スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



50 スリラー作戦 The Killing
【目的】殺人組織を操る人物が殺人者であることを立証し、殺しを封じること
【指令】おはよう、フェルプス君。 最近強力に実施している対暗黒社会政策に関連してわかったことであるが、その男バート・ゴードンは、かつての殺人請負 業とまったく同じ組織を持っている。ゴードンは金のためとあれば何者であろうと正確無比にこれを抹殺し、犠牲者は常に行方不明ということになって、証拠も 残らず死体も残らない。この殺人組織を操るのがゴードンであることは明瞭であるが、彼が直接手を下すわけではないので、われわれはこれを押さえること ができない。
 そこで君の使命だが、ゴードンが殺人者であることを立証し、殺しを封じることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても 当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は直ちに処分すること。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルターWilliam Read Woodfield and Allan Balter
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: リー・H・カッツィンLee H. Katzin
【ゲスト出演】
バート・ゴードン:ジェラルド・S・オローリン(木村幌)Gerald S. O'Laughlin as Burt Gordon
カーニー:ロイ・ジェンソン(小林清志)Roy Jenson as Connie
【場所】@指令(媒体):煙草の自動販売機にコインを入れEMPTYのボタンを押すと小型オープンテープデッキが取出口より出てきて、ドラム缶に投げ捨てると 煙を吹く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:スタン・ハーパー
ローラン:ダグラス(弁護士)
シナモン:レナ・ハーパー
バーニー:ゴードン邸に侵入
ウイリー:ゴードン邸に侵入
【道具】@スイッチを押すと蝋燭の火を揺らす装置
A裏地にナイロンを8枚重ねたセーター:血糊を仕込んである
B催眠ガスとガスマスク:ゴードン邸に侵入の前に使用
C地震を起こす装置
Dシャンデリアにコイン大の器具取付け:シャンデリアを揺らす
Eスイッチを押すと2階の窓から布の紐が降りてくる:ウイリーが2階まで昇る
F時計の細工:時報を正規の時間以外に鳴らす
G壁に掛けてある絵が落下する仕掛け
Hテーブルの皿がカタカタ動く
I窓が自動的に開く仕掛け
J大型扇風機:外の天候が強風であることを演出
K稲妻を光らせる装置
L小型スライド映写機:ジムの顔を投影する
M再生装置:雷や風などの音を録音
Nすぐに溶けてしまう覆面:ジムの顔をした仮面をカーニーに被せる
【削除】(17分30秒)酔っ払ったジムをローランが2階に連れて行くが、呆れるシナモン
【見所】(12分20秒)ゴードン邸に催眠ガスを注入してカーニーを眠らせる
(15分40秒)ゴードン邸を物色しているところへ電話が入り、バーニーは電話線を切る
(19分50秒)今後もぜひともお願いしたいとゴードンにキスをするシナモン
(22分30秒)ジム殺害を依頼するシナモンに、ゴードンは断る
(26分30秒)ゴードンの首を絞めたジムをカーニーがナイフで刺殺してしまう
(29分10秒)焼却炉に火をつけてジムを放り投げるカーニーだが、裏でバーニーらがジムを救助する
(37分10秒)皆ここにいるよとローランが語りかけると、ジムの姿が室外に現れる
(44分50秒)天井の壁より煙が出て、ジムの顔が現れ、あと二人殺すと言う
(46分50秒)カーニーの顔にジムの面がついており、射殺するゴードン
【疑問点】@焼却炉でジムを助けるバーニーとウイリーは事前に場所がわかっていたのか、あるいは、尾行していたのか?
