スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



32 暗殺計画に便乗しろ Operation -- "Heart"
【目的】考古学権威の教授を無事救い出し、警察長官の大統領暗殺計画を覆すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 考古学の権威ベネット教授は現在ある国のクーデター計画の犠牲になっている。クーデターを画策しているのは、写真の左 側の男、その国の警察長官ステファン・ゴマルクである。彼は友人でありかつ西側びいきの大統領であるルーリッチを暗殺し政府を倒そうとしているのだ。一 方、誤って逮捕されたベネット教授はゴマルクの激しい尋問にあって慢性心臓疾患が悪化、今は厳重な監視の下病院のベッドに喘いでいる。
 そこで君の使命だが、ベネット教授を無事救いだしゴマルクの大統領暗殺計画を覆すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるい は殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジョン・オデア&アーサー・ロウJohn O'Dea and Arthur Rowe
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: レオナルド・J・ホーンLeonard J. Horn
【ゲスト出演】
ルーリッチ大統領:パーネル・ロバーツ(浦野光)Pernell Roberts as President Beyron Rurich
ステファン・ゴマルク:マイケル・ストロング(仁内達之)Michael Strong as Stephan Gomalk
ベネット教授:アーロン・フレッチャー(千葉順二)Aaron Fletcher as Professor William Bennett
サイバート医師:ロバート・カーンズ(宮川洋一)Robert Karnes as Dr. Owen Siebert
レヴィア医師:マイケル・フォックス Michael Fox as Dr. Levya
クラマー:ピーター・コー Peter Coe as Kramer
【場所】@指令(媒体):セルフ写真撮影機の下の棚に置いてあるオープンテープレコーダー
A舞台:ある国
【役割】ジム:雑誌の記者
ローラン:頑固な年寄り入院患者→医師→ベネットに変装→頑固な年寄り入院患者
シナモン:ベネット教授の妻
バーニー:大統領を暗殺しようとする分子→爆弾処理班
ウイリー:大統領を暗殺しようとする分子→爆弾処理班
サイバート医師:大使館で紹介された医師→爆弾処理班
【道具】@強力な興奮剤:シナモンが教授に飲まそうとする
A酸素ボンベ型の時限爆弾:時限装置は仕込んであるが爆発しない
B心電図を細工する装置:心臓が痙攣したり止まったりする画面の波をコントロール
C担架:ベッドの下にベネット教授を隠し、上に酸素ボンベを乗せる
【削除】(06分40秒)レヴィア医師がベネット教授の手術を進言するが、ゴマルクは拒否する
(12分20秒)犯人についての推測をジムが大統領とゴマルクに話す
(30分30秒)人工心肺の接合が終わって、手術が順調に進んでいるシーン
【見所】(08分30秒)ジムがクーデターの話をするが、大統領は全く信じない
(15分50秒)シナモンがベネットに劇薬を飲まそうとしているところをレヴィアに発見される
(32分00秒)水素のボンベが混じっているとローランが手術中に入室し、その後時限爆弾と判明する
(36分20秒)ゴマルクがベネットを病室に戻せという指示に動かせないと答えるレヴィア
(38分50秒)皆が退散した後サイバートがベネットを冷却して連れ出すとレヴィアに告げる
(42分40秒)担架の上に乗っているのはベネットだと言って、ゴマルクは布を取り恥をかく
(46分10秒)教授はスパイではないと言うゴマルクに大統領は発砲する
(48分10秒)ジムとともにタクシーに乗りこむ頑固な年寄りに扮したローラン
【疑問点】@ローランがベネットの仮面を取って、頑固な年寄りに変装するが、医師のまま逃げた方が早く逃げられるのに、何故わざわざ頑固な年寄りに戻る 必要があったのか?
