スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド4



99 暗号名"K"をあばけ Lover's Knot
【目的】敵側スパイの重要人物で、暗号名"K"で呼ばれている人物の正体を突き止めること
【指令】なし
【スタッフ】
脚本: ローレンス・ヒースLaurence Heath
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
コーラ・ウェストン:ジェーン・メロー(武藤礼子)Jane Merrow as Lady Cora Weston
ウェストン卿:ジョン・ウィリアムズ(横森久)John Williams as Lord Richard Weston
ロジャース:ジェリー・ダグラス(村越伊知郎)Jerry Douglas as Marvin Rogers
ローク:ドン・ナイト Don Knight as Tim Rorke
コンウェイ:チャールズ・マコーレー Charles Macaulay as Conway
ブレーク:ピーター・アシュトン Peter Ashton as Blake
ダイスディーラー:ウィリアム・ベックレイ William Beckley as Diceman
ロス:フォード・リリー Ford Lile as Ross
かかえ運転手:ジョージ・ウィルバー George Wilbur as Chauffeur
男:トニー・ジョージオ Tony Giorgio as First Man
【場所】@指令(媒体):なし
A舞台:ロンドン
【役割】ジム:トム・モンロー大佐
パリス:ビル・フルトン
バーニー:焼却炉からジムを救出
【道具】@テーブルに取り付けるマグネット式ボタン:三つのボタンでダイスのイカサマを演出
A周波数調整装置
B焼却炉のトリック
C血糊のついたかつら
Dカフスボタン型位置発信機
【削除】(01分50秒)ウェストン夫人に対する作戦をジム、パリス、バーニーらが話す
(04分00秒)パリスがコーラに牛小屋の前で初めて会い挨拶する
(18分30秒)ジムがコーラに困ったことがあってと電話をする
【見所】(03分30秒)コーラがロークを殺し好きと言い、ロークはコーラを男好きと切り返す
(08分50秒)ボートに乗りコーラは本当の恋がしたいとパリスに話す
(16分30秒)コーラはパリスにあなたは息抜きじゃないものと告白し、二人はキスをする
(17分20秒)コンウェイが5万ドルの小切手が不渡りで、ジムに周波数装置を持ってこいと脅す
(21分10秒)ロークとコンウェイはジムがお金を払えず装置もないので銃を向けて撃とうとする
(27分30秒)パリスとコーラのキスシーンをフィルムに収めようとするローク
(29分30秒)パリスとジムがコーラを巡って喧嘩となり、パリスがジムを殴り殺してしまう
(31分00秒)パリスがジムの死体を毛布で包み、焼却炉に放り込む
(35分40秒)亡命の件についてコーラでなくKと話がしたいとパリスが頼む
(38分10秒)パリスがKのところに車で連れていかれ、Kがウェストン卿と判明する
(39分40秒)ジムがKを突き止めたとロジャースに連絡し、救出作戦を依頼する
(43分50秒)何かあったと察知したジムとバーニーは守衛を殴り倒す
(45分40秒)ウェストン卿が銃を突きつけるが、警視庁が来るとジムが言うと観念する。
(47分10秒)ウェストン卿が銃で自殺する
【疑問点】@パリスがコーラのことで感傷的になるシーンが5回あるが、その度にジムとバーニーは顔を見合わせてどのようなことを感じていたのだろうか?
