スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド1



7 録音ワイヤーは何処だ A Spool There Was
【目的】敵国の新兵器の詳細が隠されている録音ワイヤーを見つけてその国から持ち出すこと
【指令】おはよう、ブリッグス君。まず赤い電気をつけて、それから現像皿のカバーを取ってくれたまえ。
 さて、我々自由陣営に対する新兵器が開発され、その詳細を吹き込んだ録音ワイヤーを手に入れた我が国の諜報員が、君が今見ているその湖まで来たと 思いたまえ。おそらく彼はそこから、ボートで中立国側へ逃れようとしたに違いない。ところがそこを秘密警察に咎められ、一時身を隠した。だが結局まもなく 発見され、逃げようとして射殺されてしまった。さて彼は、隠れているわずかな間に録音ワイヤーをどこかに隠したのだが、よほど巧みに隠したらしく、秘密警 察が全力を挙げて捜しているにも関わらず未だに発見されるに至っていない。また他の国もその録音ワイヤーを狙ってスパイを送り込んでいるらしい。
 そこで君の使命だが、その録音ワイヤーを見つけてその国から持ち出すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても 当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このレコードの録音部分はただちに変質する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: エリス・マーカスEllis Marcus
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: バーナード・L・コワルスキーBernard L. Kowalski
【ゲスト出演】
長官:リチャード・デヴォン(森山周一郎)Richard Devon as Inspector Gulick
貸しボート店主人:ウォーレン・ヴァンダース(太宰久雄)Warren Vanders as Holbeck
少年:ミカエル・シア(沢井正延)Michael Shea as Pieter Stakovar
大尉:カート・ローエンス(小林昭二)Curt Lowens as Lt. Daglieri
諜報員:エリック・ロード(穂積隆信)Eric Lord as Concessionaire
少年の父:トッド・マーティン(小林清志)Todd Martin as Mr. Stakovar
少年の母:リン・ウッド Lynn Wood as Mrs. Stakovar
【場所】@指令(媒体):ホテルの一室にあるLPレコードで、"赤の装飾に興味がある"が合言葉になっている 
A舞台:中立国に程近い海に面した敵国
【役割】ダン:指令の受領
ローラン:ニック(アルメニア人で貸しボート屋の下働き)
シナモン:ネッシー(雑誌のカメラマン)
貸しボート屋:西側のスパイでいろいろな情報をローランとシナモンに流し最後は逃亡の手助けをする
【道具】@ローランとシナモンの会話を録音したテープ
【削除】(02分50秒)指令を聞いた後のダンとホテルのメードとの会話
(12分40秒)ローランとシナモンのテープでの会話の一部
(12分50秒)ローランとシナモンのテープでの会話の一部
【見所】(14分30秒)録音ワイヤーをローランが発見するが、警官に追われていて入手に失敗してしまう
(18分20秒)テープの再生が終わってしまい、シナモンが一人舞台できり抜ける
(20分20秒)ローランが警官を振り切って部屋に戻り、状況をシナモンに伝える
(33分30秒)ワイヤーを持った少年を尾行してシナモンは少年の家を確認し、ローランに連絡する
(40分00秒)シナモンがボート屋に逃亡の際の風船を用意するように伝える
(43分40秒)ローランが少年の家に忍び込み、ワイヤーを盗む
(45分40秒)風船をいっせいに放つと、ワイヤーが風船に乗っていると思って警官が銃でつぶす
【疑問点】@珍しく指令では、ダンに赤い電球をつけさせたり、現像皿のカバーを開けるように指示しており、その間指令も中断されている。時間をあらかじめ 計算していたのか?
