スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド6
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【目的】シンジケートに潜入した当局の人物の信用を回復し、彼の地位を不動のものとすること
【指令】おはよう、フェルプス君。 秘密捜査官ヘイズは、ジョン・ローソンの地下帝国を崩壊させるため証拠を集めていたが、任務遂行中盲目になった。ロー ソンの右腕カール・デートリッヒと、経営コンサルタントのヘンリー・マトーラは、ローソンの後継者たらんと競い合っている。このマトーラは五年前にシンジケー トに潜入した当局の人間だが、最近その素性を怪しむ者が出てきた。
そこで君の使命だが、マトーラの信用を回復し、シンジケート内の彼の地位を不動のものとすることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえら れ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: アーサー・ウェイズArthur Weiss
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
カール・デートリッヒ:ジェイソン・エヴァースJason Evers as Carl Deetrich
ヘンリー・マトーラ:トム・ボスリーTom Bosley as Henry Matula
ジョン・ローソン:ハロルド・J・ストーンHarold J. Stone as John Lawton
ジョニー・ブラウン:ピーター・ブラウンPeter Brown as Johnny Brown
ウォーレン医師:ロバート・パッテンRobert Patten as Dr. Warren
フッド:ドム・タットーリDom Tattoli as Hood
バーテン:ヘンリー・スレートHenry Slate as Bartender
ウォーレン・ヘイズ:グレン・ウィルダーGlen Wilder as Warren Hays
警備:カルヴァン・クレーンCalvin Chrane as Security Guard
警備:ボブ・ゴールデンBob Golden as Security Guard
【場所】@指令(媒体):ある部屋のスピーカーの中に隠されたテープを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ボブ・ヘイズ
ケーシー:アパート管理人
バーニー:スティーヴ・アンダーソン
ウイリー:バーの客→タクシー運転手
ウォーレン医師:ジムの目にレンズの取付手術をする
【道具】@レンズ:外側からは透き通って見えるが、内側からは見えない
Aマジックミラー:ジムの部屋の様子を監視する
【見所】(01分40秒)コーデリアの工場でボイラーが爆発し、ヘイズは目に負傷する
(12分40秒)ブラウンがやってきて、ケーシーに部屋代を払い空き部屋に入る
(16分30秒)車にひかれそうになるジムをブラウンが助ける
(25分40秒)第5管区12番エリア、極秘潜入指令22とジムが打つとデータが出てくる
(27分30秒)階段から落ちるジムを抱え、窓から外に逃げるブラウン
(32分10秒)ジムがケーシーに家賃を払い、デートに誘ってブラウンのことをチンピラヤクザと言う
(34分50秒)デートリッヒがジムの部屋に入り、マトーラを指名したら25000ドル払うと言う
(41分00秒)例の犬はマトーラですと答えるジム
(43分30秒)ジムを狙うブラウンをバーニーが射殺してジムを助ける
【疑問点】@マトーラはバーニーの正体を知っていたのだろうか?
