スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド4



94 死人に口あり The Amnesiac
【目的】核兵器の燃料であるトレヴァニウムの隠し場所を突き止め、これを奪回すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 二年前、トレヴァニウムとして知られるアイソトープがわが国から盗み出された。トレヴァニウムは核兵器の原料であるが、 格段にコストの安い核兵器を開発できるがため、各国がこれに目をつけている。このトレヴァニウム盗み出しの工作にあたった者は、まずオットー・シルフ、ポ ール・ヨハン少佐、そして二人の上官でありその国の保安長官であるアレックス・ヴォルダー大佐の三人である。
 そこで君の使命だが、トレヴァニウムの隠し場所を突き止め、これを奪回することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されて も当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ロバート・マルカム・ヤング&ケン・ペットスRobert Malcolm Young and Ken Pettus
原案: ロバート・マルカム・ヤングRobert Malcolm Young
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
モニク:ジュリー・グレッグJulie Gregg as Monique
アレックス・ヴォルダー大佐:アンソニー・ザーブAnthony Zerbe as Colonel Alex Vorda
ポール・ヨハン少佐:スティーヴ・イーナットSteve Ihnat as Major Paul Johan
オバー:リザベス・ハッシュ Lisabeth Hush as Alena Ober
ポルツィン:トニー・ヴァン・ブリッジ Tony Van Bridge as Erhard Poltzin
TV報道官:ブルース・キルビー Bruce Kirby as TV Newsman
警備:クルト・グレイソン Kurt Grayson as First Guard
警備:フィリップ・ネモン Philippe Nemonn as Second Guard
アシュバウ:ヴィクター・ポール Victor Paul as Jack Ashbough
ブラック:ジェリー・スパイサー Jerry Spicer as Black
【場所】@指令(媒体):ビリヤード場の台があるところにあるオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:ある国
【役割】ジム:アントン・ルーミン博士
パリス:ステファン・デンカー(画家)
バーニー:ロッカーに隠れて資料室に侵入→D倉庫に侵入
ウイリー:ロッカー納品係→ドクター・ウィサート→D倉庫に侵入
モニク:エリカ・クルーゾン(バーでのピアニスト)→ドーカム将軍の妻
【道具】@三段ロッカー:バーニーが中に隠れている
A盗聴機:モニクの家に設置
【削除】(18分40秒)指紋が一致すると大佐がパリスに言う
(25分10秒)ジムが大佐の前でパリスに過去を思い出させようと催眠療法を施す
【見所】(06分10秒)ロッカーの中にいたバーニーがオットー・シルフのファイルに細工する
(11分20秒)パリスは肖像画をお近づきの印としてオバーにプレゼントする
(15分50秒)ヴォルダー大佐とヨハン少佐にモニクは呼ばれ、デンカーは顔に怪我したと証言する
(22分10秒)ポール・ヨハン少佐がモニクの家で待っており、ライターが偽物だと銃を突きつける
(33分00秒)ポール・ヨハン少佐はモニクにトレヴァニウムの隠し場所を告げる
(38分30秒)モニクの車とトラックが衝突し、その隙にバーニーとウイリーが倉庫に侵入する
(41分20秒)大佐がポール・ヨハン少佐に隠し場所がわかり、生物化学兵器研究所に来るよう言う
(47分50秒)大佐がポール・ヨハン少佐を射殺する
【疑問点】@トレヴァニウム入りの大きな玉をどうやって国外に運び出したかは劇中では語られない。
【粗筋】ポール・ヨハン少佐はトレヴァニウムの窃盗の後、トレヴァニウムを隠してヴォルダー大佐の策略を妨害し、オットー・シルフを殺害してその責任を彼に なすりつけたのである。ウイリーが納品した三段式ロッカーにはバーニーが隠れており、資料室でオットー・シルフのファイルを細工する。ナイトクラブでは、オ バーとポール・ヨハン少佐が"夜の影を越えて"の曲を弾くピアニストのモニクに興味を持ち、画家のデンカー(パリス)と出会う。オバーは絵のタッチとライター などからデンカーがオットー・シルフではないかとヴォルダー大佐に話す。そこでモニクよりデンカーは顔に大きなやけどを負い整形手術をしたことを知る。担 当医であるウィサート(ウイリー)に問い合わせると、1年半の間に5回も手術したことを聞き、パリスを呼ぶのだ。ファイルにあるオットー・シルフの指紋と照合 すると一致し、問い詰めるのだが本人は記憶がないと答える。そこで、精神科医師のアントン・ルーミンが担当医ということがわかり、ジムを呼ぶのだ。一方、 ポール・ヨハン少佐はモニクの家の中で待ち伏せしており、ライターが油ではなくガスであることを指摘して銃を突きつけるが、モニクはシルフの仲間をずっと 探していたと言う。ジムは催眠療法でパリスの記憶を引き出そうとするが、ポール・ヨハン少佐が入室すると、お互いに怪しげな顔つきを見せるのである。ポ ール・ヨハン少佐の話から第四生物化学研究所のD倉庫にトレヴァニウムがあることを知ったIMFは、モニクの車とトラックを衝突させ、その隙にバーニーとウ イリーが倉庫に入って、トレヴァニウムの入っているタンクをトラックに積み込み、偽のタンクを置いていく。パリスの口から聞いたヴォルダー大佐はポール・ヨ ハン少佐にD倉庫に来るように伝え、来たところを射殺してしまうのであった。
【解説】「死人に口あり」に登場する「トレヴァニウム」という核兵器の原料は現存しない。IMFによって葬り去られてしまった原料のうちの一つなのであろう。こ のようにして、敵が試験的に開発した物質を実用前にIMFによって消されたものは少なくはない。例を挙げれば、第3シーズンの「生体実験」で登場した細菌 兵器、「魔薬B−230」、第5シーズンの「大量殺戮兵器」のデホミナントなど挙げれば切りがない。
 本エピソードにおけるパリスの活躍は素晴らしい。完璧に死んだオットー・シルフになりきり、やけどのため顔を5回整形手術したということから、マスクを被 らず素顔のまま演じる。このようにパリスが素顔のまま変装するのは、第5シーズンの「知り過ぎた娘」でも登場する。オットー・シルフに関する情報をすべて 暗記するパリスの記憶力も素晴らしいが、第3シーズンの「甦ったプリンセス」でもシナモンは王女セリーンのみならず将軍の情報も完璧にマスターしてい た。スパイは記憶力が抜群でないと務まらない職業なのかもしれない。
 終盤にポール・ヨハン少佐がモニクにトレヴァニウムの隠し場所を告げるが、意外と簡単に教えてしまうのは呆気ない。トレヴァニウムの隠し場所に急行する IMFだが、別の容器が既に準備してあり、それとすり替えてトレヴァニウムの入った大きな球体を持ち帰ることになるが、どうやって国外に持ち出したかは劇 中では見られない。


トップへ

戻る

前へ

次へ



Copyright (c) from 2001 BONBEL