スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



45 王手! A Game of Chess
【目的】チェス名人の窃盗の計画を封じ、金塊を地下組織の手に返すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 半月前、ある東側衛星国の地下組織のために用意された、百万ドル相当の金塊がその国の憲兵隊に露見し接収されてし まった。そして今鉄のカーテンの背後に送り出されようとしている。そうなるとその国の民主主義運動は一時挫折のやむなきに至り、自由への道はさらに遠 いものとならざるをえない。ところでその男はニコラス・グロートといい、チェスの名手として輝かしい経歴を誇っているが、その美名に隠れて国際的な盗みを 働いており、今言ったように金塊を奪うべく虎視眈々とその機会を狙っている。
 そこで君の使命だが、グロートの計画を封じ金塊を地下組織の手に返すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても 当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: リチャード・M・サカルRichard M. Sakal
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: アルフ・ケリンAlf Kjellin
【ゲスト出演】
ニコラス・グロート:ドン・フランクス(大木民夫)Don Francks as Nicholas Groat
ステヴィヤ大尉:カート・ローウェンス(近石真介)Curt Lowens as Captain Stevya
ミュラー:ウィリアム・ウィンターソロ(森山周一郎)William Wintersole as Mueller
書記:ルー・ロブ Lou Robb as Clerk
審判:ジェーソン・ジョンソン Jason Johnson as Referee
軍曹:ウィル・J・ホワイト Will J. White as Sergeant
敵手:マイケル・グアリーニ Michael Guarini as Opponent
【場所】@指令(媒体):電話ボックスの中の電話機の下部にテープレコーダーが隠されている
A舞台:ある東側衛星国
【役割】ジム:ドーバー(コンピューターの結果をローランに伝える)→医者
ローラン:アンダーソン(チェス名人)→マーロー(市の保健局員)
シナモン:チェス会場でブローチに隠したカメラで会場の様子をジムに伝える
バーニー:グループ(コンピューター操作)→薬を水道管に仕込む→腸チフス患者
ウイリー:カール(市の保健局員)
【道具】@時間を狂わし、チェス名人級のコンピューター
Aブローチ型テレビカメラ:チェスボードを映し、ジムに伝える
B補聴器:ジムの指示をローランが聞く
C薬:腸チフスそっくりの症状が出る
【削除】(09分30秒)グロートが決勝戦に備えて自分の盤を金庫室から出してもらう
(30分30秒)タイムロックにも時間が進むことがわかり、IMFが全ての作戦を仕切ることになる
【見所】(10分10秒)金庫のダイヤルをバッグに仕込んだカメラで撮影するミュラー
(14分20秒)ローランがグロートに勝ち、拍手喝采を浴びるが、納得いかずグロートは怒り出す
(16分50秒)ローランの部屋に入ったグロートはコンピューターを見て驚く
(21分00秒)ジムがグロートの仲間ミュラーにホテルの金庫がタイムロックを設置したと告げる
(26分20秒)100万ドルの儲け話を切り出すグロートにIMFは断るが、ミュラーは銃を出す
(34分10秒)金塊100万ドル分が金庫内に入れられ、タイムロックが作動する
(45分30秒)電球を取り外し、バーニーはそこを電源としてタイムロックの時計を20倍の速度にする
(48分00秒)金塊を出した後、グロートとミュラーを金庫内に閉じ込めてしまうIMF
【疑問点】@コンピューターが時計を狂わすということで、グロートの時計を進めてしまうが、これのトリックについては明かされていない。
【粗筋】チェスのトーナメント試合に参加するローランは、バーニーのコンピューターの力を借りて、決勝戦で名人グロートと対戦し、赤子をひねるようにあっさり と勝ってしまう。怪しいと思うグロートはローランの部屋に来て、中にコンピューターがあるのを見つけてしまう。ローランはそのからくりを実演してみせ、コンピ ューターは安全確実で時計も狂わすと言い、からくりを公に暴くというグロートに、出場するトーナメントに全部勝って賞金を掻っ攫うことを提案するが、断られ てしまう。その後、ミュラーから金庫にタイムロックが設置されるという報告を受け、グロートは悩みに悩むが、自分の時計が進んでいることを発見し、コンピュ ーターが時計を狂わせるということを思い出す。再度、ローランの部屋に出向くグロートは、近々金の延べ棒100万ドル分がホテルの金庫に入るので、それ を盗む話を持ちかけるが断られ、ミュラーが銃を出して脅すので、タイムロックの時計を狂わすことができるかの確認をすることになる。結果、タイムロックの時 計を狂わすことができることがわかり、IMFのやり方で作戦を進めることをグロートに承諾させる。水道管に腸チフスに似た症状の出る薬を混入した後、バー ニーが突然倒れ、医者のジムが腸チフスと診断する。さらに、保健局のローランがやってきて次々と腸チフス患者が発生し、ホテル内はパニック状態に陥る。 ローランはホテルにいる全員に予防接種をして次々と眠らせてしまうのだ。全員が眠った後で、バーニーがタイムロックの時計を20倍速にして解除させ、グ ロートが金庫のダイヤルを開けて、中にある金の延べ棒に喜ぶのである。金を金庫から出すのに手を貸してくれと言って、IMFが金の延べ棒全てを金庫から 出し終わると、ローランが銃をグロートとミュラーに向けて突きつけ、金庫内に二人を閉じ込めてロックしてしまうのである。地下組織が待ってるぜとローランが 言い残し、IMFは金を持ち去るのであった。
【解説】「王手!」にも大掛りな秘密兵器が登場するが、今まで登場したダイヤモンド製造機や偽札印刷機とは違い正真正銘のチェスの手をはじき出すコンピ ューターである。このような巨大なコンピューターは、同じ頃日本で撮影されたウルトラ警備隊の作戦室のものにも見られ、当時のコンピューターがいかに大 きかったかがわかる。
 IMFはこのコンピューターを意図的にチェスの名人に見せるのだが、名人は見向きもしない。しかし、ホテルの金庫にタイムロックがかけられたことを知る名 人は自分の時計が狂っていることに気がつき、俄かにコンピューターに関心を抱く。当時、恐らくコンピューターは高額なため、大企業や一部の金のあるとこ ろにしか置いておらず、今日のように一般化していなかったので、"コンピューターは時計をも狂わす"というIMFのイカサマを名人は信じてしまったのだろう。
 金庫のタイムロックにコンピューターが有効かどうかを調査するために、IMFは大掛りな工作をする。金庫の中に金塊が入れられた後、腸チフスに似た症状 を起こす薬を使って、宿泊者と警官達を予防接種と偽って、全員眠らせてしまう。そして、タイムロックの時計を20倍速で回して、金庫を開けて金塊を外に出 してから、名人らに銃を突きつけて、金庫の中に閉じ込めてしまうのであった。このように悪漢の企みを逆手に取って、金庫の中に閉じ込めてしまうシーン は、見ていて笑えるからか、第3シーズンの「金庫室へ追い込め」でも使用されている。


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