スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド6



130 殺し屋を消せ! The Bride
【目的】莫大なドルの海外不法持ち出しをする人物の暗躍を永久に封じること
【指令】おはよう、フェルプス君。 その男ジョー・コーヴィンは以前シンジケートの殺し屋であったが今ではドルの国外不法持ち出しを専門にしている。コーヴィ ンを通して暗黒街が吸い上げた莫大なドルがスイスの銀行に流出し、それが外国資本という形で帰ってきて、わが国の産業界を脅かしている現状である。
 そこで君の使命だが、このコーヴィンの暗躍を永久に封じることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関 知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジャクソン・ギリスJackson Gillis
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ジョン・L・モキシーJohn Llewelyn Moxey
【ゲスト出演】
ジョー・コーヴィン:ジェームス・グレゴリーJames Gregory as Joe Corvin
フランク・メリンジャー:ブラッド・デクスターBrad Dexter as Frank Mellinger
リッチー:チャールズ・ディアコップCharles Dierkop as Richie
アンダース:ダグラス・ヘンダーソンDouglas Henderson as Anders
殺し屋:ハリー・レイボウルドHarry Raybould as Thug
ハリス/ボブ・ロバーツ:ギル・リチャーズGwil Richards as Harris/Bob Roberts
積込係:ラリー・デュランLarry Duran as Chief as Loader
パーティの女性:ラシェル・イングリッシュ Rachel English as Girl at Party
コリンズ:ウッドロー・パーフレイ Woodrow Parfrey as Collins
【場所】@指令(媒体):プールの脇にある部屋のロッカーの鍵を開け、オープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:デビンズ(航空会社関係者)
ケーシー:キャスリン
バーニー:キンギビー→ベーカー
ウイリー:配電盤細工→アンダーソンレンタカー店員
ボブ:ハリスに変装
【道具】@ケーシーの人形
A薬:飲むと3分で仮死状態になる
B指輪型発信機
C催眠針
D霊柩車:ボタン操作で床が昇り降りする
【見所】(06分10秒)女の帽子は気に入らないとケーシーの帽子を脱がせるコーヴィン
(12分30秒)フランクがコーヴィンに仕事を横取りしようとする男がいると知らせる
(18分30秒)リッチーはジムとケーシーの密会の現場を押さえて、コーヴィンに電話する
(21分30秒)薬の他に何を扱っているとコーヴィンはジムに聞き、4万ドルで一仕事をと誘う
(24分10秒)ケーシーの死を確認するコーヴィンとリッチー
(27分10秒)空港で棺が飛行機に乗せられるのを見て、お金を棺に入れることを思いつくコーヴィン
(33分00秒)ハリスを催眠針で倒し、ケーシーと人形をすり替える
(37分00秒)ケーシーの遺体を棺に入れ、金を枕に隠して偽の大使館の封印をする
(42分00秒)棺がベルトからすり落ち、中からケーシーの人形が飛び出すが金が見あたらない
(43分50秒)生きているケーシーを見て、二人でマイアミに行くつもりだったとフランクが言う
【疑問点】@コリンズ葬儀社でケーシーが棺に入れられるが、人形でなく本人が入れられたように見えるが?
