スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド1
|
【目的】撮影所長のフィルム偽造の意図を叩きつぶし、二度と小細工ができないようにすること
【指令】おはよう、シナモンさん。この男はミクロス・クラー。鉄のカーテンの向こうでは一番規模の大きいシネフォト撮影所の所長である。彼は政治的野心を 満たすため、戦場で手に入れたアメリカのニュース映画フィルムをあたかもアメリカ軍将兵の残虐行為を写したフィルムのように作り替え、近くそれを世界各 国の新聞記者団に公開しようとしている。もし公開されれば、わが国の平和攻勢にヒビが入る。
君たちの使命は、この所長の意図を叩きつぶし、二度とこのような小細工ができないようにすることにある。例によって君たちのメンバーが捕らえられ、ある いは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープの録音部分はただちに変質する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本 ロバート・レウィンRobert Lewin
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: レオナルド・J・ホーンLeonard J. Horn
【ゲスト出演】
デヴィッド・デイ:トム・トループTom Troupe as David Day
ミクロス・クラー:J・D・キャノンJ.D. Cannon as Miklos Klaar
ペトエフ:ジュリアン・バートン Julian Burton as Petyov
助監督:エリック・フェルダリー Eric Feldary as Assistant Director
守衛:アルフレッド・シェリー Alfred Shelly as Guard
受付係:アーライン・アンダーソン Arline Anderson as Receptionist
【場所】@指令(媒体):シナモンがエステティックサロンでオルガを指名して奥の部屋に通され、オープンテープは煙を出すのではなく火を噴き消滅する
A舞台:鉄のカーテンの向こうにある国
【役割】
ローラン:ペトエフ大尉
シナモン:ミケレ(エキストラ女優)
バーニー:水道管に細工(フィルム倉庫を水浸しにする)→フィルムを現像(デヴィッド撮影分)
ウイリー:ロッカーの納品係→人形の納品係
デヴィッド:クレーン車運転手→撮影所の上からイカサマを撮影→映写係
【道具】@テープカッター:フィルムを映写中に半分に切る
Aワイヤー状の器具:水道管に付けてフィルム保管庫を水浸しにする
【削除】(15分10秒)エキストラ一人がまだ帰っていないと守衛からクラー所長に報告が入る
(33分40秒)クラー所長が撮影の要領についてスタッフに説明する
【見所】(12分30秒)クラー所長がローランに映画のカラクリを得意げに説明する
(17分10秒)クレーン車に乗り、シナモンが撮影所の中に侵入してバーニーに信号を送る
(18分30秒)クラー所長に見つかり銃を付きつけられるシナモンは、フィルムを見て欲しいと懇願する
(22分50秒)シナモンが所長の隙を見て映写機にテープカッターをセットする
(28分10秒)フィルムは切れるし、保管倉庫は水浸しで部下に原因を調べるように怒る所長
(33分00秒)ローランが缶に火を入れた途端爆発騒ぎになり、その間にデヴィッドが撮影所の上に昇る
(40分10秒)地下にいたバーニーが捕まり、クラー所長の前につき出される、
(45分50秒)クラーの編集したフィルムで記者たちはざわめき、アメリカに対する非難が沸く
(47分20秒)イカサマ映画の撮影風景が映写され、会場はしらけて大爆笑の渦となる
【疑問点】@最後までクラー所長は誰の陰謀だと知らないのか?
Aバーニーが夜にフィルム保管庫へ放水したが、翌日ローランがフィルムを再度見るまで、浸水には誰も気づかなかった。ということは、バーニーが途中で放 水を止めたのか?
【粗筋】撮影所は3階以上の警備が厳しいが、その他のフロアーは通行証があれば誰でも出入りができるので、そこをうまく突く作戦を取る。まず、撮影所に ウイリーがロッカーを持ち込んで、エレベーター内でペトエフ大尉を倒してロッカーの中に隠す。そして、ローランがペトエフ大尉になりすまし、クラー所長に会 う。映画のカラクリについて所長はローランに得意げに説明し、もう一度見たいというローランの要求に対し、準備をする所長である。ところが、ローランは眼鏡 を故意に割り、明日にもう一度見てから結論を出すと時間稼ぎをする。シナモンはクレーン車でうまく撮影所内に侵入し、バーニーにモールス信号で情報を伝 える。しかし、所長に見つかってしまい、自分の出演しているフィルムをぜひとも所長に見て欲しいと自己談判する。その間、バーニーはフィルム保管庫を水 浸しにし、翌日シナモンのセットしたカッターで大事なフィルムを台無しにしてしまうのだ。再度イカサマ映画を撮影する運びとなり、デヴィッドがこの撮影風景 を撮影所の上からカメラを回すのである。撮影は順調に進み、クラーはスタッフにねぎらいの言葉をかけて終了する。バーニーが地下室でデヴィッドの撮影し たフィルムを現像した後、守衛に捕まってしまい、ローランはバーニーを憲兵本部に連れて行こうとするが、クラーはフィルムの方が大切だと言ってきかない。 そうこうしているうちに映写会が始まってしまい、クラーのイカサマ映画が流され記者たちはアメリカの暴挙だと非難の嵐となってしまう。このままだと敵の思 うつぼで、やきもきするローランだが、その後すぐに、デヴィッドの撮影風景を映したフィルムが流され、クラーが出演者とスタッフをねぎらうシーンから衝撃の 映像は作り物と判明し、会場はしらけるのだった。
【解説】指令シーンは珍しく、シナモンがエステティックサロンで受領する。IMFリーダー以外が指令を受領する唯一のエピソードで、メンバー選択シーンはテ ーブルの上に置かれた資料を見せるだけで、アパートのシーンもローランがダンの代役をこなす。ダンが何故不在なのか全く説明されないし、結局、リーダー が最後まで登場しない。もし、再放送などで「ヒトラーの遺産を奪取せよ」のすぐ後に本エピソードが放映されたら、視聴者の中にはダンが死亡したと勘違い する者もいるだろう。
撮影所の2階以下は警備も厳しくなく、通行証があれば行き来が自由という弱点を逆手に取るが、シナモンがクレーン車に乗って、堂々とビルの窓から侵 入する大胆な作戦を取る。ところが、見つかってしまうシナモンは、撮影所長にぜひとも自分の出演している映画を見て欲しいと自己談判して、隙を見て映写 機にカッターを忍ばせる。バーニーは水道管に細工してフィルム保管庫を水浸しにする。翌日、イカサマフィルムがカッターで切れてしまい、撮影所長は再度 撮影することを強いられる。その撮影風景をIMFが撮影して、所長のイカサマ映画を反証する証拠にするつもりだったが、バーニーが見つかって捕らえられ、 試写会で所長の撮影したフィルムが映写され、最後まで結果がどうなるか視聴者は画面に釘付けになる。
コンピューター技術や特撮などの撮影技術が飛躍的に進歩した現代では、たとえ、記者たちの前でこのようなフィルムを見せたとしても、何かトリックがある に違いないと思われるだけで、その場で大騒ぎになることはありえない。フィルムに手を加えてないか等の慎重な調査がされ、このエピソードで描かれている ことは成り立たないだろう。 |
|
|
Copyright (c) from 2001 BONBEL
|