スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド4



96 ニトロで脱獄 Terror
【目的】大量殺戮の罪で収監中のテロリストの釈放を絶対許さぬこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 非情をもって鳴る中東のテロリスト、カビールは大量殺戮の罪で死刑を宣告されながら、このほど恩赦によって釈放されるこ とになった。スロック国の宣伝相であり、カビールを密かに支持するヴァセアーは、釈放に伴って「彼の反抗は民衆のためである」という声明を用意している。 カビールの釈放はさらにテロリストたちの暗躍に拍車をかけ、中東諸国を戦争に巻き込む恐れが充分ある。
 そこで君の使命だが、このテロリスト、カビールの釈放を絶対許さぬことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局 は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: スタンレイ・カリスStanley Kallis
監督: マーヴィン・チョムスキーMarvin Chomsky
【ゲスト出演】
ヴァセアー:デヴィッド・オパトッシュ(島宇志夫)David Opatoshu as Ahmed Vassier
アセーダ:アルレーネ・マルテル(北浜晴子)Arlene Martel as Atheda
カビール:マイケル・トラン(金内吉男)Michael Tolan as Ismet El Kabir
マラク:ジョー・デサンティス Joe DeSantis as Marak
ジェナブ:ロナルド・ファインベルク Ronald Feinberg as Jenab
警備:ブライデル・マキー Blaizdell MaKee as Guard
ラフィク:レランド・マーレー Leland Murray as Rafik
【場所】@指令(媒体):道路に駐車してある車のダッシュボードからテープカートリッジを取り出す
A舞台:スロック国
【役割】ジム:ルイス大尉→アラン・ロジャース(囚人)
パリス:サーディー少佐→ヴァセアー大臣に変装
バーニー:アメッド軍曹(ダイナマイトを積んだトラックを盗む)
ウイリー:将軍の声→アメッド軍曹の仲間
【道具】@発煙筒とマスク:ダイナマイトを積んだトラックを盗むのに使用
【削除】(07分00秒)バーニーがアセーダの店に行き、ダイナマイトとトラックを盗んだと言う
(15分20秒)ジムとパリスはマラク少佐にヴァセアー大臣は要注意人物で敵と内通していると言う
(32分50秒)ジェナブが地下道でこのあたりが貯蔵庫とバーニーとウイリーに教える
【見所】(11分00秒)パリスがカビールの監房でダイナマイトを盗んだのは仲間かと聞く
(12分40秒)ヴァセアー大臣が来て、ジムのことをルイス大尉でないとマラク少佐に言う
(18分10秒)パリス扮するヴァセアー大臣がアセーダの店でカビールは処刑されると言う
(27分10秒)自分のベッドの下に隠しマイクがつけられているのに気づくカビール
(33分40秒)アセーダがカビールの監房に面会に来て、ジムのことをヴァセアーの手下と教える
(36分40秒)ヴァセアーが予定より1時間早くやってきて、今すぐ釈放とマラク少佐に命じる
(40分10秒)呼び出されたジムは、あと10分あればいろいろ聞きだせたのにと残念がる
(42分40秒)バーニーが壁を爆破し、ジェナブらがカビールを救出する
(47分10秒)カビールがニトログリセリンの瓶を投げるが、爆発せずに射殺されてしまう
【疑問点】@ウイリーはいつのまにかニトログリセリンの偽物を作っていたが、いつ作ったのだろうか?
