スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド3
72 地下百メートルの円盤(PART 1) The Bunker (Part 1)
73 地下百メートルの円盤(PART 2) The Bunker (Part 2) |
|
【目的】敵に捕らえられている博士夫妻を救い出し、試作ミサイルを破壊すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 君が今見ているのはロジャック博士といって、敵性全体主義国家の地下研究所に閉じこめられている天才的科学者であ る。目下博士は、妻アンナを人質に捕られているため、やむなく小形ながら強力な遠距離ミサイルの試作を強いられており、それの完成は東西勢力の均衡を 大きく崩す危険をはらんでいる。ミサイル完成を恐れるのは我々だけではなく、某仮想敵国もプロの殺し屋ヴェントロスを送って博士の仕事をくい止めようと謀 っている。
そこで君の使命だが、ロジャック博士夫妻を救い出し、試作ミサイルを破壊することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺さ れても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ポール・プレイドンPaul Playdon
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: ジョン・モクセイJohn Moxey
【ゲスト出演】
ゼグラー大佐:デヴィッド・シャイナー(川合伸旺)David Sheiner as Colonel Ziegler
アンナ・ロジャック:リー・メリウェザー(平井道子)Lee Meriwether as Anna Rojak
ロジャック博士:ミルトン・セルツァー(横森久)Milton Selzer as Dr. Erich Rojak
プレイドー大尉:ジャック・ドナー(家弓家正)Jack Donner as Captain Praedo
ストラット少佐:ジョージ・フィッシャー George Fisher as Major Strat
ドクター・ドロム:ジョージ・スペルダコス George Sperdakos as Dr. Dromm
ヴェントロス:レイ・バクスター Ray Baxter as Alexander Ventlos
ドクター・タバー:ジーン・ベントン Gene Benton as Dr. Taber
少佐:ポール・ルカサー Paul Lukather as Lieutenant
将軍:マーティン・コズレック Martin Kosleck as General
レポーター:ジャーク・デンベックス Jacques Denbeaux as Reporter
エレベーター警備:ウォルター・アルツマン Walter Alzman as Elevator Guard
軍曹:ブルース・マース Bruce Mars as Sergeant
【場所】@指令(媒体):噴水の前に停めてある車のダッシュボードにあるテープカートリッジを聞く
A舞台:敵性全体主義国家
【役割】ジム:トーボルト少佐
ローラン:ドクター・デバリー
シナモン:ナージャ・プラディスローサ少佐→アンナに変装
バーニー:地面に爆弾を仕込む→情報の伝送→円盤のコントロール
ウイリー:外壁の塗装工(アンナ救出)
【道具】@円盤:リモコンで操作
A注射:心臓発作の症状を起こす
B爆薬と起爆装置
C薬品探知機:研究所にいる者全員に付ければ侵入者を防げるというが、実は注射の薬品
D吊り具:電動でロープを下に降ろしたり、上に上げたりする
E泡状の液:警報装置を効かなくするスプレー
【削除】(前12分30秒)ドロムがロジャックに何か手伝うことは?と聞くとコーヒと答える
(28分50秒)ゼグラー大佐よりプレイドー大尉が呼ばれる
(後16分30秒)ジムがゼグラー大佐にアンナを研究所に残すことを提案し受け入れられる
(20分50秒)バーニーが円盤の最大の難所はシャフトの電波が届きにくいところと言う
(35分30秒)ロジャックが寝言でアンナと言うのを聞き、ローランは大佐に誰のことか聞く
【見所】(前15分30秒)ヴェントロスがプレイドー大尉を殺害して大尉になりすます
(20分30秒)IMFの仕掛けた爆薬が爆発し、ゼグラー大佐らの車を襲う
(28分30秒)ゼグラー大佐はトーボルト少佐を本部に照会し、バーニーが情報を伝送する
(32分30秒)ジムがシナモンのことをナージャ・プラディスローサではないと証言する
(38分40秒)ジムが円盤をダクトに設置する
(44分00秒)ドロムの言うことを拒否するロジャックに、アンナを連れてこいと言うゼグラー大佐
(47分10秒)シナモンが逃げたことがわかり、隅から隅まで探せという指示が出される
(48分30秒)焼却炉に侵入したウイリーとアンナが昇ろうとしている時に下で火が付けられる
(後07分10秒)ここまでは前編の粗筋、ここから後編スタート
(14分10秒)ゼグラー大佐がアンナを銃殺しようとし、ジムが二人で考えさせればと提案する
(19分20秒)注射液を混合して円盤に取り付け、バーニーに行こうと合図するジム
(24分30秒)円盤がシャフトの一番深いところでコントロールを失い落ちてしまう
(30分10秒)円盤がロジャックの元に到着し、注射器を取って通気孔をネジで塞ぐ
(32分40秒)ロジャックが注射器を打ち、心臓発作で倒れる
(37分00秒)プレイドー大尉がローランを倒し、ローランの顔にゼリー状のものをのせる
(41分50秒)何の薬だローランと聞くジムは仮面であることを見抜き、ヴェントロスだと叫ぶ
(43分10秒)ヴェントロスは射殺されるが、燃料の混合が目茶苦茶になり爆発すると判明する
(47分40秒)四人が洞穴から出たところで基地は大爆発を起こす
【疑問点】@円盤がダクト内を移動中、ピアノ線のような物が一瞬見えるが何だろう?
