スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド1
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【目的】王国の絶対支配者の武器弾薬の購入をくい止め、そのための財源を断つこと
【指令】こんばんは、ブリッグス君。これは、プリンス・アイベン・コスタス。世界的に有名な賭博場を経営し、そこから財源を得ているささやかな王国の絶対支 配者だ。コスタスは現在、石油で潤っている隣国に戦いを挑もうとしている。そしてそのため150万ドルで、このボーグマンという男から武器弾薬を購入しよう としており、その船はすでに彼の国に向かっている。
ブリッグス君、君の使命はこの武器弾薬の購入をくい止め、かつまたそのための財源を断つことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あ るいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。あと5秒でこの伝達素材は変質する。
【スタッフ】
脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: チャールズ・R・ロンドウCharles R. Rondeau
【ゲスト出演】
アンドレ・マリフ:ニコ・ミナードス(金内吉男)Nico Minardos as Andre Malif
アイベン・コスタス:ネヘミア・パーソフ(早野寿郎)Nehemiah Persoff as Prince Iben Kostas
ボーグマン:ヴィンセント・ヴァン・リン(小沢重雄)Vincent Van Lynn as Oliver Borgman
カール:グレッグ・ベネディクト(江角英明)Greg Benedict as Karl
コスタスの部下:ローレンス・モンテーニュ Lawrence Montaigne as Kostas's Aide
ルーレット元締め:ジョーイ・タタ Joey Tata as Roulette Croupier
バカラ元締め:ロジャー・ティル Roger Til as Baccarat Croupier
ゲームセンターの男:アレックス・ブックストン Alex Bookston as Man in Arcade
【場所】@指令(媒体):あるゲームセンターの奥の部屋にあるコインを入れて映像を見る機械
A舞台:あるギャンブル王国
【役割】ダン:指令の受領
ローラン:トランプを楽しむ客
シナモン:アンドレの妻
バーニー:武器バイヤー(ボーグマンにコスタスが偽札を持っているという情報を流す)
ウイリー:40キロのイカサマルーレットの受信機を背負う男
アンドレ:シナモンの夫役
【道具】@イカサマルーレット:回転速度とボールの速さを計算し、出る目を割り出す優れもの
A時計:ルーレットの勝ちナンバーが日付表示板に表示される
Bコンピューターシステム:勝利の目を計算するウイリーのベストの中に隠される
Cトランプ:肉眼では見えないがカードの裏に番号が書いてあり、特殊レンズで見ることが可能
D特殊コンタクトレンズ:トランプの印を見ることが可能
【削除】(12分50秒)バーでコスタスがシナモンをくどく
【見所】(08分40秒)アンドレが先に金を渡したらと心配するが、バーニーは荷の受取後だと言う
(12分20秒)アンドレはボーグマンが帰国すると心配するが、バーニーは札を確かめる筈と断言する
(17分40秒)ボーグマンは札の真偽を確かめるため、コスタスに一万ドルの先払いを申し入れる
(24分10秒)ウイリーの行動が怪しまれ、守衛に連行されるが、アンドレが制止する
(40分40秒)ローランがうまくカードをすり替えて勝つが、コスタスは公にイカサマと言えない
(42分00秒)150万ドルの現金をロープで階下にいるアンドレに渡し、シナモンがコートに隠す
(44分00秒)アンドレがシナモンを撃ち、救急車でなくコスタスの車で国外に出ることになる
(47分10秒)ローラン、バーニー、ウイリーは赤い車で検問を強行突破する
【疑問点】@ルーレットを十数回連続で勝ち続けるのはありえない話で、何かあると普通なら敵も気づくはず。
Aシナモンが国境を越えてから、アンドレと二人を殺そうとする敵を倒すシーンがあるが、シナモンは大の男をグロッキーさせる程強いのか?
