スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド1
15 暗殺者"レディキラー" The Short Tail Spy |
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【目的】米国に亡命した教授を救うとともに、敵の二人の諜報員を再起不能の状態に陥れること
【指令】おはよう、ブリッグス君。敵性国家の二つの諜報機関が今わが国で勢力争いを演じている。争いの焦点は、最近わが国へ亡命してきたこの人物、ナ ポルスキー教授の暗殺である。あと6日で教授はある学術会議に出席することになっており、暗殺者たちはそのチャンスを狙っている。これはアンドレ・フェチ ュコフといって、新興の民間諜報機関に属し、暗殺にかけては自他ともに許す第一人者であって、古くからある陸軍情報局を代表するこのシテメンコ大佐より はるかに危険な存在だと当局は見ている。
そこで君の使命だが、暗殺をくい止めてナポルスキー教授を救うとともに、暗殺者アンドレ・フェチュコフおよびシテメンコ大佐を再起不能の状態に陥れること にある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分してく れたまえ。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジュリアン・バリーJulian Barry
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: レオナルド・J・ホーンLeonard J. Horn
【ゲスト出演】
シテメンコ大佐:アルバート・デッカー(池田忠夫)Albert Dekker as Colonel Shtemenko
アンドレ・フェチュコフ:ハンス・ガジェガスト(金内吉男)Hans Gudegast as Andrei Fetyukov
スベリン:ジョー・シロラ(高城淳一)Joe Sirola as Suverin
ナポルスキー教授:エドワード・コルマンズ(今橋恒)Edward Colmans as Professor Napolsky
【場所】@指令(媒体):映画館でオープンテープレコーダーを聞きながら、スライドを見てテープを灰皿に捨てると火を噴く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ダン:ジョーンズ(ハンク・クラーク)シテメンコ大佐に罠をかける
シナモン:フェチュコフを恋に誘う
バーニー:ホテルで教授の警護
【道具】@フラッシュ付自動撮影機:ホテルの一室に設置し、罠にかかった敵の恥ずかしい写真を撮影
【削除】(19分30秒)シナモンとフェチュコフのドライブ、映画館、バーのシーン
【見所】(07分30秒)シナモンとフェチュコフがお互いに踊りながら本名で自己紹介する
(12分40秒)シナモンがフェチュコフに煙草を返してと言うと、煙草の中にマイクが入っている
(22分10秒)フェチュコフがシナモンにキスをしようとするが、シナモンはかわすがその後…
(24分10秒)大佐がつけていることと、その後をダンが尾行していることをシナモンは初めて知る
(25分10秒)自分の演技にまいらないようダンから忠告を受け、シナモンは不機嫌になる
(31分50秒)大佐が生き恥をさらす写真を撮られ、邪魔をしないよう国外に出ることに同意する
(34分50秒)大佐がフェチュコフに銃を突きつけるが、シナモンの助けで銃を取り上げる
(39分00秒)フェチュコフがアメリカに亡命したいとシナモンに告白する
(42分40秒)フェチュコフの隠れ家を探しに行くと言って外出するシナモン
(43分30秒)ダンにフェチュコフが亡命したいと告げるシナモンの背後からフェチュコフが登場
(44分40秒)フェチュコフがシナモンに向かって銃の引き金を引くが弾が出てこない
(45分20秒)フェチュコフが生き恥をさらす写真を撮られる
(47分00秒)ダンがシナモンを疑っていたことを謝罪するが、誰にもわからないこの気持ちと独り言をこぼす
【疑問点】@シナモンとフェチュコフが深い関係になってしまう具体的なシーンはないが、その点どうなのか?