【粗筋】ウイリーが車の故障を演出し、手で押してもらっている隙に、バーニーはトラックに乗り込んで発煙筒を炊き、ドライバーたちが逃げた隙にトラックごと 奪い取る。そして、バーニーはアセーダの店に行きダイナマイトを積んだトラックを奪ったので買って欲しいと持ちかける。ジムとパリスはブナン刑務所に行 き、ダイナマイト強奪事件の調査をするということで入り込む。そこへヴァセアー大臣が来て、カビールの監房に入っている間、ジムとパリスはヴァセアー大臣 が要注意人物で敵と内通しているとマラク少佐に告げる。バーニーはアセーダらに痛めつけられるが、パリス扮するヴァセアー大臣よりカビールが処刑される ことを聞き、カビールの脱獄に手を貸すことになる。そして、ダイナマイトからニトログリセリンを取り出そうとするバーニーである。ジムは囚人を装いカビールの 前の監房に入り、隠しマイクが仕掛けられていることを教え、自分がヴァセアー大臣の手下でカビールが明日処刑されることを教えるのだ。一方、ジェナブ、 バーニー、ウイリーたちはニトログリセリンを持って地下水道からカビールの監房に向かう。アセーダはカビールの監房で面会をし、向かいにいるジムがヴァセ アー大臣の手下でロジャースであることを知らせる。翌朝、ヴァセアー大臣が予定よりも1時間も早く刑務所に到着し、今すぐカビールを釈放しろとマラク少佐 に指示するが、パリスは記者会見の劇的効果がなくなるし、ルイス大尉(ジム)をカビールの前につけているので呼んで様子を聞いたらと助言して時間稼ぎを する。ジムはあと10分あればいろいろと聞くことができたと残念がってみせるが、ヴァセアー大臣はすぐカビールを呼んでくるよう指示してしまう。間一髪、バ ーニーがニトログリセリンを壁に詰め込み、起爆装置で爆破してカビールを連れ出し、再度爆破して穴を塞いでしまうのだ。エルワドの洞窟に先回りしたヴァ セアー大臣らに追いつめられたカビールは、ニトログリセリンと思って瓶を投げるが、爆発せずにカビールは射殺されてしまうのであった。
【解説】今までのIMFの任務では、刑務所にいる人物を救出したり、殺害されないように安全を確保したりというような、囚人の人権の確保という立場を取っ たが、この「ニトロで脱獄」はこれまでとは違って、刑務所にいる人物の釈放を許さずに、刑務所から出たところを抹殺してしまうという作戦を取る。
 ニトログリセリンが鍵となるストーリーで、敵に一旦ニトログリセリンを与えておいて、それを知らぬ間に隠してしまい、敵が使いたい時にニトログリセリンがな くなっていたことに気づくのである。第3シーズンの「ニトログリセリン」では、ローランがニトログリセリンを盗むが、本エピソードでは、バーニーがダイナマイトを 積んだトラックを襲う。そして、雷の鳴り響く中、バーニーがダイナマイトからニトログリセリンを抽出することになるのだが、このシーンは緊張感が絶えない。
 釈放が決定しているカビールを脱獄させる作戦は複雑に描かれている。刑務所に入ったジムとパリスは刑務所の職員にヴァセアー大臣が敵と内通してい ると吹き込む。その後、パリスはヴァセアー大臣に変装して、カビールの仲間にカビールが処刑されると伝える。カビールを脱獄させたいと思う仲間に、ダイナ マイトを所持するバーニーがニトログリセリンで刑務所の壁を吹き飛ばすことを促す。一方、ジムは囚人として潜入し、隠しマイクがあるのをカビールに教え、 ヴァセアー大臣への不信感を煽るとともに、自分が大臣の手下で明日に釈放でなく処刑されることを教える。そして、、カビールの仲間が面会に来て、ジムの 情報が正しいことをカビールは認識するのである。
 最後は、刑務所から脱走したものの、追いつめられて自暴自棄になったカビールがヴァセアー大臣らに向かってニトログリセリンの入った瓶を投げるが、不 発に終わりカビールは射殺されてしまうのである。その後、銃撃戦になりそうな雰囲気もあったが、カビールの仲間がすぐに投降したことにより大事には至ら なかった。それにしても、ウイリーがいつニトログリセリンを抜いたのかとても気になるのだが、例によって明かされない。


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