スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド3



67 生体実験 The Test Case
【目的】脳脊髄膜炎を引き起こす培養菌を壊滅し、開発した博士の研究に終止符を打つこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 写真の人物オズワルド・ベック博士はこの度脳脊髄膜炎を誘発する細菌の培養に成功したが、この培養菌を彼ら敵国が量 産し戦場に散布するや、わずか数分にして大量殺戮を招く恐るべきBC兵器となることは明らかである。
 そこで君の使命だが、この培養菌を壊滅し博士の研究に終止符を打つことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当 局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: スットン・ロレイSutton Roley
【ゲスト出演】
オズワルド・ベック博士:デヴィッド・ハースト(早野寿郎)David Hurst as Dr. Oswald Beck
オルニー大尉:ノア・キーン(川辺久造)Noah Keen as Captain Rudolf Olni
ロークナー:リチャード・ブル Richard Bull as Lorkner
ゼピド:ポール・カー Paul Carr as Dr. Zeped
マロフ少尉:ローレンス・ハッドン Laurence Haddon as Lieutenant Marlov
キルシュ将軍:バート・ラルー Bart LaRue as General Kirsch
ストルツ:ラリー・ヴィンセント Larry Vincent as Prisoner Stoltz
ゲートガード:マイク・マスターズ Mike Masters as Gate Guard
【場所】@指令(媒体):Gのメヌエットあるかと聞き、レコード店のリスニングルームでLPレコードを聞く
A舞台:敵国
【役割】ジム:警備員→チューセック軍医
ローラン:生体実験のモルモット
シナモン:インストロン(新聞記者)
バーニー:14号ビルでの工作
ウイリー:偽14号ビルの警備兵
【道具】@気を失う薬
A書類:シナモンがペンを回すと書いてある内容が変わる
B14号ビルの看板:27号ビルの看板の上に貼る
C風船:IMFの用意したガスを吸いこみモニター室に掃き出す
Dブロックの接合部を溶かす薬品
Eブロックを掴む器具:二又になっていてピンセットを大きくしたようなもの
Fスイッチを押すと鉄板が焼き切れるもの
G取っ手状の器具:鉄板を掴む時に使用
H睡眠剤の注射
I培溶液の偽物
J培溶液の容器をした爆弾
【削除】(05分40秒)ベック博士が将軍の前での生体実験の件をオルニー大尉と話す
【見所】(16分00秒)オルニー大尉がローランは偽物とジムに告げる
(22分10秒)シナモンがロークナーに電話した隙にバーニーは部屋より脱出する
(25分40秒)将軍らが見物している前でローランが実験室に入れられる
(29分10秒)ベック博士の培溶液のボンベとIMFの用意したボンベをバーニーがすり替える
(36分20秒)ローランの心停止が確認され、赤外線ランプが消されて換気扇が回される
(40分20秒)ジムが風船のボタンを押し、ガスをモニター室に掃き出させて将軍らを眠らせる
(43分20秒)銃殺よりも50万ドルがいいからなと培溶液のスイッチを押すベック博士
(46分10秒)ジムが培溶液を持っていると言うと、警備兵より射殺されるベック博士
(47分50秒)ジムが起爆装置を押すと培溶液が爆発して壊滅状態になる
【疑問点】@モルモットになる人間を運んできた護送車の運転手は、ジムに14号ビルはどこかと訪ねるが、初めて来たのだろうか?
【粗筋】シナモンは新聞記者としてベック博士に50万ドルの話を持ちかける。会話の内容を盗聴していたオルニー大尉は二人の話の最中に顔を出す。ジム は実験台になるモルモットを27号ビルに監禁し、代わりのモルモットとしてローランを14号ビルに連れていく。オルニー大尉より200人から選んだ人物と違 うと指摘され、ジムはその人物は自殺してしまい、代わりの者を連れてきたと弁解する。その後、ジムは男と女がベック博士に50万ドルで買収しようとしてい る動きがあることをオルニー大尉に伝える。バーニーが実験室の細工をした後、将軍らの目の前でローランは実験室に入れられる。バーニーはブロックを取り 外し、ベック博士が作った培溶液の容器とIMFの用意してきた容器をすり替え、ガスの注入が始まるとローランは薬を飲んで、心臓は痙攣を起こして心停止 するのである。そして、ベック博士が成功報酬20万フランを受け取ろうとすると、オルニー大尉は解剖の結果培養菌で死んだことがわかればお金を支払うと 横槍を入れる。ジムは解剖すると言ってモニター室を離れ、風船のスイッチを押すと、モニター室の将軍、オルニー大尉らが倒れてしまう。そして、ジムが博 士の意図を皆暴露すると言うと、ジムに銃を向け培溶液を持って逃げようとするのだ。途中でバーニーが容器をすり替えるが、ベック博士はシナモンに電話し て50万ドルの話に乗ると返事して研究所を出ようとしたところ、警備兵がやってきて、ジムが培養菌を持っていると叫ぶと、ベック博士は射殺されてしまう。 その後、ジムは培溶液の容器と同じ形をした爆弾を残りの培溶液のあるところまで送り、起爆装置を押してすべて燃やしてしまうのだった。
【解説】この「生体実験」は細菌兵器をテーマにしたもので、第4シーズンの「麻薬 B−230」でも同様のテーマが扱われるが、B−230は化学兵器である 点が大きく違う。ストーリー全体に閉塞感が漂い、暗くて不吉な雰囲気が充満しているのは、恐らく、撮影されたセットの功績であろう。
 IMFの取った作戦は、細菌兵器を培養するベック博士に50万ドルでスカウトするという金欲をそそるような話をもちかけ、モルモットをローランに仕立てて細 菌兵器をすり替える。そして、実験中にローランが死んだと見せかけて、IMFの用意したガスを実験室で見物していた上層部に対して放出し、皆眠らせてし まうのである。これで、ベック博士はまずい立場に立たされ、シナモンの儲け話に乗ったところを、ジムが培養液を持っていると叫ぶと、警備兵はベック博士を 射殺してしまうのだ。
 仕上げとしてIMFは、培養液と同じ容器の形をした爆弾を培養液の保管してある場所まで送り、爆破と同時に培養液をすべて燃やしてしまうのであった。 第1シーズンの「戦慄のスパイ養成所」では、ペスト菌の培養液の入った容器の蓋を開けて、菌を殺す薬をスポイトで1滴ずつ垂らしたのとは対照的である。 また、作戦的にも今回の方が見ている方にもすっきりする内容だ。


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