【粗筋】コーデリアの工場のボイラー室での爆発で、ヘイズは目を負傷して失明する。ジムはウォーレン医師の手を借りて目を手術して盲目になり、ヘイズに なりすます。バーでバーボンを飲んでからむジムに気がつくシンジケートの幹部は、ブラウンに尾行させて住所を確認した後、空き部屋に入って監視をするの である。ブラウンはジムの無様な姿をデートリッヒに使えない奴と報告する。ところが、幹部よりジムをテストしようということになり、ブラウンが500ドル出すか らヘイズの後任警官の名前を教えろと言われる。シンジケートの幹部が後任の名前を知っている可能性もあるため、かといってジムが知っているのもおかし なことになるので、警察署のコンピュータールームに侵入してデータを盗まなければならなくなる。幸いジムはそのコンピュータールームをよく知っており、ブラ ウンに目を貸してくれと言って同行させる。そして、警察署内に侵入したジムとブラウンはコンピュータールームに入り、警備員が来るまで5分あると言い、コ ンピューターのスイッチを入れる。部屋が明るくなったことでブラウンは焦り、早くしろとせかす。第5管区12番エリア、極秘潜入指令22と打つとデータが出て きて、ジムはポケットに入れて逃げようとするが、警備員に気づかれてしまう。そして、追いかけられて階段から滑り落ちてしまうが、ブラウンの助けを借りて 何とか窓から外に逃げる。その後、データをローソンに渡し、本当に目が見えないかのテスト受け、ジムは見事に入社を果たす。お金が入ったところでケーシ ーに家賃を払ってデートに誘うが、ブラウンとのデートの約束があると断られてしまう。ブラウンが聞いている前で、奴はチンピラヤクザと言い、今の仕事は適 当に答えればお金がもらえるということを話してしまう。このことをブラウンはデートリッヒに報告をし、ジムの部屋に押し入り、ばらすと言われるが、そんなこと をしたら、自分で犬ということを宣言するようなものだとジムは牽制する。すると、デートリッヒはマトーラを指名したら25000ドル払うとジムに持ちかけるの だ。深夜、デートリッヒはローソンを呼びつけ、マトーラもローソンに重大な話があると言う。待ち合わせ場所に現れたローソン、マトーラ、デートリッヒを前に、ジ ムが例の犬はマトーラと答える。これに対して、マトーラはデートリッヒがジムに25000ドルで取引した録音テープを聞かせるのである。これは何かの罠だと いうデートリッヒらは発砲し、ローソンは負傷してしまう。これを見たマトーラはデートリッヒを射殺するのだ。さらに、ブラウンはジムを狙い、ジムは追いつめら れてしまうが、ブラウンはバーニーの弾を受けて転落死する。バーニーはジムを連行し、こいつをどうしますかと聞くと、始末しろと言われ、マトーラがローソン に肩を貸して帰宅するところに銃声が鳴り響くのである。盲目レンズを取った後、異常なしとウォーレン医師に言われ、生き返ったと笑顔を見せるジムであっ た。
【解説】このエピソードが日本で初回に放映された時は、「恐怖のめくら射ち!」だったが、「めくら」が放送禁止用語になったため、「闇の中の追跡」に変更さ れたのであろう。今回、本来ならパリスが演じるような役をIMFリーダーであるジム・フェルプスが引き受ける。盲目になる細工としては、第3シーズンの「甦っ たプリンセス」でシナモンが特殊な目薬を使ったが、今回、ジムは外側からは透き通って見えるが、内側からは何も見えない特殊なレンズの埋め込み手術を する。恐らく、目薬は数時間の効果しかなく、今回の任務は数日要するからこのような手段を選んだのであろう。
目の見えなくなったジムに次々と災難が降りかかる。お金を騙されたり、車に轢かれそうになったり、あるいは、階段から滑り落ちたりと視聴者も見ていら れないくらいジムが気の毒に見える。こういうジムを組織にスカウトするという展開も理解に苦しむが、それだけジムの持っている情報、すなわち、誰が当局 の犬であるかを掴むのは組織の存亡に関わっていたということだろう。
一番の見所は、ジムの入社試験として課せられたジムの後任者の名前を警察署から盗み出すところである。幸いジムは、警察署の見取り図を知ってお り、デートリッヒの手下ブラウンを同行させ、コンピュータールームに侵入してデータを盗み出すところは緊張感溢れる展開になる。5分しかない時間でデータ を出力するが、警備員に見つかってしまい、窓から逃げるところはハラハラさせられるシーンとして描かれている。
フィナーレでは、ジムはデートリッヒより2万5千ドル受け取ってマトーラが犬と証言するが、この取引の会話が録音されていて、バーニーが組織のボスにこ れを聞かせる。すると、ジムを買収したデートリッヒとマトーラ間で銃撃戦が展開され、デートリッヒは射殺されてしまい、ジムの命を狙ったブラウンをバーニー が射殺する。結局、バーニーが嘘の証言をしたジムを射殺する偽装をして幕が閉じるのである。それにしても、バーニー、ウイリー、ケーシーの三人が目の見 えないジムを近くから、あるいは遠くから見守るシーンが心温かく描かれており、IMF四人のチームワークが完璧と見せつけられるのである。 |
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