スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド6
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【目的】北東部の犯罪組織の幹部である二人の殺人容疑の確証を入手すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 フランク・スティーヴンスとトミー・クローブは、合衆国北東部を支配する強力な犯罪組織の最高幹部である。彼らは数々の 悪事を重ねているが、それらの犯罪に対し有罪を証明する確証がないため逮捕できない。
そこで君の使命だが、その確証を入手することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそ のつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ハロルド・リビングストンHarold Livingston
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ポール・クラズニーPaul Krasny
【ゲスト出演】
ダグ:サム・エリオットSam Elliott as Doug
トミー・クローブ:ウィリアム・シャトナーWilliam Shatner as Thomas Kroll
フランク・スティーヴンス:マイケル・ベイスレオンMichael Baseleon as Frank Stevens
ビル・フィッシャー:ポール・マンティーPaul Mantee as Bill Fisher
アーサー:ジェームス・ダリスJames Daris as Arthur
泥酔者:サム・エドワーズSam Edwards as Drunk
キャロル:ジャナイアJanaire as Carol Swanson
所有者:アレックス・ジェリーAlex Gerry as Proprietor
デヴィット・ジェームス地方検事:ポール・ブライアーPaul Bryar as David St. James
医師:マーティン・アシェMartin Ashe as Doctor
【場所】@指令(媒体):赤い箱の中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:警部
ケーシー:グラディス・コリンズ
バーニー:警官
ウイリー:アルバート
ダグ:クローブの顔をメーキャップ→ダニー・ライアンに変装
ビル:ダニー・ライアンの手下→フランク・スティーヴンスに変装
【道具】@赤いカプセル:幻覚を与える
A床屋の壁:スイッチを押すとひっくり返る
B催眠針
Cラジオ:内部にテープを4巻仕込んである
Dタイピン型発信機
E血糊
【見所】(02分00秒)地方検事局のデヴィット・ジェームスがコリンズの病室に入ったところを爆破される
(07分50秒)ダニー・ライアンから頼まれたと言って発砲され、ウイリーは催眠針をクローブに刺す
(17分00秒)フランク・スティーヴンスの若い顔に驚き、ナイフを持って外に出るクローブ
(22分20秒)現在1937年6月と監房の同居人から聞くクローブ
(26分50秒)グラディスを呼ぼうとスティーヴンスが言うと、先週吹き飛ばしたと告白するクローブ
(34分30秒)母親に電話をかけるクローブにジムは通話中の信号を送る
(40分10秒)ダニー・ライアンが現れたところで二人は射殺し、ケーシーが人殺しと叫んで出ていく
(41分20秒)地下室の暖炉の裏に部屋がある、禁酒法時代にファロンが酒を隠したところだと言う
(44分50秒)一人で立ち尽くすクローブの前に現在のスティーヴンスが現れ、その姿に驚くクローブ
【疑問点】@エキストラが多数参加しているが、IMFがやろうとしている作戦を知っていたのか?
A日本では30年前の殺人事件は時効が成立するが、アメリカでは時効の問題はないのか?
【粗筋】クローブはいつも通り10時45分に床屋に現れ、ウイリーがクローブの顔に蒸しタオルを置き、その中に赤いカプセルを仕込んで幻覚を与え、タオルを ひっくり返すごとに壁を1枚ずつ反転させ、30年前の床屋の状況を見せる。そこへ、ダニー・ライアンの手下から発砲され、ウイリーは催眠針でクローブを眠ら せる。ところが、クローブが時計を持っていないことに気がつき、それがないと作戦が駄目になることから、ジムはクローブの自宅まで探しにいく。そして、修 理に出していることがわかって取りにいくが、クローブのガールフレンドに見られ、フランク・スティーヴンスに電話をされてしまう。その間、ダグはクローブの若 返りのメーキャップを施し、制限時間は6時間と言う。その間、店内の装飾や町並みを30年前の状態にセットする。そして、目が覚めたクローブは懐中時計 に弾があたり命拾いしたこととウイリーが射殺された姿を確認し、自分が若返ったことに驚く。