スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド3



68 奴を証人席へ! The System
【目的】シンジケートのボスの殺人容疑有罪の証言を賭博場経営者である友人にさせること
【指令】おはよう、フェルプス君。 その男は名前をコンスタンティン・ヴィクターというが、仲間内では「ミスターV」で通っているシンジケートのボスである。最近 彼は殺人容疑で起訴の運びとなり、保釈の身で公判の開かれるのを待っていたが、昨日検察側の重要証人が殺されるに及んで情勢は彼に有利に展開し てしまった。ところがここにもう一人、ジョニー・コスタは「ミスターV」の十年来の友人であるが、その有罪を立証できるのは今やこのコスタだけである。そして そのコスタは目下のところ、シンジケートの一環である賭博場の経営にあたっている。
 そこで君の使命だが、このジョニー・コスタにシンジケートのボス「ミスターV」有罪の証言をさせることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえら れ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分すること。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ロバート・ハムナーRobert Hamner
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: ロバート・ギストRobert Gist
【ゲスト出演】
ジョニー・コスタ:ジェームズ・パターソン(宮部昭夫)James Patterson as Johnny Costa
アーニー:ロバート・ユロ(原田一夫)Robert Yuro as Arnie
コンスタンティン・ヴィクター:ヴァル・アヴェリ(納谷悟朗)Val Avery as Constantine Victor
マルコス:ピーター・マルコ Peter Marko as Markos
出納係:アート・ルイス Art Lewis as Cashier
ディーラー:トニー・ジョージオ Tony Giorgio as Dealer
ウィルソン:ジョエル・ローレンス Joel Lawrence as Wilson
【場所】@指令(媒体):ある開業医のルームにある引き出しの中で、オープンテープを薬品の中に入れて溶かす
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ビンツ・メイソン(殺し屋)
ローラン:ミスターVの手下の声帯模写→ミスターVの声帯模写→アンダーソン(会計士)
シナモン:トランプで大負けする客
バーニー:金庫室に侵入
ウイリー:電話の細工→殺し屋
【道具】@イカサマダイス
Aネジ開け:格子の内側からあけるもの
B小型ライト
Cウルトラハンド
D金庫のダイヤルの周りにはめる板:ダイヤル番号を探るもの
Eシナモンがスイッチを押すと花瓶が割れる仕掛け:ウイリーが銃を発砲したように見せかける
【削除】(35分00秒)シナモンがチップをくれとトランプのディーラーに言う
(37分50秒)シナモンがトランプで勝ち続ける
【見所】(06分00秒)ジムがダイスで大勝しているので、支配人に用事があると連行される
(17分50秒)コスタの署名を偽造するローラン
(28分20秒)バーニーが金庫室に余分な25000ドルを入れて戻す
(31分30秒)コスタが殺し屋の顔を覚えているかと聞くと、顔を覚えてると答えるジム
(33分50秒)コスタからの25000ドル借金OKの署名を偽造し、出納係はコスタに確認する
(38分10秒)ジムがコスタに殺し屋が来たと知らせ、ウイリーが逃げ出す
(40分10秒)30000ドルシナモンに勝たせろというメモなどをローランはコスタに見せる
(42分40秒)アーニーがローランを殺そうとするが、ミスターVと電話で話すと寝返る
(46分00秒)コスタがミスターVと直接電話で話しをし、法廷で話そうと伝える
(47分50秒)コスタが金庫室に入り部屋をロックして警察を呼ぶ
【疑問点】@ミスターVの声をレコードにローランは録音するが、テープレコーダーでもよかったのでは?
【粗筋】ジムはコスタに接触するために、賭博場でイカサマダイスを使って大勝ちし、コスタに会うことになる。ジムはある者からコスタ殺しを頼まれたと言うの である。シナモンはトランプで大負けして、コスタにお金を貸してほしいと持ちかけ、500ドル借金許可の署名を入手し、ローランは署名の偽造を練習する。一 方、バーニーは賭博場の金庫を開け、25000ドルもの余分なお金を袋に入れ、また金庫の中に戻すという工作をする。ローランはミスターVからの依頼とい うことで、会計士として派遣されたという触れ込みである。早速金庫の中にある金の勘定をすると、25000ドル余分に入っていることをローランはコスタに指 摘する。心配になったコスタはジムを呼び出し、賭博場での見張りを命じ、殺し屋が来たら知らせろと指示するのだ。シナモンはコスタから250ドルの借金の 許可をもらうが、これを25000ドルに偽造して借りてしまう。さらに、トランプのディーラーにシナモンに30000ドル勝たせろというコスタの署名を偽造したメモ を手渡し、30000ドルシナモンは勝たせてもらうのだ。その後、ジムはミスターA(ウイリー)が現れるのを見て、コスタに殺し屋が来たと知らせ、皆で追いか けるが見失ってしまう。ローランはコスタを呼び25000ドルの借用許可とシナモンに30000ドル勝たせろというメモを見せる。これに対して、コスタはアーニ ーらにローランを殺すように指示するが、ローランがミスターVと電話しているのを見てためらい、ローランは電話をアーニーに替わり、ミスターVの声を録音し たレコードを聞かせる。そして、コスタの後釜に据えると言われ、アーニーは心変わりしてしまうのだ。ローランはコスタを追いつめ、コスタはミスターVに直接 電話して確かめるが、ぎこちない返事に返って不信感が募り、コスタは法廷で話そうと言って切ってしまう。そこをローランとウイリーがコスタに向かって発砲 し、コスタはうまく金庫室に逃げ込むことができ、さらに、金庫室をロックしてしまい、法廷で会おうと言って警察を呼ぶのであった。
【解説】「奴を証人席へ!」では、ターゲットの殺人容疑者にIMFは直接制裁を下すのではなく、その殺人容疑者と仲がよい手下をそそのかし、裁判の有力な 証人に仕立てるという任務である。「処刑作戦」で取った構図とよく似ているものの、作戦は全く違うものを採用している。もちろん、二人の関係に亀裂を生じ させるという原則は変わらない。このエピソードは「新スパイ大作戦」において、「バハマトラップ」という邦題でリメイクされた。
 このエピソードではカジノシーンが登場するが、いつもと違ってカジノを利用してIMFが大金を掻っ攫うというシーンがなく残念である。今回、ギャンブルの達 人ローランは、ミスターVの依頼でカジノ経営者であるコスタの会計士という役割で登場し、カジノシーンに全く絡まない。ジムがイカサマダイスで大儲けした り、シナモンのイカサマメモを使ってトランプで勝つシーンがあったりするが、スケールがいつもより小さい。
 一方、バーニーは通気孔からウルトラハンドを使って、金庫を開けて現金の入った袋を取り出し、その中に2万5千ドルを入れて戻すという工作をする。ここ のところの描写は特殊カメラを使ってリアルに描かれている。そして、ローランの検査で現金の合わないことやシナモンに与えたメモが指摘され、コスタは窮 地に追い込まれる。コスタは手下にローランを殺すように指示するが、偽装したミスターVの声を聞いて、自分がコスタの後釜に座るとわかった手下も寝返っ てしまう。
 コスタを狙ったウイリーも登場して、さらに、コスタは追いつめられる。そして、直接電話でミスターVと話をするコスタは、ミスターVのぎこちない返事に不信 感が増して、とうとう、"法廷で会おう"と口にしてしまうのである。そこから後の展開は、とどめを刺すもので、コスタに大きな決意を揺るがせないものにすると いう効果があったと思われる。


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