| スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
 
 
 
 エピソードガイド3  
 
 
          
            
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                          | 65 欺瞞作戦 The Mind of Stefan Miklos |  |  
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                          | 【目的】敵国のトップスパイに偽の情報を本物だと信じさせること 【指令】おはよう、フェルプス君。 今君が見ているのはウォルター・タウンゼンドといって我が国の高級諜報官であるが、最近になって彼が敵のスパイだとい うことが分かった。このため我々は、タウンゼンドに敵にとって極めて不利な偽の情報を掴ませるべく工作したのであるが、あいにくその男、タウンゼンドのア メリカにおけるたった一人の連絡員シンプソンが、情報の偽りであることを見破りタウンゼンドが裏切ったと本国の上層部に報告したのだ。シンプソンのタウン ゼンドに対する妬みを計算に入れながらも、上層部は偽であれ本物であれ、情報の余りの重大さに、トップクラスの諜報官ステファン・ミクロスを派遣して真偽 を調査することになった。
 そこで君の使命だが、ステファンに、タウンゼンドの情報が本物だと信じさせることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺され ても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
 【スタッフ】
 脚本: ポール・プレイドンPaul Playdon
 製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
 監督: ロバート・バトラーRobert Butler
 【ゲスト出演】
 ステファン・ミクロス:スティーヴ・イーナットSteve Ihnat as Stefan Miklos
 ウォルター・タウンゼンド:ジェイソン・エヴァースJason Evers as Walter Townsend
 シンプソン:エドワード・アズナーEdward Asner as George Simpson
 オーナー:ヴィック・ペリン Vic Perrin as Owner
 ヴィンセント:ジョー・ブリーン Joe Breen as Vincent
 クーパー:アルランド・シューベルト Arland Schubert as Cooper
 【場所】@指令(媒体):門をあけて奥の部屋にあるオープンテープレコーダーを聞く
 A舞台:ある敵国
 【役割】ジム:ガス会社社員→ウイロビー
 ローラン:ステファン→シンプソン
 シナモン:マーシャル
 バーニー:ガス会社作業員→モンド&ウィリアム証券社員
 ウイリー:ガス会社作業員→警備員
 【道具】@ガスの臭いのする器具
 A隠しマイク:タウンゼンドの電話機の受話器に仕掛ける
 B金庫のダイヤルを探る機器:正しい番号に合わせると赤いランプが点灯
 C探知機:仏像の位置を探る
 【削除】(22分50秒)個人的な干渉はするなとステファンはローランに言って去る
 (35分30秒)シナモンが空港のロッカーをいじるところを見るヴィンセント
 【見所】(09分20秒)仏像の下から秘密書類を取り出し、ローランの書類と入れ替える
 (12分20秒)シンプソンの店でフラミンゴと白鳥のガラス細工を注文するローラン
 (18分40秒)ローランはシンプソンのことがアメリカにばれていると言って連れ出す
 (24分00秒)ステファンは金庫を開け、書類やステファンと一緒の写真、シナモンの写真を見つけ出す
 (31分00秒)シンプソンはタウンゼンドをホテルの部屋に呼び、お互いにさようならと言う
 (36分50秒)ステファンはロッカーからパスポート等を見つけ、タウンゼンドが裏切ったと思う
 (39分40秒)パスポートと航空券を見せ、シナモンとタウンゼンドに銃を突きつけるステファン
 (41分00秒)絵とマッチに気づかず、頭が鈍くなったかとジムがステファンのことを心配する
 (43分50秒)画廊のビデオテープを見てシナモンの姿を確認するステファン