そこへ、ビルが変装したフランク・スティーヴンスがやってきて、 その若い姿に驚き、誰も寄るなとナイフを持って外に出るが、街の様子も30年前の姿になっており、ジムはクローブを逮捕して警察署に連れていく。クローブ は監房に入れられ、同居人から現在1937年6月であることを聞き、その後、スティーヴンスが保釈金を積んで釈放される。自宅に戻ったクローブは、すべて が30年前の状態を信じることができずに、人間の人生が戻るなんてと言う。スティーヴンス(ビル)がグラディス・コリンズを呼ぼうと言うと、先週吹き飛ばした と告白するが、その時、飛行機の飛ぶ音がしてクローブが上空を眺めると、すっかり30年前ということを信じ、クローブはスティーヴンスにグラディスに来ても らおうと言うのである。ケーシーがグラディス・コリンズとしてクローブの前に現れ、スティーヴンスがダニー・ライアンと仲直りしたいから呼び出して欲しいと頼 む。一方、時計の件で足がついた本物のフランク・スティーヴンスはクローブの行方を探し、マジェスティックスタジオにいることを突き止める。そして、手下の アーサーが守衛を脅して侵入するが、ジムに殴り倒され、ジムはゲートを閉鎖するように指示を出す。クローブはケーシーを映画に誘いつき合ってくれと遠回 しに言う。その後、スティーヴンスも加えて三人はファロンの店に行き、ダニー・ライアンが現れると射殺してしまい、ケーシーが人殺しと叫んで店の外に逃げ てしまう。そして、死体を運ぼうとする二人にパトカーの音が聞こえ、地下室にいいところがあるとクローブが告げ、暖炉の裏に部屋がある、禁酒法時代にファ ロンが酒を隠したところと言うが見つからない。バーニーから実際のファロンの店の跡で死体を見つけたと連絡が入り、スティーヴンスとライアンに変装してい た二人は逃げてしまう。一人になったクローブは廃墟となったクローサ・スクエアをフランキーと叫びながら探し回る。一人で立ち尽くすクローブの前に現在の フランク・スティーヴンスが現れ、顔のメークも崩れて足も不自由になった自分に気がつくクローブであった。
【解説】第6シーズンのトップを飾る「時代逆行30年」は、時代を30年以上もタイムスリップするという大袈裟な作戦が展開される。二人の老人を騙すだけな ら、他の方法を用いることも可能と思われるが、今回は何と1937年当時の映画撮影所全体のセットや人の配備など大掛りで大金をつぎ込んで任務が遂行 される。
クローブがいつものように床屋にやってくるが、ダニー・ライアンの手下が押し入り発砲し、ウイリーが催眠針でクローブを眠らせた後、ダグがクローブの顔を 30歳若返らせる整形手術を施す。その効果が6時間しか持たず、その制限時間内にIMFはクローブからダニー・ライアンの死体の隠し場所を吐かせなけれ ばならないのだ。
目を覚ましたクローブは、床屋の装飾や町並みが30年前に戻ったことに驚き、さらに、相棒のフランク・スティーヴンスの若い姿に我を失って暴れたところを 警察に連行させる。釈放後、フランクとアパートに戻るクローブは、1937年のヤンキースの試合の実況中継をラジオで聞き、ヒットラーの新聞記事を読み、冷 蔵庫の中の飲みかけの牛乳や当時はやった音楽などから、人間の人生が戻るなんてとまだ疑心暗鬼である。そして、頭上をプロペラ機が飛ぶのを見てやっ と納得するのである。
IMFの仕上げは、ダニー・ライアンを殺害したと見られるファロンの店で、クローブにダニー・ライアン射殺を偽装することから始まる。パトカーのサイレンを鳴 らして、クローブとフランク(ビル)を追い詰め、ダニー・ライアンの死体をファロンの店の地下室に運ばせる。クローブはフランクに暖炉の裏に部屋があると告げ るが見つからない。盗聴機でこの様子を聞いていたバーニーは、ファロンの店の廃墟からダニー・ライアンの死体を発見するのだ。いつの間にかビルも逃げて しまい、一人になったクローブは、誰もいなくなった町並みを駆け回った後に見たものは現在の姿のフランク・スティーヴンスであった。そして、若返った自分 の顔と足が元に戻ってしまったことに気づくのであった。
第6シーズンよりケーシー役のリンダ・デイ・ジョージが登場するが、アパートシーンで顔を見せる時も何の紹介もなく、また、パリスとダナがいなくなったこと も一言も触れられない。本シリーズではいつものことである。また、ダグ役で第5シーズンから参加していたサム・エリオットもこのエピソードが最後の出演に なっている。医者のエージェントは常時必要ないという結論が出されたようで、今後も医者を必要とするエピソードがいくつか登場するが、ダグの出番は来な かった。日本においては、「時代逆行30年」が第7シーズンと同時期の第165話として放映されているので、ダグが久しぶりに登場するので懐かしく思った ファンもいたと思う。 |
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