【粗筋】地下百メートルにある巨大軍事基地に二段目ロケットが運び込まれ、ロジャック博士に今日中に完成させろとプレイドー大尉は命令する。ロジャック博 士は密閉された研究室に監禁され、ロケット開発を強要されるが、反抗的な態度を示して作業もなかなかはかどらない。将軍も交えた会議において、ゼグラ ー大佐はミサイルの開発状況について報告するが、ロジャック博士の非協力的態度により遅延が出ていると理由づける。これに対して将軍はこれ以上の遅 延は許さないと釘を刺す。敵のスパイであるヴェントロスはプレイドー大尉を殺してすり替わる。一方、IMFは仕掛けた爆薬を爆発させてあたかもゼグラー大 佐の車を銃撃したように見せるのである。ジムの車が被害となり、トーボルト少佐として迎い入れられる。ジムはヴェントロスが侵入したとゼグラー大佐に伝 え、先程の襲撃もヴェントロスの仕業と告げる。そして、シナモンを本物のナージャ・プラディスローサではないと言い、やはりヴェントロスの一味だと指摘する のだ。シナモンはロジャック夫人のアンナがいる向かいの監房に入れられる。その後、ウイリーが煙突からロープを使って警報機をスプレーで効かなくしてシ ナモンを監房より出し、アンナの監房に入るのだ。シナモンがアンナに変装し監房に残り、ウイリーはアンナを連れて監房から脱出する。焼却炉から二人は 入り、ロープで上に昇ろうとしている時に、掃除夫によって焼却炉に火がつけられてしまう。
ウイリーとアンナは間一髪煙突から出て、屋上から吊り足場に降りる。ロジャックが思うように仕事をしないため、ロジャックの前でアンナを殺害しようとする ゼグラー大佐をジムが止め、アンナと二人で考えさせる時間を与えた方がいいと提案する。そして、中に入ったシナモンはロジャックにアンナでないと気づか れるが、助けにきたから仕事を続けるように諭し、ロジャックはゼグラー大佐に仕事を続けると言うのである。ジムは脱走事件があったばかりなので、アンナ (シナモン)を研究所に残した方がいいと提案する。ウイリーとアンナはバーニーのいるトラックに逃げ込み、ジムは薬の調合を終えて円盤に取りつけてバー ニーに合図する。バーニーは円盤の遠隔操作を行い、ロジャックの元に届け、その後、ロジャックは円盤についている注射を打って倒れてしまう。軍医は心臓 発作で詳しいことはわからないと言い、大佐はロジャックに死なれては困るので、その道の権威を呼ぶことになり、ジムはデバリーがいいと言う。そして、デ バリー(ローラン)がすぐ駆けつけ、手術の必要があると診断して病院に運ぶ前にライフサポートの準備をすると言い、部屋に入ったところをプレイドー大尉(ヴ ェントロス)に襲われてしまう。そして、ヴェントロスはローランの顔にゼリー状のものをのせてマスクを作り、ローランになりすますのだ。しかし、ローランの様 子がおかしいと気づいたジムはマスクであることを見破り、ヴェントロスだと叫んで銃撃戦になる。しかし、ヴェントロスは射殺されるものの、燃料の混合を目 茶苦茶にされて基地が大爆発することになり、基地内全員が避難に慌てる中、ジムはゼグラー大佐を殴り倒し、さらに、ドロムを研究室に閉じ込めてしまうの だ。その後、エレベーターで地上まで100メートルを昇ろうとするジム、ローラン、シナモン、ロジャック博士の四人である。そして、四人が洞穴から出た途端、 基地が大爆発炎上するのであった。
【解説】このエピソードでは、リモコンで動く小さな円盤が登場して、視覚的にも楽しめる。残念ながら、円盤が本当にリモコンで動いていないシーンも見られ、 ピアノ線が見えてしまうのはいささか興ざめしてしまう。しかし、冒険物としてのストーリー展開は、二部構成ということもあり内容が濃く、また、娯楽性も強く 出ていて劇場公開用にも使えそうな素晴らしい出来に仕上がっている。
敵に拉致されミサイルの完成を強いられるロジャック博士と妻のアンナを救出するためにIMFの取った作戦は、シナモンが身分を偽って逮捕されて監房に 入れられ、ウイリーが煙突から侵入後、シナモンがアンナに変装してウイリーがアンナを煙突から救助する。アンナを演じるのは、第4シーズンでシナモンの 代役トレーシーとして活躍するリー・メリウェザーというのは意外や意外である。
博士が気乗りしないので、いらつくゼグラー大佐は博士の前でアンナ(シナモン)を殺そうとするのを、ジムが巧みに提案して二人で相談する時間を与える。 アンナでないことに気づく博士だが、助けにきたというシナモンを信用し、シナモンは円盤の件を伝える。そして、ジムの合図によりバーニーが薬を積んだ円 盤を操作して、博士のいる部屋まで送るのだが、途中で電波が届きにくい地点で円盤がコントロールを失うなどすんなりとはいかず、見ている方もハラハラす る。
円盤から注射器を取った博士は、隙を見て腕に打ち心臓発作を起こす。処置に困った大佐にジムは心臓外科の専門医のローランを呼ぶ。敵のスパイも既 に侵入しており、ローランを倒してローランのマスクを被るという皮肉なシーンがあり、ジムはこれを見破って敵のスパイは射殺されるが、燃料の混合を滅茶 苦茶にされて基地がやがて大爆発することが判明する。敵のスパイによりIMFのメンバーが変装されるのは、本シリーズ初めてのことである。
大佐らを殴り倒し、ジムら四人がエレベーターに乗って地上まで100メートルも昇らなければならないが、エレベーターのスピードが鈍くて、爆発時間まで 刻々と迫っており、見ている者にはドキドキものである。やっとの思いで地上に脱出した四人の背後には、大爆発する基地の姿が浮かび上がるのであった。 |
|
|
Copyright (c) from 2001 BONBEL
|