スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド5



110 殺しのセンター My Friend, My Enemy?
【目的】敵に拉致されたパリスの事後調査をし、敵がパリスに細工した事実を突き止めること
【指令】なし
【スタッフ】
脚本: ジーン・R・キアニーGene R. Kearney
原案: ウィリアム・ウッド&ジーン・R・キアニーWilliam Wood and Gene R. Kearney
製作: ローレンス・ヒースLaurence Heath
監督: ジェラルド・メイヤーGerald Mayer
【ゲスト出演】
タボール博士:マーク・リッチマンMark Richman as Dr. Paul Tabor
バンダー:ブルース・グローヴァーBruce Glover as Ernst Bandar
カール・モール:ウェスリー・ロウWesley Lau as Karl Maur
エニッド:ジル・ハワースJill Haworth as Enid Brugge, aka Marla Kassel
ミーガン:トニー・ジョージオTony Giorgio as Meerghan
インガ:クリス・ホルターChris Holter as Inga
事務員:アーロン・フレッチャーAaron Fletcher as Desk Clerk
警備員:エドワード・F・バックEdward F. Bach as Guard
警備員:バート・ラルーBart LaRue as Guard
付添員:ウォルター・デーヴィスWalter Davis as Attendant
【場所】@指令(媒体):なし
A舞台:ウィーン→ジュネーブ
【役割】ジム:パリスの事後調査
パリス:フレッド・スターク
ダナ:ベティ・ウイルソン
バーニー:指紋の照合→センターに侵入
ダグ:パリスの事後調査→センターに侵入
【道具】@パイプ:高周波を出し犬を刺激する
A窓のパテを取るシャベル
Bガラスにつける取っ手
【見所】(01分10秒)オートバイに乗っているパリスは車にぶつけられ、崖から転落して拉致される
(11分50秒)パリスの脳の視床下部に電極を埋め込むタボール博士
(20分40秒)事故現場でオートバイのライトを発見するバーニーとダナ
(29分00秒)パリスは木陰でエニッドにキスをする
(31分10秒)敵に捕まったことを告げられて、ジムに俺はおしまいだとがっくりするパリス
(33分00秒)ジムがエニッドに注意しろと言うと、むきになるパリスにジムは精神的に何かされたと察知する
(36分50秒)センターに侵入したバーニーとダグは、犬の頭部に電極がつけられているのを発見する
(40分50秒)電話中に銃声がし、エニッド宅に入ったパリスはエニッドの死を確認する
(44分30秒)パリスにしっかりするんだとジムが何度も呼びかけ、我に返るパリス
【疑問点】@側面視床下部に殺しのセンターは本当に存在するのだろうか?
【粗筋】任務を遂行し終わったパリスは、オートバイに乗ってジュネーブに向かっていたが、道中車にぶつけられて崖から転落したところを催眠銃で撃たれ、 拉致されてしまう。催眠術でパリスからいろいろと聞き出すタボール博士である。パリスのジュネーブ到着が遅いことでジムたちは、パリスの身に何かが起こ ったと睨んで捜索を始める。タボール博士はパリスの脳の視床下部に電極を埋め込み、殺人者に仕立てようとする。手術後、パリスは釈放され、ジムに電話 で事故に遭ったと連絡するが、ジムはパリスに事後調査の必要があり、見張られている可能性があるとメンバーに注意を与える。そして、事後調査でバーニ ーはオートバイのライトがないことを不審に思い、事故現場まで探しにいって見つけるのだ。ジムは2、3日パリスと一緒に過ごすと言い出し、わかっていなが らもパリスは不快感を示す。そして、ライトからカール・モールの指紋が発見され、犬の毛が3本パリスについていたことをジムは気にする。ダナは早速モール に会って探りを入れる。一方、タボール博士は女スパイであるエニッドを使ってパリスを夢中にさせるのだ。それを見てジムは、エニッドは敵のスパイだから注 意しろと助言するが、むきになるパリスを見て、精神的にどうかされていると睨む。ダナが警報機を鳴らす隙に、バーニーとダグがセンターに侵入し、犬の頭 部に電極がつけられているのを見て、まさに殺しのセンターに刺さっており、パリスにも同様の細工をしたとジムに連絡する。一方、エニッドからの電話中に 銃声が聞こえて、エニッド宅に駆けつけたパリスはエニッドが死んでいるのを確認し、パリスの昔の恋人だった女性の死を連想し、銃を手にしたパリスはジム に向かって発砲してしまう。しかし、ジムの必死の呼びかけにパリスは我に返る。電極を取り除く手術後、頭の中のスモッグが晴れ渡った感じとパリスが感 想を述べると、博士は官憲の手に渡ったと語るジムであった。
【解説】「殺しのセンター」は、IMFが任務を完了した後、敵に復讐されるという「スパイ大作戦」史上初めてのエピソードである。パリスはウィーンからジュネー ブにオートバイで向かっている道中、敵の車にぶつけられて拉致されてしまうのだ。そして、脳の視床下部に電極を埋め込まれて、催眠術を施され殺人者に 仕立て上げられてしまう。敵の心理的作戦により、IMFメンバーが殺人者として洗脳されるのは、第6シーズンの「殺し屋製造工場」でも見られ、こちらはバー ニーが被洗脳者にされてしまう。
 パリスの到着が遅いのでIMFメンバーは、パリスが敵に捕まったのではと心配する。敵に捕まったとなると、ジムはパリスの事後調査が必要と言う。バー ニーは本部に報告したら、パリスはお終いだと心配するが、ジムはそんなことはさせないと自分に言い聞かせるようにメンバーに告げる。パリスの命が終わり なのか、あるいは、スパイ活動ができなくなるという意味なのか、はっきりしないが、アメリカのスパイ社会にも厳しい掟があることが初めて示される。
 パリスはタボール博士より催眠術をかけられ、パリスの暗い過去が次々と明らかになる。子供の頃に父親が母親を追い出したことや、ミーガンという魔術師 の助手になり、同じ助手だったインカに恋したこと、そして、ミーガンがインカを撃ち殺したことを次々と告白する。敵はこのことを利用してパリスを殺人者に仕 立てようとするのだ。
 パリスは無事帰ってきたものの、事後調査を続けていく中で、ジムはパリスの異変に気づく。そんな時に、敵の女スパイであるエニッドが現れる。ジムがパ リスに忠告すると、パリスは苛立ってミーガンと混同するようになる。また、エニッドのことを殺されたインカと区別がつかなくなってしまう。敵に何かされたと確 信したジムは、オートバイのライトについていた指紋の持ち主が判明し、ダナ、バーニー、ダグを向かわせる。
 エニッドとの電話中に銃声が聞こえたため、パリスは素っ飛んで彼女の家に向かったが、既に死亡していた。このことにより、パリスはジムを憎きミーガンと 同一視することになり、完全にコントロールを失ってしまう。そして、ジムを見るやいきなり発砲するという恐ろしいシーンが展開される。しかし、ジムの必死の 呼びかけに我に帰るパリスであった。それにしても、人間の脳の視床下部に本当に「殺しのセンター」があったならば、今ごろは恐ろしい世の中になっていた かもしれない。


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