スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



43 焼土作戦 The Photographer
【目的】肺ペスト菌を持つ150人の敵スパイの所在を掴むため、暗号解読の鍵を手に入れること
【指令】おはよう、フェルプス君。 その男はデヴィッド・レディングといってわが国一流の写真家であるが、またここ数カ月の間に合衆国へ150人という大量 のスパイを送り込んだ某諜報機関の手先でもある。昨日そのスパイの一人が捕まったが、72時間以内にわが国の人口を半減するほどの恐るべき肺ペスト 菌を彼らが持ち込んでいるという以外何の情報も掴めない。レディングが発信し受信する暗号を解読できればスパイたちの所在を突き止めることもできるが、 現在の所まだ解読するまでに至っていないのだ。
 そこで君の使命だが、大事に至らぬうちに一刻も早く暗号解読の鍵を手に入れることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺さ れても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: リー・H・カッツィンLee H. Katzin
【ゲスト出演】
デヴィッド・レディング:アンソニー・ザーブ(浦野光)Anthony Zerbe as David Redding
アレックス・モーリイ:ジョン・ランドルフ(巌金四郎)John Randolph as Alex Morley
フラン・ウィリアム:キャサリン・ヒューズ(小原乃梨子)Kathleen Hughes as Fran Williams
マンディ:ルドミラ(加藤みどり)Ludmila as Mandy
【場所】@指令(媒体):ある建物の2階にある部屋でボタンを押すと、扉が上がってオープンテープレコーダーが出てくる
A舞台:ニューヨーク近郊
【役割】ジム:シナモンの夫
ローラン:情報局員
シナモン:モデルで化学者
バーニー:レディング邸に侵入
ウイリー:情報局員
【道具】@パラボラアンテナ
A妨害電波発生装置:レディングの暗号を発信させないようにする
B潜望鏡の回りの風景セット:核攻撃を受けた後の景色
C赤いランプ:核爆弾が爆発した後の様子を演出
【削除】(04分20秒)レディングがマンディの撮影をしているシーン
(09分40秒)レディングがエリート社に出向いて次の候補と編集長に聞き、シナモンに決まる
(11分20秒)レディングがシナモンを訪ねる
【見所】(14分10秒)レディングのスタジオでジムと同伴で撮影が始まる
(17分10秒)レディングの地下室に入るジムは、ライフルの弾を全部すり替える
(22分50秒)レディングがシナモンの化学式を情報部に送ったところ、ペスト菌の培養に関係ありと判明する
(26分50秒)化学式を見せ銃を突きつけ、シナモンとジムに父親のことを話すレディング
(30分30秒)ジムに電圧をかけて拷問するレディングにすべて話すからと止めるシナモン
(32分30秒)モーリイがジムとシナモンを銃殺する
(40分30秒)核爆弾が落ちたことをIMFが演出し、ドーンという音とともにあたりが熱くなる
(45分50秒)バーニーが送った偽暗号を解読するレディングの様子を、ローランはすべてを見ている
(46分50秒)本部が間違えて暗号を送ったと言うレディングに本部じゃないと逃げるローラン
【疑問点】@レディングが撮影したシナモンの写真はエリートのカバーに飾られたのかということは劇中では語られていない。
【粗筋】レディングが地下室に入るのを見て、バーニーはレディング邸に侵入し、拳銃の弾をすり替える。エリート誌の次のカバーガールはシナモンに決まり、 カメラマンであるレディングのスタジオに夫のジム同伴で出向くシナモンだが、写真に秘密の化学式が写ってしまったとレディングからフィルムを回収する。そ の後も撮影は続けられ、隙をみてジムは地下室に侵入して、暗号機の位置を確認し、ライフルの弾をすべてすり替えてしまうのだ。一方、バーニーは潜望鏡 の周りの風景のジオラマを製作する。シナモンの書いた化学式がペスト菌の培養と関係しているということで、詳細をシナモンから聞き出そうとするレディング であるが、ジムとシナモンに銃を突きつけ、自分の父親のことを喋り始めるのである。そして、ジムが高電圧機をかけられ苦しむ姿を見て、シナモンは敵国を ミサイル攻撃する旨告白する。モーリイが二人を射殺した後、地下室に入って情報部にニューヨークを核ミサイル攻撃する旨暗号を送るが、バーニーが妨害 電波でこれを阻止する。そこへ連邦捜査官のローランとウイリーが踏み込み、二人を逮捕する。ところが、地下室へ入るとレディングはライフルを取り、ウイリ ーを射殺し、ローランに両手を挙げさせて形勢は逆転してしまう。レディングがラジオを聞くと、緊急放送に切り替わり、その内にドーンと大きな音がして熱風 が吹き寄せてくるのを感じる。潜望鏡で地上の様子を覗いてみると、あたり一面が焼け野原になって煙がくすぶっているのを確認する。そこへバーニーが偽 の暗号を送り、レディングが暗号を解読する様子を全部見ていたローランは、ドアを開いて逃げ出し、ジムに日付と電話帳が鍵になっていると報告をする。ロ ーランを追いかけて地下室から出てきたレディングとモーリイはIMFメンバーが勢揃いしているのと、潜望鏡の周りのセットを見て驚くのである。ジムは"刑務 所に入ったらよく考えてみるんだ。父親の処刑が誤りだとしたら、誰がはめたのか?アメリカか親友かそれとも敵国か!"すると、モーリイの顔色が曇るのだ った。
【解説】「焼土作戦」では世界終焉をトリックにしており、本シリーズでは初めてのことである。視覚的にも面白く描けるため、今後も世界終焉のトリックはいろ いろな形で再登場する。本エピソードでは、核シェルターに備えている潜望鏡の周囲に、焼け野原を表現したジオラマが使用されて、核弾頭が実際に落ちた と偽装するのだ。
 シナモンが「エリート」という雑誌のカバーガールになるということで、シナモンの魅力が満載である。敵の悪漢レディングは彼の父親がアメリカを裏切って処 刑されており、そのためにアメリカへの復讐を企んでいる。そして、カメラマンという設定で、シナモンのいろいろなポーズを撮影するが、シナモンは秘密の化 学式を撮影されてしまったと言って、フィルムを回収するが、レディングは密かにその化学式の打診をして、それがペスト菌の培養と関係があることを掴む。
 レディングはジムとシナモンを殺害後、核シェルターにこもってニューヨークを核攻撃する旨暗号を送るが、バーニーが妨害電波で阻止する。そこへ、ローラ ンとウイリーが核シェルターに押し入るが、ウイリーが射殺されて形勢が逆転してしまう。そして、ドーンという音とともに周囲が赤くなり、IMFは核爆弾が投下 されたことを偽装するが、バーニーが偽の通信を送ると、それを解読する様子をローランが一部始終見ているのである。
 ローランが逃げるところを発砲し、命中しても倒れないのを不思議に思うレディングは、地上に出てジオラマを見て、さらに、殺害したはずの人物が生きてい ることに驚くのである。最後にジムがレディングに言ったセリフが印象に残る。"父親の処刑が誤りだとしたら、誰がはめたのか?アメリカか親友かそれとも敵 国か?"明解な答えは言葉では出なかったが、レディングは父親の事件を冤罪事件と知ると同時に、誰が父親を陥れたかを悟るのであった。


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