スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド3



71 プルトニウム240 Doomsday
【目的】盗まれたプルトニウムを奪い返し、盗んだ人物を叩き潰すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 写真の人物はカール・ヴァンダムといって、ヨーロッパ工業界における巨頭であるが、事業に手を伸ばしすぎて目下破産の 危機に瀕している。財政建て直しの金を得るため、ヴァンダムはさる方面からプルトニウム240を盗ませ、それで水素爆弾を製造、入札によってこれを売ろう としており、もし血の気の多い小国が手に入れてこれを使おうものなら、第三次世界大戦にもなりかねない。
 そこで君の使命だが、プルトニウムを奪い返し、ヴァンダムを叩き潰すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局 は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: ジョン・モクセイJohn Moxey
【ゲスト出演】
カール・ヴァンダム:アルフ・ケリンAlf Kjellin as Carl Vandaam
クーラ:アーサー・バタナイズArthur Batanides as Kura
ドクター・トーゲン:ウェスリー・ロウ Wesley Lau as Dr. Thorgen
ドクター・リュー:フィリップ・アン Philip Ahn as Dr. Liu
ウー将軍:キィー・ディー Khigh Dhiegh as General Wo
ヘルム:アーサー・ペターソン Arthur Peterson as Helm
警備主任:スコット・ウォーカー Scott Walker as Chief Guard
受付警備:ジョシュ・アダムズ Josh Adams as Reception Guard
マルコ:シド・ヘイグ Sid Haig as Marko
【場所】@指令(媒体):小川の流れている脇にある赤い木箱の中に入っているオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:あるヨーロッパの国
【役割】ジム:コリンズ→造園師
ローラン:カステオ将軍
シナモン:ノリス博士(理学博士)
バーニー:ロウアー商品株式会社社員
ウイリー:デーヴィス(コリンズのボディガード)
【道具】@吊り具とロープ:天井からバーニーがプルトニウムの場所まで降りてくる
Aカバン:小さなアタッシュケースを二つ収納でき、スイッチで片方のケースを落とす仕組み
B偽札:シナモンがボタンを押すと燃えてしまう
【削除】確認できず
【見所】(11分30秒)ジムがクーラに爆弾の都合をつけてほしいと持ちかける
(14分50秒)プルトニウムを見物する入札者一同、2メガトンで広島の100倍の破壊力がある
(23分20秒)325万ドルでウー・将軍が1回目の入札で最高値と発表される
(24分30秒)450万ドルでカステオ将軍(ローラン)が2回目の入札で最高値と発表される
(28分30秒)何者かが侵入したことをトーゲンがヴァンダムに報告し、ビルを閉鎖する
(33分00秒)容器が空だとトーゲンは報告するが、そのまま入れておけとヴァンダムは指示する
(33分40秒)バーニーが704号室からジムに緊急電話を入れ、指示を仰ぐ
(35分30秒)550万ドルでカステオ将軍(ローラン)が3回目の入札で最高値と発表される
(37分50秒)600万ドルでクーラが4回目の入札で最高値と発表され、ローランは降りる
(41分00秒)代金を金庫にしまうヴァンダムにもう一度現物を見たいと言うシナモン
(44分40秒)プルトニウムの検出テストを要求するシナモンにすべてを白状するヴァンダム
(46分30秒)金庫の中の金は燃えてしまっており、クーラはヴァンダムを射殺する
【疑問点】@IMFが用意した300万ドルは多分偽札だろうが、クーラが用意した300万は本物ではないだろうか?
【粗筋】バーニーはヴァンダム工業のビルに入り、エレベーターシャフトに侵入して7階まで行き、そこからワイヤーを昇って屋上に出る。ジムはヘルム銀行に 300万ドルの支払をし、クーラとの会見を要求する。そして、ジムはクーラに爆弾の都合をつけてほしいと持ちかける。その後、競争入札が始まり、ヴァンダ ムは入札者一同をプルトニウムの保管されている倉庫に案内をし、その上の天井でバーニーが待機する。そして、全員が退室すると、バーニーは吊り具を使 ってプルトニウムのある場所まで降り、カプセルを空のものとすり替えるのだ。入札の方は、1回目はウー将軍が325万ドルをつけ、2回目はローランが450 万ドルで最高値をつけるが、明細書を取りにいったトーゲンは何者かが侵入したとヴァンダムに報告してビルを閉鎖し、バーニーは脱出できなくなってしまう。 バーニーは704号室に隠れ、ジムに緊急電話を入れ指示を仰ぐ。空の容器と気づいたヴァンダムは何事もなかったように振る舞い、そのまま入札を続け、3 回目もローランが550万ドルで最高値をつける。そして、4回目は600万ドルでクーラが落とし、ローランが降りたのでクーラの手に入ることになる。早速600 万ドルの代金をクーラはヴァンダムに支払うと、ヴァンダムは金庫に保管するのである。しかし、シナモンはヴァンダムに現物をもう一度見たいと言って容器を 確認し、プルトニウムの検出テストを要求すると、ヴァンダムはプルトニウムが盗まれたと白状するのである。現物をいただく時にお金を払うから金を返せと要 求するクーラに、ヴァンダムが金庫を開けると、中に入っていたはずのお札は燃えてすべて灰になってしまっているのだ。その後、嘘ばかり並べるヴァンダム に切れたクーラは、ヴァンダムを射殺してしまうのだ。シナモンは1階の警備にヴァンダムさんが撃たれましたと連絡をし、警備員が手薄になったところへエレ ベーターから出てきたバーニーが警備員を倒し、さらに外で待機していたジムとウイリーが外にいる警備員を倒して逃げるのであった。
【解説】この「プルトニウム240」では、IMFが水素爆弾をセリによって入手するが、お金を支払った後に水素爆弾が空であることが判明し、返金してもらおう と要求すると金庫の中のお金が黒焦げになっていたという愉快なエピソードである。しかし、途中でバーニーの侵入と工作が敵にばれてビル全体が封鎖され る中、バーニーがエレベーターシャフトを使って逃げ回るシーンは緊張感溢れるものに描かれている。偽札を黒焦げにしてしまうシーンは見る者にとって面白 いので、第4シーズンの「札束廃棄作戦」でもフィナーレで使用されている。
 バーニーは水素爆弾の保管されている部屋の天井から吊り具とロープを使って侵入する。そして、カプセルをすり替えるのだが、天井に昇る時に壁の破片 が落ちたことにより、敵に侵入とすり替えに気づかれてしまう。ビル全体が封鎖されてジムに緊急連絡するが、とりあえず、エレベーターシャフトにバーニーは 隠れる。途中で作戦が敵にばれてしまう展開は久しぶりであるが、スリル感が増すので、今後もシリーズで多用されることになる。
 水素爆弾のカプセルのすり替えに気づいた主催者ヴァンダムは、平静を装ってセリを続ける。ここで、ヴァンダムが事実を正直に落札者に告げていたら、IM Fの作戦もパーになるし、ヴァンダム自身も殺されずに済んだと思うが、運良くヴァンダムが嘘をついてくれたおかげで、IMFの作戦も順調に進む。恐らく、ば れてしまった後のセリ中止時のシミュレーションまでIMFは考えていなかっただろう。
 結局、落札して代金を支払ったIMF組は、シナモンの要求で水素爆弾を検めることになり、ヴァンダムは水素爆弾が盗まれたことを白状するが、金庫の中 の現金が黒焦げになっていたことにより、IMFのビジネスパートナーにより射殺されてしまうのである。


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