【粗筋】IMFは殺し屋ゴードンの隣に屋敷を構え、シナモンがゴードンを自宅に呼び、ジムとローランを紹介する。酒を飲みながら雑談をしていると、突然地震 が起こり壁にかけていた絵が落ちてしまう。ローランは霊魂の話を真剣にゴードンにする。ゴードンの留守中にバーニーとウイリーは催眠ガスでゴードンの手 下のカーニーを眠らせ、屋敷に侵入して細工を済ませる。酒癖の悪いジムをローランが2階に連れて行く間、シナモンは今後もお願いしたいと頼みゴードンに キスをするが、ジムはそれを写真におさめる。そして、シナモンはジム殺害の依頼をゴードンに持ちかけると、そんな義理はないと断られてしまう。翌日、右頬 を腫らしたシナモンが夫に情事の写真を撮られたとゴードンの屋敷に来て、追いかけるようにジムも現れ、揉み合っている内にカーニーがジムを刺殺してしま う。そして、カーニーがジムを焼却炉で燃やそうとするが、バーニーとウイリーが焼却炉の裏より救助する。シナモンも一緒に処分すればよかったと後悔する ゴードンのところへ、シナモンはジムが帰ってきたと言う。そこへローランもやってきて、雷が鳴り響く中停電となり、室内で風もないのに蝋燭の火が揺れ、ジ ムがここにいる、死んだんだと推理をする。そして、ジムの幻影が窓の外に映り、窓が自動的に開いて時計の時報が勝手に鳴り出し、シャンデリアが揺れ、 テーブルの皿がカタカタ動くのだ。そして、2階の様子を見にいったカーニーを捕らえ、ジムが着ていたセーターをカーニーに着せ、階下に下ろしジムのマスク をつける。一方、1階では部屋に突然煙が立ち込めてジムの顔が映り、一人は殺した、あと二人も殺すと言い、恐くなったシナモンは外へ逃げるが、ころんで 息絶えるのである。そこへジムがゴードンの前に現れると、ライフルを何発も放つゴードンである。すると、ジムの顔が溶けて中からカーニーの顔が出てくるの である。これを見て驚くゴードンを残し、警察に通報してその場から立ち去っていくIMFメンバーたちであった。
【解説】超自然現象を扱ったものは、第1シーズンの「幽霊を呼べ!」以来であるが、このエピソードでは超自然現象をトリックとして敵を欺くことに使っている。 悪漢のゴードンは殺人者であるが、犠牲者の死体が残らず証拠もないことから警察も手のつけようがない。そこでIMFは彼の屋敷の近くに本部を置き、超自 然現象を起こさせる装置を設置する。
 シナモンは巧みにゴードンに近づいてジムの殺害を依頼するが、ゴードンは尻尾を見せない。そして、ゴードンとの不倫に気づいたジムがゴードン邸に乗り 込んで、揉み合っている内にゴードンの手下がジムを刺殺してしまう。死体の処理をするために焼却炉にジムを放り投げるが、背後からIMFメンバーが救助 するのはいつものことである。その後、ゴードン邸では地震が起こったり、稲妻が光って停電したり、強風が吹いて窓が開く不思議な出来事が続く。ローラン はジムが死んで霊がいると告げると、ジムの幻影が窓の外に映り、2階に様子を見にいった手下をIMFは捕らえて1階に降ろしてジムのマスクを被せてセー ターを着せる。ゴードンにはさらに不思議な現象が降りかかり、突然、煙が立ち込めてジムの顔が現れて、"一人は殺した。あと二人も殺す"と告げるのだ。 シナモンは外に飛び出し、ゴードンの見る前で転んで息絶えるシーンを演じる。
 こうしてゴードンは次々と襲ってくる超自然現象に我を失っていくのである。そして、ゴードンの目の前に現れたジムの姿に驚きライフルを狂ったように発射 するのである。すると、ジムのマスクが溶けて手下の顔が現れるのを見て呆然とするゴードンであった。
 IMFがゴードンの過去の殺人を実証するのかと思いきや、ゴードンがIMFの罠によって殺人者に仕立てられたという結末にいささか不満は残る。また、この ような罠によって殺人がされた場合、殺人罪は成立するのだろうかという疑問も残る。しかしながら、このエピソードで使用された超自然現象を演出する小道 具類は、軽く10種類を越えるものとなっており、スタッフの苦労が偲ばれるし、見ていて確かに楽しめる仕上がりになっている。さらに、敵にIMFメンバーのマ スクを被せるのはお馴染みのシーンであるが、今回はそのマスクが溶けてしまって、本人の顔が現れるという工夫も凝らされている。


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