【粗筋】えてして頭と魅力に自信を持っている男は、必ず挑戦を受けるものだと、ダンはフェチュコフのことを分析するが、今まで30人の殺人を犯し、そのほと んどが女スパイである。敵側スパイもアメリカ国内で、新旧の勢力が対立している中、シテメンコ大佐は弾一つで刑務所に行き、フェチュコフは他人にやらせ て自分は無事という戦法の違いで常に口論をする。ダンは大佐の方を罠にかけようとし、完全になめきった対応をする。シナモンとフェチュコフの関係に焦っ ている大佐は、5万ドルで代わりに教授を殺すというダンの申し入れに簡単に乗ってくる。しかし、大佐は2万2千ドルしか準備できない。そこへバーニーがダ ンのことをハンク・クラークと呼んだことを聞き、パーティの名簿からホテルにやってきて、生き恥をさらす写真を撮られてしまう。一方、シナモンはフェチュコフと 仲がよくなり、大佐が尾行しているのも気がつかず、何故知っているのかダンに聞く始末だ。心配したダンは、自分の演技にまいるなと釘をさすが、シナモン はダンが自分を疑っていることに不快感を表す。 この後、大佐はフェチュコフを銃殺しようとやってくるが、シナモンがフェチュコフを助け、このことによって、フ ェチュコフはアメリカへの亡命を告白する。そして、フェチュコフがオーストリア大使館に保護を頼みにいくと出て行こうとするのを止め、シナモンは外出する。ホ テルに着きシナモンはダンにフェチュコフ亡命のことを知らせるが、フェチュコフも尾行しており、銃を持ってIMF三人に向けるのだ。そして、何の騒ぎかと教授 も出てきて状況は最悪になってしまう。シナモンがフェチュコフに近づき、フェチュコフが引き金を引くと、弾が空になっており、シナモンが抜いていたことがわ かる。その後、フェチュコフは生き恥をさらす写真を撮られ、かわいさ余って憎さ100倍とシナモンに屈服するのである。最後にダンがシナモンを疑っていたこ とを謝罪するが、"誰にもわからないこの気持ちを…これでいいのね"と独り言をシナモンが残すのであった。
【解説】このエピソードはシナモン役のバーバラ・ベインのために書かれたのだろう。シナモンが任務の範囲を越えて、敵のスパイと恋に落ちてしまうという展 開に驚かされる。具体的な描写はされないが、前後のシーンより深い関係になったのは間違いない。しかし、IMFの女スパイが敵のスパイとこのような本気 の恋愛をするエピソードは以降作られていない。恐らく、「幽霊を呼べ」と同様、シリーズ初期にシリーズの方向性を模索するために、試験的に作られたもの なのだろう。
ダンも一線を越えてしまったシナモンに、自分の演技にまいるなと注意を与える。これに対してシナモンは不快感を露にするところを見ると、やはり、シナモ ンの恋は本物らしい。確かシナモンとローランは恋仲にあったはずだが、当のローランはこのエピソードに顔を出さない。もし、ローランが出演していたら、どん な顔をしたのか興味のあるところである。
敵のスパイも新旧のグループが対立しており、シテメンコ大佐とフェチュコフの意見の違いが面白く描かれている。シテメンコは弾一つで刑務所に入ると言 うと、フェチュコフは他人にやらせて自分は無事と言って口論が絶えない。ダンはシテメンコを子供扱いし、簡単に料理してしまうのだ。
ダンに生き恥をかかされたシテメンコはフェチュコフに銃を向けるが、それをシナモンが助け、フェチュコフはアメリカへの亡命を仄めかす。シナモンはダンに 相談するために教授を保護するホテルにやってくる。それをフェチュコフが尾行し、ホテルの部屋に入り、ダンらに銃口を向け発砲しようとするのだが、弾がシ ナモンに抜かれていたことで事なきを得る。もし、フェチュコフが弾を抜かれていたことに気がついていたら、シナモンのミスにより危うく大惨事になるところだ った。
ところで、シテメンコとフェチュコフはホテルの部屋で辱しめの写真を撮られ、もうスパイ活動ができないとIMFは決めてかかっている。本当にそれが事実な のだろうか?今後、IMFのメンバーが拉致され、あるいは、監禁されるエピソードが数多く登場するが、もし、これが事実ならば、敵は間違いなくIMFメンバー の辱しめの写真を撮るはずなのに、全くそういった行動に出ないのは何故だろう。 |
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