スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド1



11 生贄 Elena
【目的】女スパイの挙動不審の原因を突き止め、諜報活動を続けさせていいか判断すること
【指令】おはよう、ブリッグス君。エレナ・デル・バーラはわれわれの諜報員である。エレナの国とわが国とは友好関係にあるが、その国に侵攻している敵勢 力の動向を知らせてよこすのが彼女の任務である。ところが最近、彼女の諜報活動に不審な点が見え始めたのだ。たとえば、先週エレナはマイクロフィルム を送ってきたのであるが、それは敵側のものではなく、自分の国の国防上の秘密を写したものであった。
 そこで君の使命だが、このエレナ・デル・バーラの挙動不審の原因を突き止めるとともに、このまま彼女に諜報活動を続けさせていいものかどうかを判断す ることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。このテープは直ちに処分してく れたまえ。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: エリス・マーカスEllis Marcus
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: マーク・ダニエルズMarc Daniels
【ゲスト出演】
カルロス・エネロ:バリー・アトウォーター(椎原邦彦)Barry Atwater as Dr. Carlos Enero
エレナ・マリア・デル・バーラ:バーバラ・ルナ(池田昌子)Barbara Luna as Elena Maria Del Barra
トマス・デ・クワルト:アブラハム・ソフェア(天草四郎)Abraham Sofaer as Thomas de Cuarto
フォルチュナ大統領:レンツォ・セサナ(吉沢久嘉)Renzo Cesana as Presidente Gustavo Alfredo Fortuna
ミゲール:ヴァレンティン・デ・ヴァーガス(仁内達之)Valentin DeVargas as Miguel de Ramos
カヤオ:ベン・ハマー Ben Hammer as Callao
コンスエロ・デル・バーラ:アン・エアーズ Ann Ayers as Consuelo Del Barra
【場所】@指令(媒体):駐車場に停めてある白いトラックの荷台でオープンテープを洗面台に入れると薬品が入っていて溶けてしまう
A舞台:中南米の米国と友好的な関係にある国(インカ帝国と絡みがある)
【役割】ダン:指令の受領と計画立案 (エレナに面が割れているため作戦に参加できない)
ローラン:デヴィット・ミラー(化学実験用具のセールス)
カルロス:精神科医師
【道具】@ナイフ:中にマイクロフィルムを忍ばせ犯人のポケットに入れる
【削除】(14分10秒)立入禁止の実験室へローランがエレナを訪ねる
(38分20秒)実験室の屋上へ昇って飛び降り自殺をしようとしているエレナにローランが説得する
(42分20秒)ローランがエレナを励ます
【見所】(12分00秒)インカの神ビワコーチャの仮面像が現れ、エレナの異変が始まる
(16分50秒)ローランはエレナをカルロスの所に連れて行き、精神錯乱の原因を探る
(21分40秒)薬物投与か催眠術を何者かにされているというカルロスの診断が下される
(27分00秒)エレナがローランにドレスの背中のチャックを閉めてもらい、キスシーンへ発展する
(29分20秒)ミゲールをそそのかしローランに銃を向けさせるエレナだが、ローランは銃を奪取する
(33分20秒)何者かが部屋に侵入してローランを殴り倒し、殺し屋からの電話に出ることができない
(39分00秒)エレナは大統領が売国奴であると演説しようとしていることをローランに告白する
(45分50秒)ローランが仮面を取り上げ投げ捨てると仮面が割れ、エレナは正気に戻る 
【疑問点】@エレナがこぼした放射性物質に水を噴射して流すが、劇中では大丈夫と言っているが、実際問題として二人は被爆しなかったのか?
【粗筋】今回のIMFの任務は、エレナが西側諜報員として今後も使えるかどうかを見極めるということと、エレナが送ってきたマイクロフィルムをどこから入手し たかを突き止め、元に戻すというものである。ある筋からもエレナを殺す動きがあり、限られた日数で解決しなければならない状況下、まず、ローランは、化学 実験用具のセールスとしてエレナに近づき、ブレスレットを盗んで、それを拾ったと偽ってエレナ邸を訪問する。彼女は大きな豪邸に住んでおり、愛想よくロー ランを歓迎するのだが、突然、精神錯乱状態に陥り、ローランは精神科医師のカルロスのところへエレナを連れて行くが、何者かが薬物投与したか、催眠術 をかけているということで、はっきりとした原因を掴むことができない。このままだと、ある筋の殺し屋にエレナが殺されてしまうので、ローランはもう少し時間 がほしいと直接殺し屋に頼むが、自分の一存では決められないと断られてしまう。残り16時間と迫り焦るローランの部屋に何者かが侵入し、ローランは殴り 倒されてしまう。そして、気がついてエレナに直接会い、マイクロフィルムを誰から受け取ったか問い詰めるが思い出せない。すると、エレナはあることに気が つき、研究所の屋上に昇ろうとして投身自殺をしようとする。ローランが説得して思いとどまらせるが、自分の意に反して大統領をやっつける演説をするとエレ ナは告白するのだ。その夜、大統領演説会場で、殺し屋がエレナ殺害を実行しようとする現場をローランが目撃し、1時間だけ時間をくれと殺し屋に頼む。大 統領の演説中に突然、エレナが立ちあがり、売国奴を暴くと発言する。ローランはあたりを見回し何が原因かを探り、犯人が持っている仮面を取り上げるとと もにマイクロフィルムの入ったナイフをポケットに忍ばせる。そして、仮面を投げると粉々に砕けてエレナは正気に戻る。犯人は大統領の腹心の部下エネロ博 士であった。エレナは犯人がナイフを持っているということで、警備兵が身体検査をするとナイフの中からマイクロフィルムが出てきて、エネロ博士は思わず極 秘のマイクロフィルムと口走って、墓穴を掘ってしまうのだった。
【解説】「生贄」では、IMFのメンバーとしてローラン一人が活躍するエピソードである。理由も言わずに任務を欠勤しがちなダンが、エレナを知っているという 理由で任務に参加できないと明言するのも珍しい。
 敵がエレナに催眠術をかけて巧みに操る心理作戦を取り、突然、精神錯乱に陥るエレナを目の当たりにして、ローランはその原因を探るのに苦悩する。精 神科専門医にエレナを連れて行くが、はっきりとした原因を掴むことが出来ない。また、ある筋の殺し屋もエレナを暗殺する動きもあり、限られた時間で問題 を解決しなければならないというプレッシャーがローランに襲いかかる。
 映像面でもローランとエレナのシーンに焦点があてられている。悩めるエレナを演じたバーバラ・ルナは視聴者に記憶が残るような見事な演技を見せ、役を 完璧にこなしている。彼女は、第4シーズンの「時限原子爆弾」でもIMF協力者ウェイ・リー(ミヤズミン)として再登場し、ミステリアスな役柄をこなしている。 また、「新スパイ大作戦」でも登場する第12話「女帝エメリア」では、IMFの紅一点のレギュラーであるケーシー・ランドールが殺害されるというショッキングな エピソードであるが、ケーシーを殺害した張本人で、その女悪漢エメリアを演じたのがこのバーバラ・ルナであった。この女優の演技の幅の広さには驚かされ る。
 今回敵が使用した心理作戦は、これをローランが習得したのか、今後、IMFで多用される戦術の一つになった。また、こういった濃厚な心理作戦が画面で 展開されると、視聴者もドラマについていくのに疲れてしまうくらい注意力を要する。


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