スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド3



60 巨頭会談 The Play
【目的】敵国と我が国との平和確保のために過激な反米宣伝をする文化相の意図を粉砕すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 写真の人物は、ミロス・クーローといってUCRの文化相兼国立劇場の演出家である。クーローは現在猛烈な反アメリカ宣伝 を展開中であるが、これは首相レオン・ヴァドスに対する国民の不信任を招き、やがては失脚させる為であり、しかもその首相ヴァドスは目下我が国との間に 不可侵協定を結ぶ気構えを見せているのだ。
 そこで君の使命だが、UCRと我が国との平和確保の為にクーローの意図を粉砕することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは 殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分すること。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ロー・ショウLou Shaw
製作: ロバート・E・トンプソンRobert E. Thompson
監督: リー・H・カッツィンLee H. Katzin
【ゲスト出演】
ミロス・クーロー:ジョン・コリコス(高城淳一)John Colicos as Milos Kuro
エンゾール:マイケル・トラン(羽佐間道夫)Michael Tolan as Vitol Enzor
ウサコス:ジョン・マクリアム(横森久)John McLiam as Anton Usakos
レオン・ヴァドス首相:バリー・アトウォーターBarry Atwater as Premier Leon Vados
ボック:チャールズ・マックスウェル Charles Maxwell as Bok
役人:ジェーソン・ウィングリーン Jason Wingreen as Official
アナウンサー:クレテ・ロバーツ Clete Roberts as Announcer
検査官:エド・マックレディ Ed McCready as Inspector
運転手:ソクラテス・バリス Socrates Ballis as Driver
【場所】@指令(媒体):あるビルの屋上から梯子を上り、煙突の脇に置いてある袋の中にあるオープンテープレコーダーを煙突に入れて処分する
A舞台:アメリカ→UCR
【役割】ジム:ジム(俳優でアメリカ大統領役)→運転手
ローラン:サム(俳優でUCR首相役)→エンゾールに変装→デヴィッド・モーガン(ブロードウェイのプロモーター)
シナモン:ヴィンセント・ジョン(巨頭会談の作者)
バーニー:コンラッド(国務省役人)→テーブルに隠れて国立劇場に侵入
【道具】@音の囲いをするレーダー装置
A大きなテーブル:中にバーニーが隠れている
Bドライバー:ネジを裏からはずす器具
C偽の台本:首相に聞かせた内容
【削除】(16分30秒)犬を連れた役人の前でトラックからテーブルを降ろす
(21分30秒)台本の修正に対し、演劇でなくプロパガンダだとシナモンはクーローに言う
(33分20秒)クーローとシナモンの前でリハーサルをするローランとウサコス
【見所】(05分10秒)バーニーがクーローに巨頭会談の観覧チケットを手渡す
(09分20秒)ジムとローランがクーローの前で演じて見せ、巨頭会談のUCRでの上演が決定される
(18分30秒)テーブルが舞台に運ばれ、台本の一部修正をクーローはシナモンに要求する
(26分50秒)エンゾールが最高芸術賞のメダルを税関役人の前で落としてしまう
(36分20秒)シナモンがウサコスに軽い役と言ったのに腹をたて降板となり、代役はジムに決定
(40分50秒)バーニーがいる部屋の前で犬が吠え、高周波を流して犬を退散させる
(43分00秒)ヴァドス首相にシナモンとローランはクーローに勝手に台本を変えられたと言う
(46分20秒)リハーサルを聞いていた首相はこんな芝居は許さないとクーローに言う
【疑問点】@音の囲いをするレーダー装置が登場するが、これは本当に実現可能なのか?
【粗筋】巨頭会談の芝居を大々的に宣伝し、外交官バーニーがアメリカに来ているUCRの文化相クーローに上演のチケットを手渡す。しかし、政治的問題で アメリカでは上演禁止となってしまい、市民たちは不満でいっぱいである。そこで、シナモンはクーローの前でリハーサルをし、巨頭会談をUCRで上演するこ とになるが、俳優はジムとローランではなく、UCRの二大スターを起用することになってしまう。UCRに到着したIMF一行は、まず二大スターの一人であるエ ンゾールをアメリカのブロードウェイに行かそうと、ローランのマスクをつけて、ローランのパスポートを使って国外に出し、ローランがエンゾールのマスクをつけ てなりすます。一方、バーニーは大きなテーブルの中に隠れて国立劇場に侵入し、レーダーシステムの設置工作をする。リハーサル中にローランと二大スタ ーのもう一人のウサコスとの折り合いが悪く、何度も喧嘩をし、シナモンがアメリカ大統領役は軽い役だと言ったのにウサコスは腹を立て降板してしまう。後 任に誰をつけるかクーローが困った顔をすると、シナモンはジムを後任にすることを提案して、結局ジムとローランの共演ということになってしまう。そして、ロ ーランとシナモンはクーローに台本を勝手に変えられ、クーローは首相を失脚させて自分がその椅子に座る腹づもりと進言して、首相にリハーサルを見てほし いと頼む。レーダーシステムによって舞台の音声は遮られ、首相に聞こえるのはテープの声で、それを聞いた首相はこんな芝居は許さんと言ってクーローを 逮捕してしまうのであった。
【解説】この「巨頭会談」ではバーニーの秘密兵器が大活躍する。レーダーの最新技術を使い、首相の席には舞台で演じているセリフが聞こえずに、首相の 席周辺だけに別の音声を聞かせるというシステムである。実際にこのようなシステムが存在するかは疑問が残るが、アイデアとしては面白い。
 「巨頭会談」とはシナモンが製作した反米色の強い二人芝居のタイトルで、アメリカでは上演禁止となってしまった。アメリカにはUCRの文化相クーローが 訪問していて、反米宣伝の自分の主義にかなった「巨頭会談」を何とかUCRで上演したいと思い、シナモンに許可を出すが、俳優はIMFの期待を裏切って 現地の二大スターの起用ということになってしまう。
 そこで、ローランは二大スターの一人エンゾールをブロードウェイで活躍させると言って出国させ、エンゾールに変装してなりすます。バーニーはテーブルに 隠れて劇場に潜入して音声システムを設置する。UCR首相役ローランともう一人の俳優ウサコスの折り合いが悪く、ウサコス演じるアメリカ大統領の役が軽 いとシナモンが言ったことから、怒ったウサコスは降板してしまう。後任者に誰をつけるか困ったクーローにシナモンは、ジムがUCRに来ていることを告げ、ジ ムがその代役におさまり、結局、当初予定していたIMFの二人の共演にしてしまうところは素晴らしい。
 シナモンはクーローに勝手に台本を変えさせられたと首相に告げ、リハーサルを聞いて欲しいと頼む。早速、首相席でリハーサルを聞く首相は、バーニーの 装置によって変えられた自分を中傷したセリフを聞き、こんな芝居は許せないとしてクーローを葬ってしまうのである。このようなUCRの首相にも独裁者として 危険な要素があるのではと疑問が残るラストシーンである。


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