 (48分00秒)タウンゼンドの秘密核兵器協定の情報は本物と認定するステファン
 【疑問点】@ステファンが本国に戻ってからその先の皮肉な運命については劇中では語られていない。
 【粗筋】ステファンは、計算高く無慈悲で欠点が見当たらず、IMFは入念で複雑な作戦を展開する。画廊に仏像が朝10時に届き展示される。ジムはガス会 社社員に扮して画廊主人にガス漏れが起きていると伝え、バーニーとウイリーを派遣し、仏像の下から板を剥がして仏像の中の書類を入れ替えるのである。 ローランはステファンに扮し、タウンゼンドが裏切ったという情報を提供したシンプソンの店に情報の裏づけということで訪れる。そして、アメリカにすべて知ら れてしまっていると告げ、シンプソンはジムとともにホテルに向かう。その後、ローランはシンプソンになりすまし、ステファンと会いタウンゼンドが裏切ったとい う情報は個人的な恨みからということにしてしまう。調査のためタウンゼンドの部屋を見たステファンは、金庫の中から書類や、ステファンと一緒に写っている 写真、シナモンの写真を見て、鍵二つの型を取る。シンプソンはタウンゼンドを部屋に呼び出し、お互いにさようならと言って別れる。一方、シナモンをつけて いたヴィンセントより空港のロッカーの鍵と知らされる。ステファンは空港に出向き、タウンゼンドとシナモンにパスポートと航空券を見せ、銃を突きつけるが、 シナモンが騒いだためステファンとヴィンセントはタウンゼンドを連れて部屋に戻る。タウンゼンドの話を聞くステファンは、タウンゼンドが罠にはめられたことに 気がつく。問題はシンプソン(ローラン)の方にあり、背後にはアメリカ人が絡んでいると睨んだステファンは、再度シンプソンの店を訪れ、ウイロビー(ジム)に 会うのである。ステファンは二人の前では、情報は正しいと言ってみせ、車に戻ってからタウンゼンドに秘密核兵器協定に関する最初の情報は正しいと断定 するのである。それにしても、この作戦を考えた敵のリーダーに会ってみたいと漏らすステファンに、タウンゼンドがシンプソンら二人の運命について聞くと、ア メリカ側も黙ってはいないだろうと言うのであった。
 【解説】「二重スパイをでっちあげろ!」では、本物の情報が敵に渡ってしまい、その情報を偽物と思わせる作戦であったが、今回は、偽物の情報を敵に渡し てその情報が本物ということを敵に思わせなければならない。ただでさえ論理的な難しいストーリーであるのに、さらに、IMFのトリックを敵に見破らせるとい う新しい手法を採用したため、注意深く見ていないと、何が何だかわからなくなってしまう程難解な仕上がりになっている。IMFは敵のトップスパイに絵とマッ チなどのヒントを与え、その矛盾を相手に解かせることを作戦に折り込むのだ。ポール・プレイドンの最初の作でもあり、難解さでは本シリーズ随一であろう。 今日、ソフトの購入やビデオテープの録画により、本エピソードを繰り返し見ることが可能だが、初回放映時にはビデオが一般家庭になかったので、ほとんど の人が内容を理解できなかったのではないかと思えるくらいに奥が深い内容となっている。
 入手した情報の真偽を調査するという設定は、「二重スパイをでっちあげろ!」と同様、今回は、敵側のトップスパイのステファンがその任務を行う役目であ る。ローランはステファンと名乗り、先の情報が偽物だと本国に報告した者であるシンプソンに対して、アメリカにばれてしまったので国外に逃亡するよう仕向 け、ローランがシンプソンになりすましてステファンと接触するのだ。ローランはマスクをつけないで二役をこなすが、全く違うキャラクターをうまく演じている。
 IMFは数々のトリックや策略をステファンに仕掛けるが、途中、ジムがステファンのことを頭が鈍くなったかと心配するシーンがあり、緊張感が増す中、マッ チや写真や画廊における店内ビデオテープなどのヒントから、やっと、ステファンはローランとジムの背後にアメリカ側のスパイの影があるのに気がつく。そし て、ローランの提供した情報が、最初の情報と違うことから、最初の情報は本物と認定するのである。
 ステファンを演じたのは、スパイ大作戦常連の一人であるスティーヴ・イーナットである。鋭い目つきで、人を見下したような威圧的な態度で感情を顔に現さ ない演技は、卓越している。一番印象に残るセリフは最後に言った、"この作戦を考えた敵のリーダーに会ってみたい"であろう。
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