エピソードガイド７ - スパイドラマ倶楽部別館

スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館

エピソードガイド７

169 恐怖！人工大地震 The Western

【目的】盗まれた美術品の隠し場所を突き止め、犯人の有罪を証明すること
【指令】おはよう、フェルプス君。　アズテカ博物館から５００万ドルに値する貴重な国宝美術品が盗まれ、合衆国に持ち込まれたものと思われる。犯人はヴァン・クリーブとマシュー・ロイスと判明しているが、二人は仲間割れしてクリーブがロイスを殺し、証拠を隠滅、当局の手を逃れている。
　そこで君の使命だが、その美術品の隠し場所を突き止めヴァン・クリーブの有罪を証明することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。　成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: アーノルド＆ロイス・ペイサーArnold & Lois Peyser
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: レスリー・Ｈ・マーティンソンLeslie H Martinson
【ゲスト出演】
ヴァン・クリーブ：エド・ネルソンEd Nelson as Van Cleve
エド・ストナー：マイケル・アンサーラMichael Ansara as Ed Stoner
マシュー・ロイス：バリー・アトウォーターBarry Atwater as Matthew Royce
ドリスコール：フランク・ファーマーFrank Farmer as Driscoll
歩行者：ドン・ガザニガDon Gazzaniga as Walker
スチュワーデス：ジョアンナ・カシディJoanna Cassidy as Stewardess
運転手：トロイ・メルトンTroy Melton as Driver
【場所】①指令（媒体）：噴水のある公園でいいねイタリアで見た噴水を思い出すよと男に言い、青い道具箱の中からオープンテープレコーダーを取り出す
②舞台：ストーン・バレッジ
【役割】ジム：マイク・ダルビー
ケーシー：大学院学生
バーニー：アイザック・ヤンガー
ウイリー：カジノのディーラー
【道具】①デスマスク
②バッグ：まちが二つある
③地震発生装置と監視装置
④液体を動かす装置
⑤発信機：車に取り付ける
⑥ラジオ放送のテープ
【見所】（02分40秒）７００年の値打ち物と美術品を見て、穴に入ったロイスをクリーブが爆破する
（07分40秒）デスマスクをつけた男がトラックにはねられ、死を確認する運転手
（11分00秒）あなた先を見通せるのとケーシーに聞かれ、デスマスクの男の件を思い出すクリーブ
（17分30秒）バーで二人は何をしにきたと聞くクリーブに、いくらくれるのか尋ねるジム
（19分30秒）ケーシーがギャンブルで勝って札束をバッグに入れるのを見て、機内のことを思い出す
（25分50秒）物事を予知する働きって素晴らしいとケーシーが言い、君も素晴らしいと言うクリーブ
（33分20秒）銃についた指紋からマシュー・ロイスと判明する
（36分00秒）ジムよりダム決壊の話を聞き、１万ドル支払うクリーブ
（37分30秒）プールの水が大きく揺れて、自分の死体が浮かぶのを確認するクリーブ
（40分10秒）地震発生装置のスイッチが押され、目が覚めるクリーブ
（45分10秒）洞窟の中から美術品を取り出すクリーブにロイスが銃を向け、そこへＩＭＦが踏み込む
【疑問点】①デスマスクをつけた男はＩＭＦの関係者だろうか？
