スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド2



52 鉄条網とリンチ Trial by Fury
【目的】真の密告者を指摘して模範囚の身の安全を保証するとともに、彼らのレジスタンス活動を守ること
【指令】おはよう、フェルプス君。 その国の革新派を率いるマニュエル・デルガドは最近、現独裁政権の犠牲となって刑務所に送られてしまった。そこでこの 独裁政権に対する獄内よりの彼のレジスタンス活動を助けるため、その男サントス・カルドーザは自ら罪を犯して獄に身を投じ、模範囚となって連絡係として の自由を確保している。しかしこのためカルドーザは他の囚人たちから密告者と目されるに至り、身の証をたてることもならず、非常な危険に晒されている。
 そこで君の使命だが、真の密告者を指摘しカルドーザの身の安全を保証するとともに、彼らのレジスタンス活動を守ることにある。例によって君もしくは君の メンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音部分は自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: サイ・サルコウィッツSy Salkowitz
製作: ジョセフ・ガントマンJoseph Gantman
監督: レオナルド・J・ホーンLeonard J. Horn
【ゲスト出演】
サントス・カルドーザ:マイケル・トラン(広川太一郎)Michael Tolan as Santos Cardoza
デューク:ヴィクター・フレンチ(近石真介)Victor French as Leduc
ヴェラスケス:エドモンド・ハシム(浦野光)Edmund Hashim as Valesquez
マニュエル・デルガド:アーネスト・サラチノ(天草四郎)Ernest Sarracino as Manuel Delgado
クラウス:ポール・ウィンフィールドPaul Winfield as Klaus
スペリッジ:シド・ヘイグ Sid Haig as Sperizzi
所長:ジョセフ・ベルナルド Joseph Bernard as Comandante 
囚人:ドン・ポーリン Don Paulin as Convict
囚人:ジェイ・デラ Jay Della as Convict
囚人:ジル・ガルヴァノ Gil Galvano as Convict
囚人:シェプ・サンダース Shep Sanders as Convict
【場所】@指令(媒体):ある建物の2階の録音スタジオにあるLPレコードを聞く
A舞台:ある独裁政権の国
【役割】ジム:ジョンソン(囚人)
ローラン:中尉
シナモン:セニュリータ・ベーレ(赤十字職員)
バーニー:モラレス(囚人)
【道具】@道具箱:シナモンが慰問の際のプレゼントとして配る (金具を組み合わせて銃を作る)
【削除】(14分50秒)カルドーザがジムとバーニーに囚人服を渡すが、脱獄するというバーニー
(20分20秒)囚人たちの前で脱獄に俺も連れていけとバーニーに頼むジム
【見所】(07分00秒)刑務所入所前の消毒を嫌い、ジムがカルドーザに突っかかる
(12分00秒)脱獄囚リベラがトラックに隠れているところを守衛に射殺される
(16分50秒)シナモンが赤十字の慰問として刑務所を訪れ、デルガドに会いたいと言う
(21分20秒)囚人たちがカルドーザを拉致し、皆で問い詰めるがカルドーザは否定する
(25分50秒)クラウスとスペリッジがいないので不審がる所長はシャワー室で確認する
(32分00秒)銀紙にタレコミの情報が書かれていて、所長が警備増強を指示する
(39分10秒)カルドーザを処刑するという囚人たちに銃とナイフで止めるジム
(42分00秒)銀紙を受け取ったジムは、囚人たちにこれを書いたのが犯人だと言う
(46分30秒)デュークが囚人たちに刺殺される
【疑問点】@シナモンと一緒にいた赤十字の男は、ローランに銀紙を渡すといった重要な役割を演じているが、何者だろう?
【粗筋】ジムとバーニーは囚人として、ローランは囚人を刑務所に引き渡す軍人として刑務所に潜入する。刑務所に着くやいきなりジムとバーニーは大暴れを して、一夜特別監房に入れられる。翌朝、リベラが脱獄しようとするところを守衛に射殺されてしまい、カルドーザが事前に情報を流したために、仲間が殺さ れてしまったと囚人たちは誤解する。その夜、カルドーザを捕らえ、囚人たちが束になって責め立てるのだが、そこへ赤十字の慰問としてシナモンとヴェラス ケスが訪れて囚人たちにプレゼントを渡す。所長はクラウスとスペリッジがいないので不審がるが、二人がシャワーを浴びているのを確認する。しかし、その 下にカルドーザが隠されているのに気がつかない。シナモンが去ると、再びカルドーザへの拷問が始まり、カルドーザはくたばるまで歩かされてもすべてを否 定する。ヴェラスケスがゴミ箱から拾った銀紙を見て、シナモンは何者かが銀紙に書き込んで所長に情報を流していることに気がつく。銀紙を受け取ったロー ランは時計を盗まれたと言って、ジムとバーニーの身体検査を装ってジムに銀紙を渡すのだ。カルドーザを処刑することに決まった矢先、ジムが銀紙を見せ て、これを書いた奴が犯人だと告げると、囚人たちはデュークの仕業と理解する。翌朝、デュークは囚人たちから離れようとし、所長に会わせろとローランに 頼むが拒否され、囚人たちにより刺殺されてしまう。その後、ローランの起こした車の追突騒ぎに乗じて、ジムとバーニーは銃を奪い、シナモンとローランを人 質に赤十字の車に乗って逃走するのだ。囚人たちはこの光景に大喜びするのであった。
【解説】この「鉄条網とリンチ」では囚人として潜入したジムとバーニーの心理的な作戦で、密告者が誰なのかを突き止めるというものである。密告者を探すよ うな任務にもIMFがわざわざ出向くという設定には疑問が残るが、ほとんどのシーンが閉塞感の漂う刑務所を舞台にしているので、いつもとは違った雰囲気 に仕上がっている。
 刑務所内での暴力シーンや囚人たちの柄の悪さが見事に描かれ、リンチシーンなども折り込まれて、かなり残虐性が高い。また、囚人が全員男であるた め、赤十字の職員として刑務所を訪問したシナモンに対する皆の目つきは、完璧にセクハラになっている。
 刑務所からの脱獄を企てていたリベラの計画が事前に漏れて、リベラは射殺されてしまう。仲間はカルドーザが密告者と決めつけ、カルドーザを捕らえて責 め立てるが、なかなか口を割らない。そこで、リンチが始まってカルドーザを死刑にすることが決まる。シナモンらは何者かが銀紙を使って所長に情報を流し ているのを突き止め、ローランを通じてジムにその銀紙を渡し、密告者がデュークという人物であることが判明して、カルドーザの無実が証明されるという単純 なストーリーである。
 最後は、仲間によるデュークの刺殺がされた後、ローランの起こした車の追突事故騒ぎに乗じて、ジムとバーニーが銃を奪ってシナモンとローランを人質に して、赤十字の車に乗って逃走するシーンで幕を閉じる。この光景に囚人たちが大喜びするのは何故だろうか?また、治安のしっかりした国なら、刑務所か ら脱走した囚人はすぐに手配され、検問などが厳しく行われるものだが、どうやってジムとバーニーは無事国境を脱出できたかが描かれておらず、謎のまま 終わっている。


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