スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド3



62 独裁宣言 The Elixir
【目的】故大統領の未亡人の野心を粉砕し、その国の民衆に自由選挙を行わせること
【指令】おはよう、フェルプス君。 この女はリヴァ・サンテルといって、サン・コルドバの今は亡き前大統領の未亡人であるが、大統領生存中も政治の実権は 彼女が握り、やがては独裁政権を打ち立てるため、サン・コルドバの民衆に崇拝心を植えつけるべく計画的にその名前と顔を売ってきた女傑である。一方、 3日後にこの現首相代理トーマス・アヴィラが自由選挙の声明を行う予定であるが、それに先駆けてリヴァ・サンテルはテレビ放送を通じて一挙にサン・コルド バの独裁権をその手に収めようとしている。
 そこで君の使命だが、このリヴァ・サンテルの野心を粉砕しサン・コルドバの民衆に自由選挙を行わせることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕 らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音テープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: マックス・ホッジMax Hodge
製作: ロバート・E・トンプソンRobert E. Thompson
監督: ジョン・フロレアJohn Florea
【ゲスト出演】
リヴァ・サンテル:ルス・ローマン(大塚道子)Ruth Roman as Riva Santel
ラウール:モーガン・スターン(滝田祐介)Morgan Sterne as Raoul Lenz
ベルグナー博士:ジョージ・ゲインズ(勝田久)George Gaynes as Dr. Paul van Bergner
トーマス・アヴィラ:アイヴァー・バリー(和田文夫)Ivor Barry as Deputy Premier Tomas Avilla
ディアズ大佐:リチャード・アンガロラ Richard Angarola as Colonel Diaz
セールスマン:アーサー・アイズナー Arthur Eisner as Salesman
役人:コスモ・サルド Cosmo Sardo as Official
カメラマン:マルコ・ロペス Marco Lopez as Cameraman
国境警備:チャールズ・ピサーニ Charles Picerni as Border Guard
若いリヴァ:アイリーン・ケリー Irene Kelly as the Young Riva
【場所】@指令(媒体):特別試写に来たんだとジムが言い、観客席に座り、映像フィルムとオープンテープを聞く
A舞台:サン・コルドバ
【役割】ジム:ベンドレー(演出家)→大統領車運転手
ローラン:ドクター・マーセン(整形外科医師)
シナモン:キャンディー・カールトン(レポーター)→リヴァに変装
バーニー:エド(トランス・アメリカTVのカメラマン)
ウイリー:ジミー(トランス・アメリカTVの照明係)
ベルグナー形成外科医:ドクター・グローリー整形外科助手)
【道具】@TVスタジオ移動車
A大統領車と同じマーク:車に塗装
Bサン・コルドバの歴史書:中に1914年当時の写真としてシナモンが掲載
【削除】(10分30秒)ジムがカメラと照明の指示をし、シナモンはリヴァの化粧のアドバイス
(18分30秒)ローランが屋敷に到着し、ジムが迎い入れる
(44分20秒)リヴァが包帯はいつ取れるかとローランに聞くが、慌てることはないと言われる
(46分20秒)検問所からリヴァが無事国外に出たと聞くアヴィラ
【見所】(05分40秒)リヴァ・サンテルはアヴィラに一緒に手を組もうと言うが拒否される
(13分00秒)ジムがシナモンにもってもらわないと困ると言い、不思議そうに聞くリヴァ
(15分50秒)本を見てシナモンが70歳以上ということを知るリヴァ
(18分50秒)シナモンがドクター・マーセンと思ってドアを開けると、老け顔をリヴァに見られる
