スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド4
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【目的】学生運動を政府御用の骨抜き大会に終わらせず、首相たちの欺瞞を全世界に示すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 熾烈な学生運動に対する緩和策として首相アントン・ロジェックとそしてその側近ヨセフ・チャーニーは特別学生大会を開催 することになったが、これが若い世代への懐柔策であることは明らかである。
そこで君の使命だが、学生のそれを政府御用の骨抜き大会に終わらせず、首相たちの欺瞞を学生たちの前で暴き、全世界に示すことにある。例によって 君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ケン・ペットスKen Pettus
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: ヴァージル・ヴォゲルVirgil W. Vogel
【ゲスト出演】
アントン・ロジェック首相:ジョン・ラーチ(大木民夫)John Larch as Premier Anton Rojek
ヨセフ・チャーニー:スコット・マーロー(広川太一郎)Scott Marlowe as Josef Czerny
マリア:アンナ・リー(島木綿子)Anna Lee as Maria Malik
ロキシー:リン・ケロッグ(池田和歌子)Lynn Kellogg as Roxy
ヴァクラヴ:ケン・スウォフォード Ken Swofford as Florian Vaclav
ヴァラリ医師:ピーター・ブロッコ Peter Brocco as Dr. Valari
カダール医師:エド・バーキー Ed Bakey as Dr. Kadar
警備:バック・ホランド Buck Holland as Security Guard
【場所】@指令(媒体):土産物屋の書類ロッカーからオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:ガリシア人民共和国
【役割】ジム:トマス・ハークネス
パリス:ピーター・ミュラー
バーニー:学生
ウイリー:警官
ロキシー:学生運動の首謀者
【道具】@受信機
Aペンダントの中に入っている薬品:火をつけると鉄格子が切れる
B電球につける盗聴機
C首相の著書の中に仕込んだ無線機
【削除】(10分20秒)首相がピーター・マリックが生きていることについてチャーニーに話す
(21分30秒)ジムが首相とチャーニーの前でピーター・マリックがミュラー家で育てられたと言う
【見所】(03分20秒)耳に小型受信機の埋め込み手術を行うジム
(08分30秒)学生大会まで息子の生死について異議を唱えないというメモを焼くマリック夫人
(17分40秒)パリスがアメリカ人は唄うだけと批判し、喧嘩になりバーニーは監房に入れられる
(25分50秒)5歳当時のピーター・マリックの資料を見る首相は、指紋がなくて情報不足と言う
(32分00秒)催眠術でジムがピーター・ミュラーはエドワード・マリックの息子と言う
(37分10秒)首相はピーター・ミュラーにE・マリックの息子と教え、思うことを述べろと言う
(38分40秒)田舎の医者よりピーター・マリックは20年前に死んで墓もあると連絡が入る
(41分10秒)偽物のマリックが首相の悪口を言うようなら化けの皮を剥がしてやると言う首相
(46分40秒)ピーターの父の記憶を葬りに来たという発言に、息子ではないと証言するマリック夫人
【疑問点】@どう見てもパリスは25歳の学生には見えないが?
【粗筋】耳に小型受信機の埋め込み手術をしたジムは、薬や催眠術を敵が使ってもバーニーの言うことしか反応しないという細工をする。ヴァクラヴの店にジ ムは出向き、エドワード・マリックの本を見たいと言って、手紙をマリック夫人に渡して欲しいと頼む。ヴァクラヴはその手紙の暗号を解読し、ロジェック首相と チャーニーにピーター・マリックが生きているという内容を報告するが、ジムのことをアメリカのスパイと睨み様子を見ることにする。そして、ジムは逮捕され、ピ ーター・マリックは死んでおらず、ミュラー家によって育てられたと自白するのだ。パリスはピーター・ミュラーとしてロジェック首相に会い、エドワード・マリック の批判をし、学生集会においてもアメリカ人を唄うだけと批判し、バーニーと喧嘩になる。バーニーはウイリーに捕まって監房に入れられるが、鉄格子を破って 脱出して壁をよじ登ってカダールの部屋に侵入し、盗聴機をセットしてまた監房に戻る。そして、本の中に隠してある無線機をセットして、カダールの催眠術に 対するジムのアシストをし、ピーター・ミュラーはエドワード・マリックの息子だと答えさせる。そこで、ロジェック首相とチャーニーはパリスを呼び、エドワード・マ リックの子供だと教え、思うことを演壇で喋るように指示する。ロジェック首相はラジオでこのことを大々的に宣伝するが、これを聞いた田舎の医者より、ピータ ー・マリックは20年前に死んで墓もあると証拠を突きつけられてしまう。今さら後に引けなくなったロジェック首相は、マリックが自分の悪口を言えば、きっとマ リック夫人もそれを支持するし、アメリカのスパイも出して偽者だという証拠を突きつけ、化けの皮を剥がしてやるともくろむ。そして、学生大会当日、パリスは 演説で首相の悪口を言うどころか賞賛するのである。パリスが父エドワード・マリックの記憶を葬りに来たと言うと、マリック夫人が席を立ち、"これは罠で、息 子でない"と証言するのである。これに対して学生たちは"マリアを返せ!マリアを返せ!"とロジェック首相に詰め寄るのである。暴動と化した会場から救わ れ、車の中でマリック夫人が"一体どうなってるの?"と聞くと、"味方です、もう自由ですよ"とジムは説明するのであった。
【解説】この「ヤング・パワー」では、幼少時に死んだ人物を、IMFのでっちあげで実は生きていると敵に信じさせ、最後に敵を出し抜くという作戦で、第3シー ズンの「甦ったプリンセス」でも使われたものである。さらに、当時世界中に沸き起こった学生運動を取り入れ、ストーリーに幅を持たせたものだ。また、パリス の催眠術が初登場し、ジムは受信機を耳に埋め込む手術を施して、バーニーがジムに喋ることを指示するというシーンが見られる。
IMFはかつての偉大な指導者エドワード・マリックの息子ピーター・マリックを甦らせ、パリスがその息子を演じる。ジムはアメリカのスパイ容疑で意図的に 逮捕され、パリスがピーター・マリックであることを自白する。そして、パリスは首相と会うものの、エドワード・マリックの批判をするのである。調査の結果、パ リスがピーター・マリックであることが判明し、首相は再度パリスを呼んで、エドワード・マリックの息子だということを教える。そして、演壇で思うところを喋るよ うに指示する。
首相はラジオでこのことを大々的に宣伝したところ、田舎の医者より20年前にピーター・マリックが死んだことが報告され、証拠も見せつけられる。後に引 けない首相は、パリスが自分の悪口を言えばエドワード・マリックの妻マリアも支持するし、その時はアメリカのスパイのジムも証人にして偽者として化けの 皮を剥がすと企む。
学生大会当日、パリスは首相の悪口を言うどころか、エドワード・マリックの記憶を葬りに来たと予想外の発言をしてしまう。すると、マリアが立ち上がり、こ れは罠で息子ではないと証言するのだ。学生たちは、マリアを返せ!と大合唱を続けて首相に詰め寄るのであった。パリスは最初からエドワード・マリックに は批判的で、批判的な演説をしても当然のはずだったが、パリスが偽者と知って、首相はパリスが自分の悪口を言ってエドワード・マリックを賞賛すると決め てかかったことが、首相の思惑が完全に覆されることになったと言える。いずれにしても、パリスがエドワード・マリックを批判的な演説をした時の状況を思い つかなかった首相の完敗という結果であった。 |
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