スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド4



95 小型謀略工作員 Chico
【目的】麻薬業者二人が16名の麻薬Gメンの名前を知るのをくい止めること
【指令】おはよう、フェルプス君。 写真の男ラモン・プラドーはラテンアメリカきっての麻薬業者であるが、半年前全米麻薬エージェンシーの秘密捜査官16人 の名前を記したマイクロフィルムの半分を買収によって手に入れた。その半分だけなら問題なかったのであるが、そこへ半月前彼の商売敵アルツーロ・サン ドヴァルからマイクロフィルムのあと半分を入手したという連絡がプラドーにあり、目下二人はそれぞれの半分を持ち寄って一つにしようと交渉中である。二人 が持ち寄ったマイクロフィルムを一つにし、そこに記されている麻薬Gメン16人の名前が明らかになれば16人は直ちに消されてしまう。
 そこで君の使命だが、プラドーとサンドヴァルが麻薬Gメンの名前を知るのをくい止めることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるい は殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ケン・ペットスKen Pettus
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: ハーブ・ウォラーシュタインHerb Wallerstein
【ゲスト出演】
ラモン・プラドー:フェルナンド・ラマス(戸浦六宏)Fernando Lamas as Ramon Prado
アルツーロ・サンドヴァル:パーシー・ロドリゲス(久松保夫)Percy Rodrigues as Arturo Sandoval
サンチェス:トム・ジース Tom Geas as Sanchez
ラファエル:ジョック・ゲイナー Jock Gaynor as Rafael
執事:グレゴリー・シーラ Gregory Sierra as Butler
事務官:ジェイ・タヴァース Jay Tavars as Desk Clerk
【場所】@指令(媒体):動物園の麒麟の近くにある黄色い道具箱の中のオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ハリー・スノー
パリス:ルイス・プロベット一等航海士
バーニー:電話会社作業員→エアコン修理工
ウイリー:アルバレン(パイプ細工)→ハリー・スノー宛の手紙を置いていく男
【道具】@犬に取り付けるセンサーとイヤホン
Aエアコンのパイプの穴を塞ぐ風船:リモコンを押すと割れる
【削除】(09分10秒)サンチェスを地下へとエレベーターに乗るパリスとプラドー
(17分10秒)ジムのバッグを開け、10万ドルありますとサンドヴァルは気づく
【見所】(10分00秒)地下のコレクションルームをパリスに見せるプラドー
(18分20秒)ジムが部屋に帰るとサンドヴァルらが入ってきて、ハリー・スノーかと聞く
(26分50秒)パリスが持ちこんだシーアン7を踏み潰し、偽物だと言うプラドー
(33分30秒)チコがプラドーの番犬サムソンを怖がり動きを止めてしまう
(36分10秒)コレクションルームのウェリントン2ペニーを口にくわえて戻るチコ
(41分20秒)通風孔の格子が開かずにチコが取り残され、地下室にプラドーらが来てしまう
(44分30秒)通風孔の格子が開きチコが逃げ出す
(46分50秒)パリスの持ってきたマイクロフィルムを重ねるとサンドヴァルの名前が見つかる
(48分00秒)プラドーがサンドヴァルを射殺し、警察を呼ぶバーニー
【疑問点】@コレクションルームの通風孔はリモコンで開くようになっているが、いつのまに仕掛けられたのか?
【粗筋】パリスは一等航海士としてプラドー邸を訪れ、世界最古のコインのシーアン7を入手したと持ちかける。いくらかと聞くプラドーに対して、コレクションの 切手4枚と交換と言うと、ウェリントンの黒2ペニー以外ならどれでも交換に応じるとプラドーは返事する。すると、パリスは黒2ペニーの切手の額縁に音波を 発する部品を密かに仕掛けるのだ。ウイリーはプラドー邸に入り込みエアコンのパイプに細工する。そして、サンドヴァルの泊まるホテルのフロントにハリー・ スノー宛の手紙を置いて帰る。それにはプラドーの電話番号が書いてあり、サンドヴァルはハリー・スノーの部屋を家捜しすると、10万ドルの現金や偽造パ スポートなどを見つけ、ジムが帰ってくると、ハリー・スノーかと銃を突きつける。そして、ジムはマイクロフィルムの半分をプラドーに高い値で売ろうとしている サンドヴァルに歩み寄れと告げ、サンドヴァルが午後6時にプラドー邸に出向くことを知る。パリスはシーアン7を持ち込むが、偽物とばれてしまい、プラドーに 殴られてマイクロフィルムが欲しかったと白状する。始末しろとプラドーが手下に言うと、パリスはもう半分のマイクロフィルムを持っていると言い、ホテルの金 庫に入っているからとサンチェスと一緒に取りにいく。そこへジムがプラドー邸に入り、書斎にプラドーを呼び寄せ、その隙にチコがマンホールからダクトを通っ てコレクションルームに侵入する。そして、ウェリントン2ペニーをチコが咥えてバーニーのところに運び、バーニーはマイクロフィルムをすり替えて再度チコに元 の場所に戻すよう指示する。ところが、サンドヴァルが予定より10分早く到着して、通風孔が開かなくなり、チコはコレクションルームに取り残されてしまう。 そこへプラドー、サンドヴァル、ジムの三人が入ってきて、周波数の変更をバーニーがしている間、チコはおとなしく待っており、気づいたのはジムだけであ る。そして、スライドにマイクロフィルムがセットされ、映写のために部屋が暗くなった隙に、通風孔が開いてチコは脱出する。スライド映写機で二つのマイクロ フィルムを重ねても意味のない文字でどちらかが偽物の疑いが出てくる。そして、パリスとサンチェスが持ってきたマイクロフィルムを重ねるとサンドヴァルの 名前が見つかるのだ。すると、プラドーは警察の手入れがいつも自分のところにあり、サンドヴァルに入らない理由がわかったと告げ、サンドヴァルを射殺する のである。そして、バーニーは警察に電話をし、パリスもプラドーから釈放され、IMFメンバーは逃げ去るのであった。
【解説】第2シーズンの「ヒスイの印璽」では猫にIMFの任務の補助をさせたが、今回は犬がその役目を果たす。猫の時は印璽を途中で落としそうになった り、なかなか進まなかったりと緊張の連続であったが、犬は猫より利口なせいか、途中、ピンチはあるものの結構手際よく任務を果たすので比較的安心して 見ていられる。
 今回登場する犬のチコの役目は、マンホールを通じて敵のプラドーの地下室にあるコレクションルームに侵入し、マイクロフィルムのついた切手をフレームご と咥えて今来た通路を戻ってバーニーに渡すのである。そして、バーニーがマイクロフィルムをすり替えた後、再び、偽マイクロフィルムのついた切手をフレー ムごと咥えて元の位置に戻すという内容である。チコが切手のフレームを元に戻し終えた後、通気孔が開かなくなって脱出不可能になるというハプニングが 起こるが、ジムがそれに気づいただけでことなきを得る。
 麻薬秘密捜査官16名の名前が書かれたマイクロフィルムを何の目的で誰が作ったかは不明であるが、1枚でなく2枚を合わせないと解読できないという のも疑問をさらに深くするものである。そのマイクロフィルムの書式をIMFが知っていて偽物を作るのだから、恐らく当局側で作成したものだろう。結局、2枚と もIMFが作った偽物を掴ませることにより、プラドーの商売敵サンドヴァルの名前がマイクロフィルムにあったため、プラドーがサンドヴァルを射殺するという結 末を迎える。そして、IMFは警察を呼びプラドーを殺人の罪で葬り去るのだ。


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