スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド5



109 狂気のルート Flip Side
【目的】薬品ルートを粉砕するとともに、それを動かしている三人を白日の下に曝け出すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 現在わが合衆国では、危険な薬品のために毎年何千の、それも主に若い命が奪われている。これら危険な薬品を太平洋 岸で一手にさばいているのがそのメル・ブラッケンで、彼はその薬の供給を国外の業者マクシミリアンからあおいでおり、マクシミリアンはその薬をわが国の 薬品メーカーC・W・キャメロンから合法的に輸入している。
 そこで君の使命だが、この薬品ルートを粉砕するとともに、それを動かしている以上三人を白日の下に曝け出すことにある。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジャクソン・ギリスJackson Gillis
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ジョン・L・モキシーJohn Llewellyn Moxey
【ゲスト出演】
メル・ブラッケン:サル・ミネオSal Mineo as Mel Bracken
C・W・キャメロン:ダナ・エルカーDana Elcar as C.W. Cameron
マクシミリアン:ロバート・アルダRobert Alda as Diego Maximillian
フレディー:ジョセ・デヴェガJose DeVega as Freddie
バニー・キャメロン:ケーシー・ロジャースKasey Rogers as Bunny Cameron
少女:ジョイ・バングJoy Bang as Girl
密売人:フォード・リリーFord Lile as Pusher
ティトー:ジョン・リヴェラJohn Rivera as Tito
【粗筋】キャメロンは合法的に薬をメキシコにいるマクシミリアンに輸出しているので、さすがのIMFもこれでは手の出しようがない。そこで、製造者であるキャメ ロンとバイヤーであるブラッケンを直接取引させれば、アメリカ国内での違法取引になることに着目する。バーニーはトラック一台分のキャメロンの薬がメキシ コのマクシミリアンの会社に送られるのを追跡し、いつどのようにして、ロサンゼルスのブラッケンのところに送られるのかを知るのだ。一方、ジムはデンバー のシンジケートの男として、50万ドルの注文をブラッケンに入れ、ブラッケンはトラックの到着を心待ちにしているのだ。そして、バーニーはトラックの荷物をす り替えてしまい、トラックが到着して荷物を確認したブラッケンは驚く。ジムはブラッケンに対し、6時間で代わりのものを用意しろとプレッシャーをかける。とこ ろが、マクシミリアンはメキシコ当局に連行されてしまい、ブラッケンはキャメロンと直接交渉しなければならなくなる破目に陥ってしまう。キャメロンは時間に 間に合わせるために、いやいやながらも航空便で送ることを了承する。ジムがブラッケンから薬を買った現場をバーニーが撮影し、これがブラッケンとキャメロ ンを逮捕する証拠となってしまうのであった。
【解説】この「狂気のルート」は魔薬がテーマになっているが、当時のアメリカ社会の矛盾を浮き彫りにしている。「スパイ大作戦」が初回放映された頃のアメ リカでは、魔薬を製造することは罪に問われなかったようで、魔薬を海外に輸出するのは、指令にも触れられている通り、合法的であったようだ。しかし、アメ リカ国内で販売すると違法になるということで、IMFはこの点をポイントにして作戦を実行する。要は、アメリカの魔薬の生産者は海外に輸出する限り捕まえる ことはできず、捕まえるには国内取引を行わせる必要があったのだ。海外では、アメリカから輸出された魔薬で中毒に苦しむ患者が大勢いるというのに、そ の頃のアメリカの姿勢は現代なら、間違いなく非難の対象になるだろう。
 このエピソードでは、ダナ役のレスリー・アン・ウオーレンの歌が披露される。本シーズンより参加した彼女の可能性をアピールする目的で、こうした試みが されたかどうかはわからない。IMFメンバーが歌を披露するのは、第3シーズンの「幻の殺人」でシナモン役のバーバラ・ベイン以来である。


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