【粗筋】ロンドンのアメリカ大使館に駐在しているパターソン大佐が、敵側スパイにより暗殺されてしまう。IMFは、敵の目的は大使館で使用している無線機の 暗号周波数で、敵側スパイであるウェストン夫人が大佐に接触したのを確認する。そして、ヨーロッパを中心に巨大な勢力を誇っている敵側スパイの重要人 物で、名前が不明で暗号名"K"で呼ばれている人物の正体を突き止めるために作戦を開始する。ロンドンのパーティではジムとパリスがコーラと会い、ジム はギャンブラーとして紹介される。パリスはコーラと意気投合し、外で乗馬を楽しんだり、ボートに乗ったりして一時を過ごす。そして、コーラはパリスに本当の 恋がしたいと漏らすのだ。しかし、コーラはパリスでなくジムを誘ってコンウェイの店でギャンブルをするのだが、ジムはダイスで大負けてしまう。翌日、パリス はコーラのアパートを訪れ、燃えたいと言っていたけど息抜きの相手が見つかるといいねと告げて帰ろうとすると、あなたは息抜きでないとキスをするコーラで ある。一方、5万ドルの小切手が不渡りとなりコンウェイがジムに、金を用意できないなら周波数調整装置を持ってこいと脅すのだ。そこで、ジムはコンウェイ に周波数調整装置を渡し、パリスが300万ドルを横領したという情報を流し、それを聞いたコーラはパリスに電話を入れて会う約束をする。夜にコーラのアパ ートを訪れるパリスとのラブシーンをロークは撮影する。そこへジムが現れ、コーラを巡ってパリスと喧嘩になり、パリスはジムを殴り殺してしまい、死体を毛布 で包んで焼却炉に放り込む。しかし、焼却炉の中にはバーニーが隠れておりジムを助ける。コーラはパリスに盗み撮りしたテープを見せて亡命を勧め、ローク も殺しの場面を撮影していたことを言い、パリスは負けを認める。しかし、パリスはコーラではなくKと直接会って話をしたいと言う。翌日、目隠しをされたパリ スは車でKのところへ連れていかれ、発信機を頼りにジムとバーニーが尾行する。そして、Kがウェストン卿と判明し、ジムはKを突き止めたので救出作戦を ロジャースに依頼する。そこへパリスにNATOの秘密会議出席の要請が入り、ウェストン卿はそれに出席するようにパリスに勧める。しかし、交信の内容が 偽物とばれ、ウェストン卿はゲートを閉めようとするが、異常事態を察知したジムとバーニーは守衛を殴り倒し、コーラを助けに戻る。すると、ウェストン卿が銃 を突きつけるが、ジムはロンドン警視庁が来ると言うとウェストン卿が観念する。そして、パリスがコーラを連れて外に出ると、ウェストン卿が銃で自殺してしま うのだ。車内でコーラが"どこへ行くの?"と聞くと、パリスは"ロンドン警視庁"と答え、"足を洗ったの"と言うコーラに"遅かったよ"とパリスは答えるのであっ た。
【解説】この「暗号名"K"をあばけ」は、ロンドンを舞台に展開される。ロンドン駐在のアメリカ大使館勤務のパターソン大佐暗殺事件で、大使館の無線機が使 っている暗号周波数を入手するための敵側スパイの存在が明らかになる。また、大佐が生存時、ウェストン夫人と接触していることを掴み、敵側スパイの暗 号名"K"と呼ばれている重要人物の正体を突き止めるためにIMFはロンドンに集合するのだ。ウイリーが参加していないが、例によって理由は説明されな い。
 鍵を握っているウェストン夫人コーラにはパリスが接触し、ラブロマンスが展開される。コーラはパリスに本当の恋がしたいと漏らすが、パリスの意とは反対 に、コーラはジムの方をデートに誘う。ジムはギャンブルで大敗を喫し、小切手が不渡りになったことで、敵に周波数調整装置を渡すことになる。そこで、パリ スが300万ドル横領した情報を流し、さらに、コーラのアパートでコーラを取り合ってパリスがジムを殺害してしまうシーンを偽装して、パリスはアメリカから追 われる身で、敵の組織に入らなければならない状況になったことを示す。
 パリスはコーラでなく、直接"K"と会って話がしたいと告げ、翌日、目隠しをされて車で"K"の自宅に向かう。もちろん、ジムたちが尾行して、"K"の正体は あっさりとコーラの夫であるウェストン卿と判明してしまう。パリスの正体がばれ、ジムらが踏み込んでロンドン警視庁が来ると告げると、ウェストン卿は自殺を してしまう結末となる。
 最後に車の中で、コーラがどこへ行くのと聞くと、パリスはロンドン警視庁と答え、コーラは足を洗ったのと必死に訴えるが、パリスは遅すぎたと言ってコーラ を突き放してしまう。パリスのコーラへの愛が真実か演技か、このセリフの中だけでは判断できない奥深いものが、このエピソード全体を通して流れているの だ。いずれにしても、パリスの本シリーズで語られる初めてのラブロマンスは悲哀な結果に終わるのであった。


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