スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



35 未亡人は二度生まれる The Widow
【目的】ヘロインの取引をくい止め、密売業者と銀行支配人の二人を再起不能にすること
【指令】おはよう、フェルプス君。 これは、アレックス・クレズニックといって世界屈指のヘロイン密売業者である。クレズニックは、小アジア諸国のヘロインの 全生産量を買い占め、これをフランスのマルセイユに密輸して大手筋のバイヤーに卸すという彼としては最大の取引を近く行う予定であり、このため資金面を 助ける人物を仲間に入れた。名前をマーク・ウォルターといい、マイアミのあるナンバー銀行の支配人である。
 そこで君の使命だが、このヘロインの取引をくい止めクレズニックとウォルターの二人を再起不能にすることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕 らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: バーニー・スレイターBarney Slater
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: リー・H・カッツィンLee H. Katzin
【ゲスト出演】
アレックス・クレズニック:ウィリアム・ウィンドム(大木民夫)William Windom as Alex Cresnic
マーク・ウォルター:ジョー・マロス(大塚周夫)Joe Maross as Mark Walters
プレメル医師:ジョージ・タイン(勝田久)George Tyne as Dr. Premel
マハリス:ジョン・オーチャード(緒方敏也)John Orchard as Maharis
ソントン:ブリット・ローモンド Britt Lomond as Thornton
【場所】@指令(媒体):ある丘の上の天文台にある望遠鏡に写真が映り、音声はオープンテープレコーダーで聞く
A舞台:マイアミ
【役割】ジム:ヘロインを浴用香料に見せかける技術を持つ薬剤師
ローラン:ジョージ・シャープ(世界輸出協会のヘロインの売人)→クレズニックの声帯模写
シナモン:ウォルター夫人
バーニー:エレベーターシャフトで工作→エレベーターボーイ→ジョージ・シャープ護衛→クレズニック宅侵入
ウイリー:ジョージ・シャープ護衛→タクシー運転手
プレメル医師:仮死状態を演出
【道具】@左手から粉を吸い上げ右手から別の粉を出す装置
A注射器:3−4時間仮死状態にする薬
Bテープレコーダー:エレベーターが落下する音を再生
Cウイリーの人形:クレズニックに狙撃させる
【削除】(07分50秒)ウォルターが各バイヤーの購入量を言い、明日現物を渡すと約束する
(15分20秒)クレズニックがウォルターの死体を確認する
【見所】(10分20秒)ローランはクレズニックの客マハリスに14000ドルで持ちかける
(14分40秒)バーニーがエレベーター故障を演出しジムは注射液をウォルターに振りかける
(19分50秒)意識が戻ったウォルターは目が見えないと訴えるが、医師は明日治ると診断する
(26分10秒)浴用香料を気に入ったクレズニックはローランに銃を向ける
(29分10秒)再びクレズニックが事務所にやってきて、ウイリー人形を狙撃する
(33分40秒)シナモンが電話をかけようとしてためらう (36分00秒にも謎のシーン)
(37分40秒)ローランが事務所を襲われたことに腹をたてクレズニック宅に押し入ってくる
(47分40秒)階下で金庫の中味を持つウォルターを銃殺するクレズニック
(48分00秒)同じ亭主で二度も未亡人になるなんて滅多にないケースだよとジムがシナモンに皮肉を言う
【疑問点】@シナモンが電話をかけようとしてためらうシーンが2個所あるが、ヘアスタイルと髪の色が違うのは何故?
【粗筋】ヘロイン1キロ16000ドルと20%の値上げに反抗するバイヤーたちに小売りを値上げすればいいと言うウォルターである。ローランはクレズニックの 客マハリスに1キロ14000ドルの話を持ちかける。バーニーはエレベーターに細工をして、ウォルターがエレベーターに乗ってきた時、故障の後にエレベータ ー落下事故を演出し、仮死状態にしてしまう。死亡を確認したクレズニックにウォルターの未亡人となったシナモンは、一緒に組む提案をする。何者かが横や りを入れてきていると言うクレズニックにシナモンは心当たりがあると言って名刺を見せる。そして、シナモンはローランのところにクレズニックを出向かせ、浴 用香料に見せかけたヘロインを見せる。気に入ったクレズニックは奪い取ろうとして銃をローランに向けると、バーニーとウイリーが上からライフルをクレズニッ クに向けるため諦めるのだ。一方、意識の戻ったウォルターは目が見えないと訴え、プレメル医師は明日にならないと見えるようにならないと言って病室のベ ッドに寝かせる。再び、クレズニックはローランの事務所に現れ、ヘロインを全部押収するとともに、薬剤師のジムも一緒に連行してしまう。その間、バーニー はクレズニック宅へ侵入し、金庫を下からこじ開ける細工をする。競争相手がなくなったことにより、クレズニックはヘロインをさらに1キロ18000ドルに値上げ するのだ。ジムは浴用香料ににせたヘロインの調合を任せられるが、ヘロインでなく別のものにしてしまう。しかし、クレズニックはこれに気がつかず、全部バ イヤーに売ってしまうのだ。目が見えるようになったウォルターはタクシーでクレズニック宅を訪ね、ローランとウイリーはそこへ踏み込む。マハリスに味を調べ るように促すと、全部粉ミルクであることがわかる。金を返せとバイヤーから言われたクレズニックは、金庫の中を見ると金がないことに気づき、階下に金庫の 中味を持っているウォルターがいるのを発見する。怒ったクレズニックはウォルターを射殺するが、バイヤーたちはウォルターが死んだと言ったり、ヘロインが 偽物だったり、イカサマばかりのクレズニックを射殺するのであった。
【解説】このエピソードは米国において初回放映時、第2シーズンのトップバッターとして選ばれた。当然のことながら、お茶の間の視聴者にとっては、IMFの 新しいリーダーであるジム・フェルプスを初めて見ることになるのだが、例によってダン・ブリッグスから交代した経緯については一切語られない。
 シナモンの登場シーンが多く、また、重要な役割を担っており、その割には、ジム・フェルプスに関しては後のエピソードと比較すると登場シーンは少ない。 一つ疑問に思うのは、シナモンが電話をかけようとしてためらうほんの短いシーンが2箇所で見られるが、シナモンのヘアスタイルと髪の毛の色が明らかに 違うのだ。これは編集ミスだと思われる。
 ヘロインのシンジケートをテーマにしているが、今回のIMFの用意する秘密兵器は見ていて非常に楽しめる。片方の手からヘロインを吸い上げると、もう片 方の手から別の粉を出す装置で、全容の種明かしはないが、恐らく服の中にタンクが二つあるのだろう。バーニーは音が出ないように工夫したと言うが、モー ターを使っていないということかは明確でない。また、シナモンの夫役となるウォルターに対してエレベーター内で行うトリックは、偽似旅行という大袈裟なもの ではないが、第1シーズンの「列車偽装作戦」で使われるトリックの応用と言える。エレベーターの中で、実際は墜落しないのに、階数表示灯を点灯して落下 する音を聞かせたり、エレベーターを振動させたりして、最後に衝撃音とともにウォルターを眠らせてエレベーター墜落を偽装するものだ。
 邦題の「未亡人は二度生まれる」については、本シリーズの中でも屈指の名タイトルであろう。原題の「Widow」を訳すと「未亡人」となり、味も素っ気もない ものだ。邦題の意味は、ウォルターが本当に殺された後のラストシーンで、ジムがシナモンに冷やかし半分で、"同じ亭主で二度も未亡人になるなんて滅多 にないケースだよ!"というセリフの中にある。


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