スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド1
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【目的】戦争を企てる鉄のカーテンの向こうの国の指導者を抹殺すること
【作戦】目的は、鉄のカーテンのかなたで再び世界に火をつけようとしているヤノス・カークという指導者を抹殺することだ。しかし、暗殺はまずい。毒を以て毒 を制す。むこうの手で処分させるのが一番。そのため、ルビアンカ軍事刑務所の所長であるとともに、ヤノス・カークの部下として諜報活動を取り仕切っている ドミトリ・ソスカ。この男にスパイをつかませて、カークが売国奴であるという偽りの情報を売り込む。そしてその情報を裏付けてカークを売国奴に仕立て、ソス カをしてカーク粛正に踏み切らせるため、我々はそのスパイ救出に全力をあげるふりをする。ところで、ソスカのところに売り込むそのスパイだが、第一条件は まず記憶力だ。(ブリッグス談)
【スタッフ】
脚本: ロバート・レウィンRobert Lewin
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: チャールズ・R・ロンドウCharles R. Rondeau
【ゲスト出演】
ジョセフ・バレシュ:アルバート・ポールセン(大木民夫)Albert Paulsen as Joseph Baresh
ドミトリ・ソスカ:レオナルド・ストーン(早野寿郎)Leonard Stone as Dimitri Soska
街頭写真家:エディ・キャロル(青野武)Eddie Carroll as Street Photographer
ヤノス・カーク:ウィリアム・キーン(寄山弘)William Keene as Janos Karq
警備兵:ハインツ・ブリンクマン Heinz Brinkman as First Guard
警備兵:ジーン・ダイナスキー Gene Dynarski as Sergeant Of Guard
【場所】@指令(媒体):カメラマンよりダンがカードを受け取る。いつもの指令はなし。
A舞台:鉄のカーテンの向こうにあるヨーロッパの国
【役割】ダン:偽造パスポートを所持する男(警察に追われる)→カメラマン→消防士
ローラン:ジョセフに変装(撮影のモデル)
シナモン:撮影のモデル(警官が見回りにきた時)
バーニー:刑務所に侵入
ウイリー:カメラマンの助手→消防士→刑務所の警備兵
ジョセフ:スパロウ(諜報員として監房に入れられる)
【道具】@発煙筒:筒状のもので刑務所内が火事になったと思わせる
A三脚の映像スクリーン:ロケット弾のような形状で中に入っている(監視カメラのトリックを演出)
B鉄格子を切る薬品:燃やすと鉄格子が溶ける
Cマジックミラー:トラックの荷台に仕掛けられ、奥に人がいることを隠す
【削除】(01分50秒)アパートでジョセフの記憶力がすごいことを披露する
(05分10秒)危険な任務と知った上で、ジョセフがスパロウになると承諾する
(13分30秒)赤い車のところでのダンとウイリーの会話
【見所】(06分50秒)拷問された時のテクニックをダンがジョセフに手本を見せる
(28分10秒)ジョセフが敵側スパイの全員の名前を覚えたからダンに監房から出すよう懇願する
(29分30秒)バーニーが逃げようと言うが、ダンはジョセフを置いていく訳にはいかないと言う
(31分40秒)撮影中に警官二人がやってきたが、不審に思ったためウイリーが殴り倒す
(35分30秒)所長より5時間後に処刑と宣告され、ナポレオンを最後に飲みたいと言うジョセフ
(41分40秒)所長がナポレオンをジョセフに渡すが、このことが監視カメラに映っていない
(43分10秒)ジョセフがトラックから脱出する際に足をくじく
(45分00秒)ウイリーが警備員に発砲し、殺人を犯す
【疑問点】@バーニーが塀に張り巡らされているバラ線をショートさせたが、なぜ監視台にいる守衛が感電で倒れたのか?
【粗筋】バルカンのとさつ者ヤノス・カークは戦争挑発者であり、彼をこのままのさばらせておくと、間違いなくバルカン諸国に戦争が誘発されてしまう。そこ で、IMFはカークを抹殺するために、西側諜報員スパロウに扮したジョセフをカークの部下ソスカに故意に逮捕させる作戦を取る。刑務所長のソスカは西側ス パイの情報を得たいがため、ジョセフから聞き出そうとする。酒をちらつかせて、さんざん訊問をした挙げ句に45分だけ眠らせ、また連れてこいと拷問を続け る。その後、スタイルを変えると言って酒を顔面めがけて引っかける。ジョセフはヤノス・カークが西側のボスだと自白するのだ。もちろん、ソスカは驚くとともに ジョセフを信じない。そこで、IMFの取った作戦は、火事を装って刑務所に侵入し、ジョセフの監房のドアを壊そうとして命懸けで助けようとしたという証拠を残 し、ジョセフの情報が真実であるということを敵側に思わせるというものだ。ジョセフはこの時、ダンに敵側スパイの全員の名前を覚えたから監房から出してく れと懇願するが、目的はヤノス・カークの抹殺であるため、ダンはきっぱりと断る。そして、アルゼンチン銀行にカークに多額の預金があったとして、カークはソ スカの命令により銃殺されて任務を完了する。その上、ジョセフの頭の中には敵側スパイ全員の名前のリストが入っているという、おまけまでついた内容で ある。刑務所から逃走する際、警官に追いつかれそうになると、ダンは真っ赤なフォルクスワーゲンがすれ違いざまに逃げていったと目撃者を装う。警官はダ ンの証言を信じて、刑務所の方向へ車を戻らせる。安全を確認してジョセフがトラックから出てきたところ、"海岸まで400メートル、船が待っている。感想 は?"というダンの質問に対して、"忘れたね"と皮肉るジョセフだった。
【解説】指令は本シリーズでは唯一カードが媒体として使用され、カメラマンよりダンに手渡される。今回の使命は、ヤノス・カークを抹殺することである。しか し、暗殺はまずいので、カークの部下をそそのかして、部下に殺させるという戦法を取る。今後のエピソードでも、敵の人物の殺人を依頼する指令があるが、I MFは直接手を下さず、部下をそそのかして部下が殺人をするように仕向けるというのが、IMFの基本姿勢となる。しかしながら、このエピソードでは、バーニ ーが配線を細工して監視台にいる敵の守衛二名を感電死させる。ウイリーも逃げる際、発砲して敵の守衛を殺害している。パイロットでもダンが自分から先に 発砲するシーンがあったが、ごく初期の「スパイ大作戦」では、IMFのメンバーが自ら進んで銃を発砲し、人を平気で殺害するシーンが見られるが、やがて、 このようなシーンは見られなくなる。
今回、IMFに協力するジョセフ・バレシュは、記憶力が人並み外れており、電話帳に載っているデータを即座に記憶することができるという離れ業をやって のける。この能力は、ヤノス殺害で任務完了後、ジョセフが敵側スパイ全員のリストを記憶しているということに生かされる。ダンがメンバーとしてジョセフを選 んだ時に、このことを既に狙っていたのかもしれないが、この点は明らかでない。
このエピソードでは、IMFリーダーとしてのダンのキャラクター描写が随所で見られる。シナモンはジョセフが酒を飲んでいたと聞き、口が軽くなるのではと 心配するが、ダンは心配ないときっぱり言うのである。部下に厳しい反面、自分が選んだ部下の技能を最後まで信じるというダンの性格の一面を垣間見るこ とが出来る。また、アパートシーンでは、ダンがジョセフに拷問を受けた時の対応について丁寧に指導するという珍しいシーンが見られる。 |
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