エピソードガイド４ - スパイドラマ倶楽部別館

スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館

エピソードガイド４

103 死の監房 Death Squad

【目的】死刑囚用の監房に入れられたバーニーを救助すること
【指令】なし
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: バリー・クレーンBarry Crane
【ゲスト出演】
コルバ署長：パーネル・ロバーツ（島宇志夫）Pernell Roberts as Chief Manuel Corba
エルマ：シシリー・タイソン（小原乃梨子）Cicely Tyson as Alma Ross
リヴァ：レオン・アスキン（雨森雅司）Leon Askin as Riva
ジカロ少尉：ジョン・シュック　John Schuck as Lieutenant Jocaro
トリマ：リチャード・アンガロル　Richard Angarol as Tolima
ルイス・コルバ：ヴァル・デ・ヴァーガス　Val De Vargas as Luis Corba
花屋：ナチヴィダト・ヴァシオ　Natividad Vacio as Flower Man
ルイサ：ルアン・ロバーツ　Luanne Roberts as Louisa
マリア：トリシュ・マホニー　Trish Mahoney as Maria
【場所】①指令（媒体）：なし
②舞台：カリブ海沿岸にある町カダモス
【役割】ジム：ジム・ムーア
パリス：ディエゴ・メンデス（マルチノ）
バーニー：バーニー・デーヴィス
ウイリー：インターポールの刑事
【道具】なし
【削除】（05分20秒）コルバ署長がリヴァに対し２０回目の逮捕だと告げる
（16分20秒）ウイリーが犠牲者がどれくらいと聞くと、７０人と答えるジム
【見所】（04分30秒）バーニーがよけた拍子にルイスが窓から転落死してしまう
（09分20秒）コルバ署長によって殺人でバーニーが逮捕されてしまう
（12分10秒）弁護士が降りると言い、バーニーは有罪で事実を曲げましたねと言われる
（15分40秒）リヴァより１０番監房は死刑監房と聞かされるバーニー
（20分00秒）エメラルドが転がり込んできたと死刑執行を延期するとコルバ署長はジガロに言う
（25分10秒）署長がジムの部屋に入ってエメラルドの話をし、隠し場所はバーニーが知ってると答える
（30分10秒）パリスはホテルのパーティでジカロに死刑分隊に入りたいと頼む
（36分10秒）ジカロを尾行したジムとウイリーは死刑執行の場所を発見する
（46分00秒）バーニーとリヴァの首に縄の輪が入れられ、床とともに二人は下に落ちる
（48分10秒）バーニーはエルマにアメリカに連れて行くと言って逃がす
【疑問点】①エルマといい仲になったバーニーはアメリカに連れていくが、その後どうなったのだろうか？
【粗筋】休暇中にジムとバーニーの二人は、カリブ海沿岸のある町で過ごしていたが、バーニーはエルマに恋をし、アパートから出て花を買っている時に、エルマの部屋で悲鳴が聞こえて部屋に戻ると、彼女に片思いをしているルイスがナイフを持ってバーニーに襲いかかってくるのだ。バーニーが止めようとして揉み合いとなり、バーニーがよけたはずみにルイスは窓から転落し、自分のナイフで自分を刺して死んでしまう。そして、警察が到着し、エルマと花屋の主人がバーニーの正当防衛を証言するが、バーニーは殺人容疑で逮捕されてしまう。ルイスはコルバ署長の弟で嫌な予感がするエルマはジムに連絡をし、いい弁護士を探す。弁護士とともに警察署に訪れるジムとエルマはバーニーへの面会をコルバ署長に拒否され、弁護士も降りると言うのだ。ジムはパリスに連絡を取り、パリスはウイリーに電話して現地で合流する。バーニーはリヴァより１０番監房は死刑監房と聞かされる。ウイリーは国際刑事機構（インターポール）の刑事としてコルバ署長とジカロにジムとバーニーはエメラルドの強盗犯であるという情報を流す。一方、パリスは転任警官としてジカロに挨拶し、ホテルの部屋でパーティをすると言って誘う。コルバ署長はジムの部屋を訪れてエメラルドの話をし、ジムはバーニーが隠し場所を知っていると答える。ジカロはパーティに来てパリスの本当の目的を聞き出し、コルバ署長に処刑されたフリッツ・ガモーレの懐中時計を探しに死刑を執行する場所に行き、それをジムとウイリーが尾行して場所を突き止める。そこで死刑囚の遺品、絞首台、硫酸のプールなどを発見する。コルバ署長はエルマを使って宝石のありかをバーニーから聞き出そうとするが失敗し、処刑場にバーニーとリヴァは護送されることになってしまう。ジムは絞首台の縄に細工をし、バーニーとリヴァには縄の輪がかけられるが、絞首台の床が下に落ちると縄が切れて二人は下に落ちるのだ。二人を救出したＩＭＦはコルバ署長の車を動かないよう細工して、車に乗って逃げるのだ。バーニーはエルマにここは危ないと告げて、アメリカに一緒に行こうと連れていくのだ。エルマが"署長は？"と聞くと、バーニーは"死刑だよ、それだけの証拠を知事に送っておいた"と答えるのであった。
【解説】このエピソードは、休暇中のジムとバーニーが巻き込まれた事件であり、バーニーが死刑囚に仕立てられてしまい、ＩＭＦのメンバーが結集してバーニーを救出して、事件の解決をするというものである。ＩＭＦの通常の任務とは違う私的なエピソードとしては、傑作の部類に入るだろう。バーニーにとっては、「新スパイ大作戦」の「死刑囚バーニー」でも死刑囚にされてしまうことになり、これは因縁なのかもしれない。
　カリブ海沿岸の町で休暇を楽しむ中、バーニーはエルマという女性に恋をする。そこへ、彼女に片思いするルイスが押し入り、揉み合っているうちに、勢い余ってルイスは転落死してしまう。ルイスがその町の警察署長コルバの弟であり、コルバはバーニーを逮捕して死刑監房に入れてしまう。
　ＩＭＦメンバーが現地に集まり、ジムとバーニーがエメラルド強盗ということで、署長に興味を持たせて死刑執行までの時間稼ぎをする一方、パリスは署長の部下に接触して死刑執行の場所に行くように仕向ける。そして、ジムとウイリーは死刑執行の場所を突き止め、絞首台の縄に細工をするのだ。
　バーニーともう一人の囚人が連れてこられて、死刑執行のその瞬間に縄が切れて二人は下に落ち、ジムらが救助して車で逃走する。敵の車は動かない細工を施してあるのでうまく逃げ切るのである。それにしても、コルバ署長はかなり病的な偏執狂に描かれており、そういう人物が警察署の署長というのも現実とはかなりかけ離れているような気がする。面白いことに、コルバ署長は最後まで敵が誰かわからないままドラマが終わっている。また、バーニーはエルマをアメリカに連れて行くことでジムの了解を得るが、二人の関係がどうなったかは、今後、本シリーズでは一切語られない。むしろ、第５シーズンの「スパイ狩り」で別の女性をアメリカに連れて帰っていることを考えると、バーニーとエルマの恋愛関係は自然消滅してしまったと考えるのが順当であろう。