【粗筋】IMFはホテルの中にあるカジノバーに乗り込み、シナモンがまず、賭博場経営者であるコスタスに近づく。自らバカラの手ほどきをするコスタスであ る。その後、二人はバーで親密に話をし、シナモンはコスタスに期待をもたせる。一方、トランプに仕掛けがあり、その印をローランが顕微鏡を使って探すがな かなか見つからない。時間が差し迫っている中、やっとトランプのカラクリを発見する。肉眼では見えないので、特殊コンタクトレンズを準備する。イカサマルー レットでは、シナモンの夫アンドレが勝ち続けて親を破産させ、次はバカラに挑戦するが、ローランの前に歯も立たず、お金も底をついてしまう。それを見てコ スタスがローランと勝負したいと申し出る。ローランは全部で25万ドル分持っているので、賭博場から持っていかれるには大金と考えたのだろうか。あるい は、イカサマトランプで絶対に勝つ自信があったのだろう。1回戦はローランが勝ち50万ドルに膨れる。2回戦もローランが勝ち100万ドルになる。負けを認 めたくないコスタスはとうとう武器の代金としてボーグマンに支払わなければならない150万ドルに手をつけてしまう。ローランも受けて立ち、50万ドルの小 切手を切って両者150万ドルずつ賭けることになるのだ。その勝負の前にコスタスがカードの交換を要求して、一瞬ローランの顔色が曇るが、やはり印のあ るカードで一安心する。しかし、今回カードの巡り合わせが悪く、カードの印はローランの負けを示しており、コスタスは勝ちを確信するのだ。お金を取ろうとす るコスタスに待ったをかけたローランは巧みにカードをすり替え、自分が勝ちだと名乗る。そんなことはありえないとコスタスは食ってかかるが、ローランは"そ れがバカラの面白いところ"と切り返すのである。周囲の目からは誰が見てもローランの勝ちで、それ以上言ったらイカサマトランプがばれてしまうので、手下 に部屋からローランを出すなと指示するのである。ローランは150万ドルの現金をロープで階下にいるアンドレに渡し、シナモンがコートに隠して、アンドレが 銃でシナモンを撃って騒ぎを起こす。そして、コスタスの車で検問所のチェックを受けずに国外に出ることに成功し、後は邪魔な二人を料理するのみで、その 後、シナモンは大の男を殴り倒す。最後に、アンドレが"イカサマもばれてカジノがつぶれるだろう"と言うと、"幸せどころか銃も買えない"とローランは皮肉を 込めて言うのだった。
【解説】ダンは指令の受領と作戦を計画するが、任務に参加しないという初めてのエピソードで、今後、このようなパターンは頻繁に見られることになる。これ を契機にダンはデスクワーク専門という見方がされるようになるとともに、シナモンの役割が単なる綺麗どころから重要なポジションを占めるようになる。
また、ウッドフィールドとバルターが脚本した最初のエピソードでもあり、彼らの得意とするところの大掛かりな秘密兵器が初登場する。ルーレット盤の回転 速度とボールの速度から出る目を割り出すイカサマルーレット、ルーレットの勝ちナンバーを日付表示板に表示する時計、勝利の目を計算するウイリーのベス トの中に隠れるコンピューターシステムがそうである。これらの秘密兵器が効果的にストーリーに味をつけている。
ギャンブルを題材にした最初のエピソードでもあり、今回は、ルーレットとバカラがキーとなっている。まず、イカサマルーレットでアンドレが親を破産させるま で勝ち続け、次にアンドレがバカラの名手ローランに挑戦して、稼いだ金を全部ローランに引継ぎ、ある程度軍資金が貯まってから最後に、敵の悪漢と全財 産を賭ける大勝負を討つという戦法である。当然、敵は絶対に勝つ自信がなければ大勝負を討たない。その役割を果たしたのは、今回、敵が自ら細工したカ ードの目印を利用することであり、IMFはそれを逆手に取るのである。今後、ギャンブルものでIMFの取る戦術は、すべて、このエピソードで取ったものの応 用に過ぎず、そういった意味でも注目すべきである。
コスタスとの勝負でローランは25万ドルを最初の勝負に勝ち50万ドルに増やす。2回戦目もローランが勝ち100万ドルに膨れる。この2回はカードの印を 知っているコスタスも納得する負けであった。これにより、縁起をかついだのかコスタスはカードの交換を要求し、ローランも心配する中、3回戦が行われる。 今度はカードが明らかにローランの負けを示していて、コスタスは勝ちを確信する。しかし、ローランの巧みなすり替えによって、周囲にいる誰の目にもローラ ンの勝ちを示しており、150万ドルを得るのだ。コスタスはイカサマと公言すると自分がイカサマをしていることがばれるので、ローランを部屋から出すなと手 下に命じることしかできない。ここのところのローランとコスタスの心理描写は素晴らしいものがある。
と言っても、何だかんだ工作して、IMFはうまく逃げてしまうのだが、最後にシナモンが大の男を投げ飛ばして、倒してしまうシーンがおまけについている。 |
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