(27分00秒)バーニーが演台にいるところをラウールに見つるが、コンデンサの交換と言い逃れる
(30分50秒)リヴァの演説の録画撮りが始まり、バーニーも盗み撮りを開始する
(34分30秒)リヴァの整形手術が始まる
(41分20秒)予定よりも2時間も長く、麻酔が覚めずに眠っているリヴァを心配するラウール
(43分10秒)バーニーが金庫を開けてフィルムをすり替える
(47分10秒)演説放送に驚くリヴァと喜ぶアヴィラたち
(48分20秒)リヴァがアヴィラに文句を言うが、リヴァとは気づかず警備兵に放り出せと指示する
【疑問点】@リヴァに変装したシナモンは全然似ていないし、声もシナモンのままだった
【粗筋】リヴァ・サンテルの野望は二つ、権力と永遠の美貌だ。IMFはその両方から攻めていくのである。リヴァの夫の筆跡をまねて、TV局のドキュメンタリー 番組の取材という触れ込みでジム、シナモン、バーニー、ウイリーが官邸に入りこむ。書斎で撮影を始めるものの、シナモンは気分が悪くなり部屋に戻ってし まう。本でシナモンが70歳以上であることを知るリヴァは興味を示す。その後、薬の切れたシナモンの顔を見て、リヴァは理由を言わないと撮影に協力しな いと言い、すべてのカラクリを知るのである。そして、リヴァの整形手術は翌日ということに決まる。バーニーはリヴァの演説の録画を盗み撮りする工作をす る。演説の録画撮りを終え、ラウールが金庫にフィルムを入れる際にダイヤル番号をバーニーは控え、フィルム編集を始める。翌日、ベルグナー医師が到着 し、官邸内の手術室でローランはリヴァを眠らせてから整形手術を始める。一方、シナモンはリヴァに変装し、ジムの運転する大統領車に乗って国外に出る。 そして、アヴィラに6時に官邸に行くようにシナモンは電話を入れる。バーニーは金庫内にあるフィルムを自分の編集したフィルムとこっそりすり替えるのだ。 全身麻酔を大目に投与されたリヴァは、演説放送の6時直前になってやっと目が覚める。そして、TVでの自分の演説を見て、すべての公職から身を引くとい う内容に驚くのだ。それを見たアヴィラたちは喜ぶのである。さらに、顔に巻かれている包帯を取ったリヴァは自分の姿に驚き、階下にいるアヴィラに文句を言 うのだが、誰もそれがリヴァとは気がつかず、あの女を放り出せと警備兵に指示するアヴィラだった。
【解説】「独裁宣言」では本シリーズ初めて女の悪漢が主人公として登場する。IMFも今までとは一風変わった作戦を選択し、これがものの見事にはまって 視聴者も皆があっと驚くような結末になり、見終わった後もしばらくはその余韻が残るほど衝撃的なものとなった。それは相手が女だからこそ使えた作戦と言 える。
 前大統領との約束としてローランを除くIMFはリヴァ邸に入り、ドキュメンタリー番組の取材を装う。途中でシナモンの調子が悪くなって休憩となるが、書物 の内容からシナモンが70歳以上であることに気づくリヴァは興味を持つ。ローランがシナモンの専門医としてやってきて、皺くちゃになったシナモンの顔を見 てしまったリヴァは、カラクリを知って自分もその整形手術を受けると言い出す。そして、手術は翌日に行われることに決まる。
 テレビの独裁宣言の録画撮りが行われ、バーニーはその様子を別のカメラで盗み撮りをする。そして、編集をして金庫の中に保管されている本物とすり替 えてしまう。翌日、リヴァの整形手術が行われ、IMFは麻酔の量を多めに投与してテレビ放送の時間まで眠らせてしまう。そして、リヴァが国外に出たことを シナモンが演出する。
 テレビ放送の直前に目が覚めたリヴァは、放送を見ると独裁宣言でなく引退宣言になっているのに驚き、包帯を取って鏡を見ると、自分の顔になっていない のに2度驚く。階下にいる首相に文句を言うリヴァだが、誰もその顔がリヴァとは気づかずに、放り出されてしまうのである。結局、リヴァはIMFによって権力と ともに自分自身の顔も奪われてしまうという結果になった。IMFがリヴァに与えた顔は老けて不美人なものでなく、若くて美しく魅力的なもので、これがせめ てもの救いというものであろう。


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