スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド2
48 毒には毒をもて! The Counterfeiter |
|
【目的】新しい偽薬品が市場に出回らぬうちに偽薬品を取り仕切る人物を押さえること
【指令】おはよう、フェルプス君。 レイモンド・ホールダーは一連の病院を経営する傍ら、わが国きっての薬品模造グループをも取り仕切っている。薬は効か ぬばかりか時には有害で、人命を奪う模造薬を売りさばいては巨万の利益を上げているのだ。たとえば最近ではガント製薬が開発した卒中の特効薬デラトリ ンも、ホールダーがいち早くその模造品を市場に流したため本来の効果を発揮できないでいる。またそのためガント製薬では偽物を閉め出すべく新しい販売 形式を考案中である。
そこで君の使命だが、この新しいデラトリンが市場に出回らぬうちにホールダーを押さえることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、ある いは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: リー・H・カッツィンLee H. Katzin
【ゲスト出演】
レイモンド・ホールダー:エドモンド・オブライエン(巌金四郎)Edmond O'Brien as Raymond Halder
エディ・バーク:フランク・キャンパネラ(小沢重雄)Frank Campanella as Eddie Burke
マコーネル医師:ノア・キーン(西田昭市)Noah Keen as Dr. McConnell
職長:ロイ・エンゲル Roy Engel as Foreman
かかえ運転手:ジョー・ブリーン Joe Breen as Chauffeur
ガント:ジョン・ローマー Jon Lormer as Charles Gant
パトロール巡査:デーヴ・アームストロング Dave Armstrong as Patrolman
医師:アーロン・フレッチャー Aaron Fletcher as Doctor
【場所】@指令(媒体):公園にある電話の入っている赤い箱の中のオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:薬務局職員
ローラン:ラウダー(警備)
シナモン:キャサリン・ボーデン(保安課職員)
バーニー:ホールダーの車の細工→医師
ウイリー:警察官
マコーネル医師:超音波の細工
【道具】@超音波発信機器:めまいを起こさせ、脳卒中の初期症状を引き起こす
A血圧計の細工:実際の値よりもかなり高い数値を示す
B脳溢血の症状を演出する装置:ウイリーがボタンを押すと、こめかみに青い血管の筋が現れる
【削除】(08分00秒)工場から目を離すなと指示をするホールダー
【見所】(13分00秒)ガント製薬のプレゼンテーションで薬の返品要求するホールダー
(23分00秒)ホールダーの車に駐車禁止で移動を命じる警官に、ローランがそのままと指示する
(28分00秒)バスターミナルのロッカーを開けると2000錠の錠剤が見つかり、シナモンが逮捕される
(31分40秒)シナモンがいつかお返しすると言うが、悠長なことを言ってられないとホールダー
(36分00秒)帰りたいというシナモンに会社を休むよう電話しろと強要するホールダー
(40分10秒)血圧計で自分の血圧を測るホールダーだが、上250下101もある
(41分20秒)脳溢血の症状が現れ、左のこめかみに血管が青く浮き出るホールダー
(44分30秒)シナモンに銃を突きつけるエディに銃を捨てるんだと言って捕らえるジム
(46分00秒)デラトリンを投与しようとすると、自分が作った偽物だとホールダーは告白する
(47分20秒)ジム、ローラン、ウイリーが現れ、テープに録音されたことを知るホールダー
【疑問点】@超音波でめまいが起こるホールダーだが、近くにいたジムは何でもないのか?
【粗筋】模造薬で捕まえても、現行法では軽い罪で終わってしまうので、脱税の方からも締め上げる作戦を取る。模造薬を作っている工場を当局側職員ジ ム、ローラン、ウイリーが押さえるが、ホールダーは薬を買いに来ただけだと主張して逮捕を免れる。シナモンはガント製薬のプレゼンテーションに参加したホ ールダーと会う約束をする。一方、ジムはホールダーからお金を巻き上げようとして、さらにローランも仲間に加わり、ローランは1000ドル受け取る。その夜、 シナモンがホールダーのところを訪れるが、ローランは魔薬の容疑で逮捕すると言って、ロッカーの鍵を見つけ出す。そして、サントロのバスターミナルまでホ ールダーを連れていく。ロッカーの中から2000錠の魔薬が発見されて、シナモンは逮捕されるが、車の中でホールダーが5000ドルローランに支払うこと で、シナモンは釈放される。そして、工場にシナモンを連れて行き、化粧箱のデザインを聞き出すのだ。工場では、押しても潰れない錠剤の量産体制に入 る。しかし、めまいが激しいホールダーは血圧計で測定すると高血圧であることに気がつく。そして、製薬機を覗き込むと脳溢血の症状が現れ、左のこめか みに血管が青く浮き出ているのを見て、救急車を呼ぶのである。救急車に乗せられる前に、ホールダーはエディにシナモンを殺すよう指示するが、IMFに捕 まってしまう。その後、病院に運ばれたホールダーは、医師より脳卒中の初期症状と診断され、デラトリンを飲むように迫られ、自分が作った模造品だと自白 するのである。その後、ジム、ローラン、シナモンが病室に入ってきて、テープレコーダーを見せるが、ホールダーは、模造薬だと500ドルの罰金か3ヶ月で 出てこられると強がってみせるが、ジムが脱税で20年の話をすると、がっくりとするのであった。
【解説】「毒には毒をもて!」は偽の薬を製造して巨額の富を得ているということで、どこの国にもいそうなタイプの悪漢が登場する。本来なら警察の仕事であ るが、薬の偽造だとアメリカの国内だと軽犯罪に過ぎず、脱税の証拠を集めて脱税の罪を暴こうというのがIMFの任務の目的となる。このように大掛りな脱 税の容疑者の捜査には、日本ではマルサが有名であるが、アメリカにはそれに相当する機関はないのだろうか。
このエピソードではIMFの秘密兵器として、一風変わった装置が二つ登場する。一つは超音波発信機器でターゲットに向けて発信すると、めまいがして脳 卒中の初期症状を起こさせるというもので、ホールダーに対して幾度か使用する。ホールダーの近くに立っていたジムには影響がないのか心配するシーンも ある。そして、もう一つはホールダーにとどめを刺すもので、ボタンを押すとこめかみに青い血管の筋が浮き出て脳溢血の症状を演出する装置である。これに よって医者であるホールダーは自分に何が起こったのかを悟り、救急車を呼ぶのである。
病院に運ばれたホールダーは脳溢血と診断され、脳溢血によく効く薬を見せられる。それは皮肉にもホールダー自身が製造した偽の薬であるのだ。ホー ルダーが自分の作った偽物の薬だと自白するのをテープに録音してIMFが現れる。ホールダーは"摸造薬だと500ドルの罰金か3ヶ月で出てこられる"と強 がって見せるが、ジムは脱税で20年の話をすると、ホールダーは肩を落とすのであった。
それにしてもアメリカの脱税に対する罪の重さは半端でないことに驚く。それに比べて日本の脱税に対する罪の軽さは一体何なのだろうとつくづく思う。脱 税容疑で逮捕される報道がされる度に、サラリーマンである私はがっかりするのである。 |
|
|
Copyright (c) from 2001 BONBEL
|