A録音ワイヤーの存在自体知らなかったが、あのようにグルグルと無造作に巻きつけても録音状態は大丈夫なのか?
Bあれだけ大胆に逃亡に協力したボート屋は西側諜報員とばれなかったのか?その後どうなったかは、当然のことながらドラマでは語られない。
【粗筋】ローランはワイヤーの専門家を連れて行くべきだと主張するが、敵もプロを連れていって見つからないのだから、殺された諜報員が追い込まれた状態 で考えろとダンは受付けない。かえって何も専門知識のない方がいいと判断したのだ。早速、ローランはボート屋下働き、シナモンはカメラマンとして恋人気 取りで現地に乗り込む。夜になって、二人の会話が盗聴されるのを知っていたので、用意していたテープを流して、その間にローランが部屋から脱出し、警官 に聞こえるようにオールをわざと倒して、諜報員と同じ体験をしようと試みる。ダンの判断は正しく、ローランは意外とあっさりワイヤーを発見できるのだが、警 官に追われているため、持ち帰ることができない。植え込みに隠した諜報員は天才的だとローランは絶賛し、皆の見ている前で堂々とワイヤーを取ってみせ るとシナモンに宣言する。翌日、実際に堂々と取ろうとしたが、大佐にやぶ用を言いつけられ、その間に釣糸を貸しボート屋で買った少年にワイヤーを持って いかれてしまう。敵の諜報員もローランと少年のやりとりを怪しいと見抜き、ローランを追いかけて格闘となるが、ワイヤーが少年のところにあることに気づか れてしまう。シナモンは少年の家にあがり、カメラの中に偽のワイヤーを入れて、敵の諜報員に掴ませ、さらに、そこを現地の警察が取り押さえる。その後、ロ ーランが少年の家に忍び込んでワイヤーを入手する。その間警察ではワイヤーが偽物だということに気がつき、ローランとシナモンを手配する。ラストは、貸し ボート屋の証言で、警官が必死になって風船に向かって狙撃をするが、その隙にローランとシナモンはボートで逃げることに成功するのだった。
【解説】このエピソードでもダンは任務に参加せず、ローランとシナモンの二人のみが作戦を実行する。二人は実際の夫婦であったが、ストーリー全体で二人 がまるで恋愛関係にあるような雰囲気になっており、当然二人の息はぴったりである。ホテルでも別々の部屋を取っていたとは思えず、夜をともに過ごしたの だろう。「刑務所突破作戦」でも、クリスタルがシナモンに対して、ローランのことが気になると冷やかす場面があるが、二人の関係が恋愛関係にあることを示 唆することも、このエピソードを最後に見られなくなる。
 アパートにおける作戦会議で、ローランはワイヤーの専門家を連れていくべきだと主張するが、ダンは受けつけない。結果としてダンの判断が正しかった訳 だが、ローランはワイヤーを隠した諜報員と同じ体験をしようと試みる。夜中、ボートのオールを故意に倒して、警官に追われる環境に自分を追い込む。そし て、ローランはあっさりとワイヤーを発見してしまい、あまりにも話が出来すぎていると思うが、警官に追われているのでワイヤーを持ち帰ることができないと いうことで話をさらに引き延ばす。翌日、現地の警察や敵の諜報員までも必死になってワイヤーを探すが、見つけられずにいる。あほさ加減も甚だであるが、 結局、ワイヤーはローランの目の前で少年に持っていかれてしまう。敵の諜報員はローランの行動に疑問を持ち、ローランを尾行して襲いかかるが、空振り に終わる。そして、少年が怪しいと思った敵の諜報員は、今度は少年を尾行していたシナモンの偽のワイヤーを掴まされ、さらに現地の警察がそれを取り押 さえる。ラストは風船騒ぎに紛れて、風船を撃ち落している隙に、ワイヤーを持ったローランとシナモンを逃がしてしまうという敵の無能ぶりが目立つエピソード だ。
 ところで、録音ワイヤーとは何だろうか?見たことがないので、はっきりとは知らないが、恐らく磁気テープが現れる前に使われていたのだろう。少年が無造 作にぐるぐると巻きつけていたが、録音状態に影響がないのか心配してしまう。


トップへ

戻る

前へ

次へ



Copyright (c) from 2001 BONBEL