スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



47 殺人者の罠 The Condemned
【目的】フェルプスの友人が死刑の濡れ衣を着せられ、彼の無実を晴らすこと
【指令】なし 
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: アルフ・ケリンAlf Kjellin
【ゲスト出演】
ルイザ・ロハス:マリアナ・ヒル(池田昌子)Marianna Hill as Louisa Rojas
アーサー・ワーナー:ピーター・ドナット(近石真介)Peter Donat as Arthur Warner
ウェブスター:ケヴィン・ヘイガン(川合伸旺)Kevin Hagan as David Webster
エドモンド・コンスタンティン:ウィル・クルヴァ(北山年夫)Will Kuluva as Edmund Constantine
署長:ネイト・エスフォームズ Nate Esformes as Captain Vicente Barrera
ディーゴ:スティーヴ・マーロ Steve Marlo as Diego
ジョージ・コーレイ:ジョン・シーダー Jon Cedar as George Corley
事務官:フィル・ドナチ Phil Donati as Officer
トム:キース・マコーネル Keith McConnell as Tom
【場所】@指令(媒体):なし
A舞台:スペイン
【役割】ジム:ジム・トラヴィス(私立探偵→保険調査員)
ローラン:パスコ(神父)→ウェブスターに変装→ジョージ・コーレイに変装
バーニー:電話の修理屋
ウイリー:神父
【道具】@盗聴機:電話機にセット
A独房の仕切り板
Bリモコン自動車
C合図の受信機:ウェブスターに知らせる
D王冠カバー:内部は熱の影響を受けない
【削除】(05分00秒)ローランとウイリーが神父として署長のところへ挨拶にいく
(12分30秒)コンスタンティンが倒されたジムに箱の中味は何だと聞く
(31分50秒)ジョージ・コーレイのテープを聞きながら声帯模写の練習をするローラン
【見所】(02分50秒)個人的なことだがと歯切れの悪いジムに、水臭いとローランが言う
(10分10秒)独房に仕切りを作り、仕切りの裏に隠れるウェブスター
(17分10秒)ルイザ宅へウェブスターの面をつけたローランが銃を持って押し入る
(23分00秒)自分で自分が信用できない、何を喋るかわからないというルイザを射殺するコーレイ
(23分40秒)男が階段から転落して死亡し、茶色のコンタクトレンズよりコーレイと判明する
(25分50秒)コーレイの部屋で鍋の中から王冠を発見するウイリー
(35分00秒)今回もジョージ・コーレイの眼鏡が現場にあったと署長に報告する副署長
(43分50秒)リモコンで動く青い車が崖から転落して炎上する
(47分00秒)ジムの合図を聞いて、ウェブスターが壁の裏から出てきて看守はびっくりする
【疑問点】@青い車を途中でローランが降りる際、代わりに運転席に座らせたのは、ジョージ・コーレイの死体だったのか?
【粗筋】ジムは殺人の濡れ衣を着せられた友人であるウェブスターに面会する。ジョージ・コーレイ殺しで死刑の有罪が確定したウェブスターが、無実を証明し てほしいとジムに頼み込む。ジムはルイザが事件後ウェブスターを無視していることから、彼女が重要な鍵を握っていると睨む。ジムもこの事態を放っておくこ とができずに、IMFのメンバーを招集して、事件を解決しようと試みる。そして、死刑執行の9時直前にローランとウイリーがウェブスターの独房に神父として 出向き、ウェブスターの独房に偽の仕切りを作り、その奥にウェブスターが隠れるよう指示して、脱獄したと見せかけて死刑執行を阻止する。その間に真犯人 の捜査を行うが、ジムはレンガの中から箱を取り出そうとすると、何者かに襲われて倒れてしまう。その後、コンスタンティンが現れ、半年前にアテネの博物 館で王冠の盗難事件があったが、その犯人がジョージ・コーレイで、その1000万ドルの王冠ほしさにウェブスターがコーレイを殺したのだと聞かされる。