スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド1



26 甘きマイクロ回路 A Cube of Sugar
【目的】監禁されている米国諜報員が口を割る前に救い出すとともに、マイクロ回路を手に入れること
【指令】おはよう、ブリッグス君。それはヴィンセント・ディーンといってジャズ演奏家であると同時にわが方の優秀な諜報員でもある。鉄のカーテン内への演 奏旅行中にディーンは、仮に第三次大戦になった場合それさえあれば敵の攻撃計画の全貌がわかろうという、電子計算機のマイクロ回路を手に入れた。と ころが彼はそれを連絡員に手渡す前に捕まってしまったのだ。彼の尋問には全東ヨーロッパの諜報網を動かしているセンコ・ブロービンがあたっているが、ま だディーンの口を割ってマイクロ回路を発見するには至っていない。
 そこで君の使命だが、ディーンが口を割る前に彼を救い出すとともに、そのマイクロ回路を手に入れることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕ら えられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なおこのテープは五秒以内に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: ジョセフ・ペヴニーJoseph Pevney
【ゲスト出演】
センコ・ブロービン:フランシス・レダーラー(池田忠夫)Francis Lederer as Senko Brobin
ヴィンセント・ディーン:ジャーク・デンベックス(緑川稔)Jacques Denbeaux as Vincent Deane
ポールヤ:クルト・クルーガー(大塚周夫)Kurt Kreuger as Polya
医師:ルー・ロブ Lou Robb as Doctor
接客係:マックス・クレヴェン Max Kleven as Attendant
書記官:ジョイス・イーストン Joyce Easton as Clerk
【場所】@指令(媒体):ワインショップの木箱に隠されているオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:東ヨーロッパの国
【役割】ダン:大使館員(ディーンの引渡しを要求)
ローラン:画家
シナモン:ディーンの妻
バーニー:マンホールから侵入し壁に穴をあけ、火葬場へのトリックを仕掛ける
ウイリー:マンホールから侵入し壁に穴をあけ、火葬場へのトリックを仕掛ける
【道具】@普通の角砂糖に麻薬を染み込ませたもの
A磁石を仕込んである指輪
B七つ道具:赤い注射器(ディーン用)、黄色の注射器(ブロービン用)、ナイフ(テントの紐を切る),ベンダー(鉄格子を広げる)、パーティンコと暖房機を壊す 薬品、マスク2枚
【削除】(48分10秒)ローランがブロービンのことをしばらく監房から出られないと言う
【見所】(06分00秒)ブロービンが角砂糖を潰し、マイクロ回路を探すが電話が入り中断する
(09分30秒)麻薬中毒になっているディーンをダンが確認して、七つ道具をテントの中に隠す
(27分00秒)拘束衣を脱いだローランは七つ道具を使用して鉄格子を広げ、監房から脱出する
(34分20秒)シナモンが薬の中からマイクロフィルムをうまく入手する
(38分50秒)シナモンはブロービンがディーンを殺したと突っかかる
(40分50秒)ローランがブロービンにすべて告白するからと涙を流し、黄色の注射を投与する
(44分10秒)火葬場の火がつけられ、ディーンがバーニーとウイリーによって助けられる
(46分50秒)ローランがブロービンの仮面を取り素顔を見せる
【疑問点】@監房の見回りが予定より10分も早く到着するが、ローランは慌てて監房に戻り、おまけに拘束衣まできちんと着て、何事もなかったように装う が、わずかの時間で実際可能なのか疑問である。
【粗筋】マイクロ回路を入手したディーンは敵に捕まって、薬漬けにされて窓のない監房に監禁されてしまう。まず、ダンが大使館員としてディーンの監房を訪 れ、七つ道具をディーンの監房のテントの中に隠す。ブロービンはダンスバーに行きディーンの妻シナモンと話をする。シナモンは画家のローランがすべてを 知っていると白状し、ブロービンはローランを監房に入れるのだ。七つ道具で監房をうまく脱出したローランは暖房機を故障させ、その隙にディーンに与えられ る薬に、仮死状態にする薬を混入させる。一方、シナモンはブロービンの部屋に連れていかれ、ブランデーよりも薬が欲しいという顔をして、机に置かれてい る薬からマイクロ回路を入手する。バーニーとウイリーはマンホールから侵入し、地下道から穴をあけ、ガスの元栓を交換して火葬場のトリックを完成させる。 ローランの持ってきた薬がディーンに投与されて仮死状態になり、死亡と診断される。ダンがディーンの遺体の引渡しを求めると、薬付けの証拠がばれるのを 恐れたブロービンは、ディーンをそのまま火葬場に連れて行く手配をし、火葬場の火がつけられてしまう。しかし、後方でバーニーとウイリーが待機しているこ とを知る由もなく、ディーンは無事救出される。ローランはブロービンが監房のテントの中に入ったところで黄色い注射器を打ち、気を失ったブロービンにローラ ンのマスクを被せ、ローランはブロービンのマスクをつけて、監房からの脱出をするのである。最後に、バーニーがマイクロ回路は?と聞くと、ダンがハンカチ から出してみせ、ウイリーが黒だと思っていたと驚く。シナモンは角砂糖に入れる前に白く塗ったとディーンを褒め称えるのであった。
【解説】実在するかどうかはわからないが、このエピソードではIMFの魔法の薬が紹介され、それは、服用すると麻薬に対して7日から10日間免疫効果を持 つというもので、作戦のためにローランとシナモンに与えられる。本シリーズで麻薬をテーマにしたものは幾度か登場するが、この魔法の薬については言及さ れない。
 ダンがディーンの監房のテント内に忍ばせた道具セットは、ローランが必要とするすべての小道具が入っていて感心させられる。監房のテントの紐を切るナ イフ、鉄格子を広げるベンダー、パーティンコと暖房機を壊す薬品、ディーン用とブロービン用の注射器2本、そして、脱出用のローランとブロービンの顔のマ スクが2つも入っている。
 注射器を打たれたディーンは仮死状態になり、ブロービンらには死んだと思わせることになる。薬の証拠がばれるとまずいと思ったブロービンはディーンを火 葬場で焼くことを指示する。ディーンを火葬場に入れて火がつけられるが、背後にはバーニーとウイリーが待機しており、ディーンは救出される。このアイデア は、第2シーズン「スリラー作戦」でジムが焼却炉に入れられる時、あるいは、第4シーズン「暗号名"K"をあばけ」でも同じくジムが焼却炉に入れられる時、 背後でIMFのメンバーによって救助されるシーンでも使われる。
 ローランが監房から脱出時、敵の悪漢に自分のマスクを被せて逃走する。敵にIMFメンバーのマスクを被せるのもこれが最初である。ところで、マイクロ回 路はアパートのシーンでは黒で説明されたが、実際に奪い取ったマイクロ回路は角砂糖と同じ白に塗られており、皆がディーンの機転に驚くのである。


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