストーンに見つかる
(48分40秒)ニコルソンがメリックを射殺する
【疑問点】@黒いファイルの真偽については劇中では語られず、そのリストに載っている政治家たちについては全く問題にされていない。
【粗筋】まずウイリーが組織のボスであるストーンに盗聴機を仕掛けスプレーで薬を盛る。メリックはストーンに薬を扱いたいと提案するが、ストーンは駄目だと 断る。そこへジムが医師としてストーンを訪ねると、薬が効いてジムの目の前でストーンは倒れる。救急車でストーンを運ぶ隙にバーニーは窓から事務所に 入り、壁にマジックミラーを設置してその裏に隠れる。ジムは病室でストーンとパリスの頭部をコードでつなぎ、それをメリックの手下に見つかってしまう。そし て、メリックがやってきて、パリスはストーンの思っていることを代弁する芝居をし、大会の日は28日だと言うのだ。一方、メリックはガルヴィンが製薬会社でく すねたモルヒネを病院内の実験室で堂々と化学者のウイリーがヘロインに精製することを知るのだ。その後、メリックは皆を外に出してパリスに銃を突きつけ ると、パリスはストーンになりすましてペラペラ喋りだし、薬のことも白状する。バーマン医師はメリックが病室に入れさせなくしているので来て欲しいとニコル ソンを呼ぶ。そして、ニコルソンがやってくると、ストーンは病気でも何でもなく、ノールズ(ジム)もメリックが連れてきた医師で今日初めて会ったばかりだとバ ーマン医師はストーンに説明する。メリックはパリスをストーンの事務所に連れていき、金庫を開けさせるのだ。メリックはカルヴィンにモルヒネの代金を金庫 の中から払い、黒いファイルを探すと中が空になっているのを発見する。そこへストーンとニコルソンがやってきて、金庫が空になっているのを見て、ニコルソン がメリックを射殺するのであった。
【解説】この「黒いファイル」では、IMFによって眠らされた敵のボスの頭部とパリスをワイヤーで繋ぎ、ボスの考えていることをパリスに喋らせるという作戦が 取られる。もちろん、イカサマであるが、パリスが喋る度にボスの頭部が揺れ動くのがコミカルに描かれており、笑わずにはいられない程である。よくもこんな アイデアが思いつくものだと感心させられる程斬新的なものだ。もし、「ミスター・ビーン」でこのようなシーンが演じられたら、見る者は間違いなく腹を抱えて笑 わされるだろう。
バーニーが敵のボスの事務所に入り、マジックミラーの板を一列に壁の前に設置してその裏に隠れるシーンがあるが、第2シーズンの「殺人者の罠」で死 刑囚にされてしまったジムの友人ウェブスターがいる監房の中で、偽の壁を作ってその裏にウェブスターを隠したのと同様の手法である。バーニーは隙を見 て金庫を開け、黒いファイルを盗み出すのである。
ウイリーは、病院の中でモルヒネからヘロインを精製する化学者として登場する。モルヒネからヘロインに精製するという話は本当であり、これを日本でやる と逮捕されることになるが、アメリカでは大丈夫なのかという疑問が残る。しかし、第5シーズンの「狂気のルート」では、危険な薬品(魔薬)がアメリカで製造 されるのは問題なく、国内で取引されると違法だが、輸出に関しては合法ということが触れられている。
ところで、邦題になっている黒いファイルには、シンジケートが収集した政府高官ら重要人物に対する脅迫材料が記載されているということになっている。ち ょっとした個人的な不倫スキャンダルのような低次元のものも含まれているだろうが、中には、贈収賄や殺人事件等の国民が注目するようなものも含まれて いたと思われる。劇中、黒いファイルの内容には一切触れられていない。当然のことながら、腐敗した政府高官が何のお咎めなしというのも疑問が残る内容 である。 |
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