一 方、ウェブスターのマスクをつけたローランは、ルイザ宅に銃を持って押し入り、すべてを話せと脅すが、ルイザが何も言わないので、盗聴機を仕掛けてまた 来ると言ってプレッシャーをかけるのだ。ルイザは恐くなって電話を男にし、男の家に向かうところをジムとウイリーが尾行する。そして、ルイザは自分で自分 が信用できない、何を喋るかわからないと告げると、男はルイザを射殺してしまう。銃声に気づき、現場に近づくジムの目の前で、男は階段の手すりが壊れ て転落死してしまう。アーサー・ワーナーの名刺と茶色のコンタクトレンズ、そして、ルイザが死ぬ時に言った"ジョージ"という名前、さらに、コーレイの度と同 じ黒ぶち眼鏡から、ジムは死んだ男はジョージ・コーレイと気づくのである。ウェブスターの冤罪を晴らすことのできる証人がすべて死んでしまったことにより焦 るジムだが、コーレイの部屋で鍋の中に王冠が隠されていることをウイリーが発見したことにより、事件解決の突破口を王冠にする作戦にするのである。その 後、ジムは署長と副署長に王冠の話をし、気を引きつける。また、コンスタンティンにも同様の手を使う。そこへ、ローランがジョージ・コーレイの声で電話を入 れてジムに来るよう指示するが、コンスタンティンは自分が行くと現地に向かう。現地では、ローランがコーレイに変装してコンスタンティンらを殴り倒し、青い 車に乗って逃走し、それを警察が追いかけることになる。途中でローランは青い車から降り、コーレイの死体を運転席に座らせる。そして、バーニーがリモコン で車の運転を操作し、終いには崖から転落させてしまうのだ。車から王冠のケースが発見され、中をあけると無事であることが確認される。ジムが"王冠を見 つけられたことだけでなく、これは表彰ものですね。一人の男を救ったことで"と署長に言うと、ウェブスターの無実を認める署長であった。
【解説】この「殺人者の罠」はIMFの通常の任務ではなく、ジム・フェルプスの友人が巻き込まれた事件である。個人的な事件であるにも関わらず、IMFのメ ンバーの協力を得て事件を解決するのは、第1シーズンの「誘拐に挑戦しろ」以来となる。ジムは個人的な事件だと主張して皆の協力を得たいのだが、歯切 れの悪い態度を示すのは珍しく、ローランに水臭いと言われることで救われる。
 殺人の濡れ衣を着せられたウェブスターを救うために、IMFはスペインに集結し、ウェブスターの死刑執行直前にローランとウイリーが神父として、監房に入 って監房内に偽の壁の仕切りを作って、ウェブスターをその壁の後ろに隠して脱走したと思わせる。ウェブスターを陥れた女にプレッシャーをかけ、黒幕の居 所を掴んだIMFは、男が女を射殺後に階段から転落死するのを目撃し、その男がジョージ・コーレイと断定する。これで、ウェブスターの無実を証明する二人 が死んだことで、ジムは窮地に陥る。
 そこで、IMFの取った作戦は、コーレイの部屋で見つかった王冠を突破口にし、コーレイが生きていて王冠を持っているという情報を流す。そして、コーレイ に扮したローランが皆の見ている前で車に乗って逃走し、それを警官隊に追いかけさせる。途中で死角を利用してローランが車から降り、コーレイの死体を運 転席に座らせ、バーニーのリモコンで車を操作して、最後は崖から転落させてしまう。コーレイの死体の近くから、王冠が発見されたことで、コーレイを殺した 罪に問われたウェブスターの冤罪が晴れるのであった。
 それにしても、いくつかの疑問点も見られる。ウェブスターを隠すための壁をどのようにして短時間で調達したのか?また、色は似ているかもしれないが、看 守が監房の中に入ったら偽物の壁であることは一目瞭然である。そして、最後にコーレイの死体が見つかるが、検死をしたら転落事故で死んだのではないと いうことがわかってしまうのではないかと思うが、余計なお世話なのかもしれない。
 このエピソードは「新スパイ大作戦」でリメイクされるが、死刑の濡れ衣を着せられるのが、皮肉にもバーニーである。原題のタイトルは全く同じであるもの の、ストーリーの内容は多少書き換えられている。


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