【粗筋】シンジケートの金をくすねた運び屋アンダースを殺害したジョー・コーヴィンは、800万ドルを運ぶ後任者を見つけなければならない。コーヴィンが結婚 相手に選んだのは、ヨーロッパの女であるキャスリン(ケーシー)である。バーニーはフランク・メリンジャーに対してコーヴィンに10%払っているのを8%でどう かという話をもちかけるが断られる。コーヴィンにどういう仕事をしているのか聞いていないと言うケーシーに、知らない方がいいと答えるコーヴィンは、豪華な 首飾りをプレゼントする。パーティの席でフランクはコーヴィンに、仕事を横取りしようとする男がいると知らせる。ジムはケーシーの愛人と思わせて電話で呼 び出すが、それをリッチーが盗み聞きをして尾行する。コーヴィンはバーニーを拉致し、縛って吐かせようとするが、バーニーの取り分は5%で山分けしようと 持ちかける。これに対して誰ともパートナーは組まないと言うコーヴィンである。リッチーはジムとケーシーの密会をおさえて、女は薬中毒とコーヴィンに電話を する。そして、コーヴィンは現場に行ってジムを殴った後、首飾りをジムから取り上げ、薬の他に何を扱っているんだと聞く。ジムは航空関係者と告げ、税関も ノーチェックなので何でもやり、金も運ぶと聞いたコーヴィンはジムに4万ドルで仕事をしないかと誘う。ところが、ケーシーは仮死状態になる薬を飲み、コーヴ ィンとリッチーはケーシーの死亡を確認し、コリンズ葬儀社に連絡して火葬の手配をする。その後、ジムはコーヴィンを空港に呼び、税関がすべての荷物を検 査するのでお手上げだと言うのだ。コーヴィンが困っている中、棺が飛行機に運ばれるのを見て、金を棺に入れて運ぶのを思いつく。そして、ケーシーの死体 をヨーロッパに運ぶことにし、コリンズ葬儀社に電話を入れる。ウイリーはコリンズ葬儀社にケーシーの人形を運び、ハリスに催眠針を刺し、ボブがハリスに変 装をして、ケーシーの遺体と人形をすり替えてしまう。そうとは知らずに、フランク、コーヴィン、リッチーの三人はケーシーを棺に入れ、枕の中に金を入れて偽 の大使館の封印を貼る。そして、バーニーは霊柩車の中で金を抜き取るのだ。空港では棺を飛行機に搬入する際、ベルトから滑り落ちて中からケーシーの 人形が飛び出し、800万ドルがなくなっているのに気がつく三人である。コーヴィンの自宅に戻ると、ケーシーが生きており、二人でマイアミに行くと聞き、フ ランクは女に骨抜きにされたなとコーヴィンに告げて、コーヴィンをエレベーターシャフトから突き落とすのであった。
【解説】この「殺し屋を消せ!」で初めてケーシー役のリンダ・デイ・ジョージに主役らしい役が回ってくる。敵の悪漢コーヴィンの花嫁になるというものだが、ア メリカ人ではなくアイルランド出身という触れ込みである。コーヴィンとケーシーの間には恋愛関係はなく、誰かの紹介で知り合ったようなお見合いの形態でも なく、あたかもコーヴィンが通信販売でケーシーを買ったような雰囲気が漂うのは滑稽である。
 若くて美人の妻を得たコーヴィンの喜びも束の間、ケーシーに間男ジムがいるとともに薬中毒であることが判明する。ジムに大金の運び屋を依頼するコーヴ ィンだが、ケーシーが薬を飲んで死亡してしまう事態になる。作戦の途中でケーシーが死を偽装するのも、今後のエピソードでも数多く見られ、こんなに死顔 の似合うIMFのエージェントも他にいない。
 ケーシーの葬儀の準備を進めるコーヴィンだが、ジムはコーヴィンを空港まで呼び、税関のチェックが厳しくなったことを示し、コーヴィンの目の前で棺が運 ばれるのを見せつけて、棺にお金を隠して輸出することを思いつかせる作戦は見事に描かれている。
 棺の中にケーシーにすり替わった人形が入れられ、枕に800万ドルを忍ばせて霊柩車で運ばれる。霊柩車の中ではバーニーが800万ドルを抜き取る。そ して、皆が見守る空港で棺を飛行機に搬入する際、棺が滑り落ちて中からケーシーの人形が飛び出して、お金がなくなっていることに気づくのである。誰が お金を盗んだかわからないまま、コーヴィンの自宅に戻ると、ケーシーが生きており、マイアミ行きのチケットをペアで持っていることから、シンジケートのボス は女に骨抜きにされたなと言って、コーヴィンをエレベーターシャフトから突き落としてしまうのであった。エレベーターシャフトを使う殺人は、このシリーズでよ く使われるシーンだが、遺体発見時に、遺体が損傷していると殺人か事故か判別がつかないことから用いられたのだろう。


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