【粗筋】ゴマルクが大統領暗殺を企てているが、大統領は全く信じていない。そこで、バーニーとウイリーが大統領のそばにいるジムの腕を狙撃し、大統領を 何者かが狙っているというように見せるのだ。ジムの手当てを病院でしている時、シナモンがベネットに会いたいと懇願する。大統領の許可が出てシナモン は面会をするが、ベネットに毒薬を飲まそうとしているところをレヴィアに発見されてしまう。ジムはベネットが西側の大物諜報員であることを大統領に話すと、 大統領はシナモンを捕まえるように指示を出す。一方、ゴマルクはシナモンに何故ハンカチを取ったかを聞くが、ハンカチに書かれていた内容からベネットの スパイ容疑は晴れる。しかし、ゴマルクは自分の計画がばれないようにベネットがスパイでないことを隠し、大統領はベネットがスパイだと思っており、ベネッ トと個人的に質問をしたいので、ゴマルクと対立するものの、手術を急ぐように命じるのだ。手術中にローランが酸素ボンベの中に水素ボンベが混じっている と騒いで入室し、さらに、時限装置が入っていて爆弾の可能性があると叫んで処理班を呼ぶ。処理班が来ている間、ゴマルクはベネットを病室へ動かせと指 示するが、人工心肺を取ることが出来ないとレヴィアは拒否する。大統領は警備の杜撰さに怒りゴマルクを責め、処理班とレヴィアらを残し全員をビルから退 散させる。すると、処理班の内の一人が顔を出し、サイバート医師だとわかり、ベネットを冷却して病院から連れ出すとレヴィアに言う。準備の最中、心臓の 動きが悪くなりベネットを置いていくと言って、手術に携わった三人を別室に連れていき監禁してしまう。そして、ベネットを無事救出した後、病室に駆けつけ た大統領らに、ベネットに変装したローランが記念日に大統領は死んだか?と言って息絶えるのを見て、部下に裏切られた大統領はゴマルクに発砲するの である。ジムはシナモンの処遇について聞くと、大統領は釈放すると答え、ローランは再び頑固な年寄りに変装して、ジムとともにタクシーに乗り込むのであ った。
【解説】一国の長が部下の企みに気がつかず、IMFの作戦でその企みを暴くというものは、第1シーズンの「列車偽装作戦」以来である。大統領が側近の部 下の裏切りに気がつかないというのも間抜けな話で、大統領としての資質を疑ってしまうが、米国にとっては親米派であれば、誰が大統領であってもかまわ ないという姿勢のようだ。今後も一国の長を裏切る側近の部下をテーマにしたエピソードが多数登場する。
 大統領と警察長官ゴマルクを対立させるため、IMFは巧みに両者の中に食い込んでいく。ジムは大統領の絶対の信頼を得るよう、大統領と一緒に歩くとこ ろをバーニーらに狙撃させ、大統領の身代わりに銃弾を受けたように偽装する。そして、捕らえられているベネット教授は西側の大物諜報員であることを教え る。一方、シナモンはハンカチを抜き取ったところを故意に見つかり、そのハンカチに書かれていた内容から、ゴマルクはベネット教授がスパイでないと判断す る。
 ベネット教授の手術についても大統領とゴマルクが対立する中、ローランは酸素ボンベでなく水素ボンベが混じっていると手術室に押し入り、さらにそれが 時限爆弾ということで、手術に従事している者以外は避難する。爆弾処理班にIMFは扮して、医師らを閉じ込めてベネット教授を救出し、ローランが替わりに ベネット教授に扮してベッドに横たわる。
 爆弾処理終了後、大統領とゴマルクが病室にやってくると、ベネットに扮したローランが"記念日に大統領は死んだか"と言って息絶えるのを見て、ベネット が自分の暗殺計画を企んでいることを知った大統領は、ベネットを射殺するのである。しかし、この国では大統領が部下を射殺しても罪にはならないのか疑 問が残る結末である。
 ローランが一人三役こなすのが面白い。頑固な年寄り患者として個室に入院し、ローランの姿に戻って水素ボンベ騒ぎを起こして手術室に入り、ベネット教 授救出後にその教授に扮するのである。おかしなことに、逃走時には医師(素顔)のまま逃げた方が早いのに、また、頑固な年寄り患者に変装してから、ジ ムの乗るタクシーに同乗するのである。


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