【粗筋】ヴァン・クリーブは仲間割れしたマシュー・ロイスを洞窟におびき出し、爆破して殺害してしまう。クリーブが町を歩いていると、突然目の前にデスマスクをつけた男を目撃し、その男がトラックにはねられ死亡するのを見てしまう。また、飛行機の中では隣の席にいるケーシーがトランプをしているが、彼女のバッグに札束が入っているのを見つけ、クリーブはケーシーにバッグの中に大金があるのを目にしたと言う。ところが、ケーシーがバッグを開けると、札束ではなく化粧品などが入っているだけということを知り、クリーブは幻覚を見たと思うのである。そして、"あなた先を見通せるの？"とケーシーに聞かれ、デスマスクの男の件を思い出す。ジムとバーニーはクリーブの屋敷に測量師として入るが、クリーブに捕まってしまい事情を説明する。クリーブはどうして合衆国政府が自分の屋敷を測量しにきたか気になり、その筋の者に調査を依頼しても突き止められない。夜になってカジノバーでジムを見つけ、何しにきたかを聞くクリーブに、いくらくれるのかとジムは言い、クリーブは考えておくと即答を避ける。さらに、ケーシーもカジノにおり、ギャンブルに勝って札束をバッグの中に入れると、それを見て機内で見た札束と同じことに驚くクリーブである。クリーブがカジノにいる間に、ジムとバーニーはクリーブの屋敷に侵入して地震発生装置を寝室に取りつける。自分が見た幻覚を不思議に思うクリーブは、自分の体験をケーシーに話すと、ケーシーは脳がコンピューターの役割をして心が先を予知する働きをし、サイバリティー・エバリエーションだと説明する。そして、物事を予知する働きって素晴らしいと言うケーシーに、君も素晴らしいと応えるクリーブだが、何者かに狙撃される。男は牧場の方に逃げて車に乗り、ジムとバーニーも追跡する。そして、ゴーストタウンで男は車から降り、ジムの乗る車のタイヤを狙い撃ちし、しばらく銃撃戦となるが、隙を見て逃げられてしまう。残された銃の指紋よりマシュー・ロイスと判明し、死んだと思われていた男が生きていることがわかる。クリーブに死なれては任務が失敗してしまうと心配するジムは、クリーブのところに行って１万ドルくれと持ちかけ、ダムに欠陥があって大地震が発生するとダムが決壊し、このあたりは水没してしまうと教える。その後、自宅のプールの水が揺れ、自分の死体が浮かぶのを見てしまうクリーブである。そして、深夜の三時に地震発生装置を作動させ、目を覚ましたクリーブは車に乗って美術品の隠してある場所へ向かい、ロイスもその後をつける。ＩＭＦもクリーブの車につけた発信機を頼りに追跡する。洞窟の中に入って美術品を掘り出すクリーブにロイスが銃を向けるが、そこへ地震なんかいつあったと言いながらジムとバーニーが踏み込むのであった。
【解説】予知能力があるということを敵に植えつけるのは、第３シーズンの「幻の契約書」でも見られるが、今回はスケールも大きくなり、また、薬も使わずに心理作戦として面白く展開される。まず、クリーブが町を歩いていると、デスマスクを被った人物が目の前を通り過ぎていき、その男がトラックに轢かれて死亡するシーンを見てしまう。その男の顔を見るとデスマスクでなく素顔に戻っていたことで、クリーブは首をかしげるのである。
　続いて起こるのは、飛行機の中の出来事で、隣に座ったケーシーのバッグの中に札束が見え、ケーシーが再度バッグを開けると化粧品等小物類が見えることで、その時は単に幻覚を見たとクリーブは思う。ところが、ケーシーがカジノで大勝してクリーブの見たのと同じ札束を持っているのを見て、このことをクリーブが話すと、ケーシーはその能力を学問的に説明してみせて、おだてられたこともありクリーブはこの能力を完全に信じてしまう。
　ジムよりダムに欠陥があって大地震が起こるとクリーブの屋敷周辺が水浸しになることを聞いた後、さらに、クリーブにとどめを刺すのは、自宅のプールの水が揺れて、水の中から自分の死体が浮かんで消えてしまうシーンを見せつけるのだ。その後、ＩＭＦの地震発生装置で大地震を演出すると、クリーブは飛び起きて美術品の隠してある場所に向かうのであった。
　途中でクリーブが殺害をしたはずの人物が生きていて、クリーブを狙撃するシーンも見られる。ＩＭＦが追跡してゴーストタウンに追い込み銃撃戦が展開されるのは、本シリーズでも珍しいシーンになってしまった。そして、ＩＭＦの車のタイヤが狙撃されてまんまと敵に逃げられてしまうという失態を犯している。ＩＭＦが今まで銃撃戦を好んで行わなかったのは、不得手であるからというのを露呈するような結果になり、また、ジムがクリーブに死なれては任務が失敗してしまうと弱気を吐くところも見られ、いつもとは趣が異なったものに仕上がっている。