スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド4
101 山師が公国を狙っている The Choice |
|
【目的】自称神秘主義者である山師の公国乗っ取りという意図を粉砕すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 ここ半年間でトレントの大公妃テレサに対し隠然たる支配力を持ち始めたのが、自称神秘主義者のエミール・ヴォルトランで ある。ヴォルトランはサディスティックな山師であって、テレサの寵愛を利用してトレント公国の乗っ取りを謀っており、それが成功すればトレントは独裁国とな り、我々の敵と手を結ぶ恐れも出てくる。
そこで君の使命だが、このヴォルトランの意図を粉砕することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知 しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ケン・ペットスKen Pettus
原案: ヘンリー・シャープHenry Sharp
製作: ブルース・ランズバリーBruce Lansbury
監督: アラン・グリーディAllan Greedy
【ゲスト出演】
エミール・ヴォルトラン:レナード・ニモイ(穂積隆信)Leonard Nimoy as Vautrain
大公妃テレサ:ナン・マーティン(寺島信子)Nan Martin as Grandduchess Teresa
ピカード首相:アーサー・フランツ(川久保潔)Arthur Franz as First Minister Andre Picard
ベネット大佐:アラン・バーグマンAlan Bergman as Colonel Antoine Benet
グージョン:シド・ヘイグ Sid Haig as Goujon
コック:ディック・ポストン Dick Poston as Cook
警備:ジョシュ・アダムズ Josh Adams as House Guard
警備:クルト・グレイソン Kurt Grayson as Security Guard
【場所】@指令(媒体):花屋の事務所の机の引き出しからオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:トレント公国
【役割】ジム:ジョン(奇術師)
パリス:タルゴ(電気椅子の囚人)
バーニー:警官→納品係→花瓶の工作→軍人
ウイリー:警官→納品係→見張り→軍人
【道具】@リモコンで銃を撃ったように見せかける装置:ボタン三つで花瓶など三個所に設置
A電気椅子と手袋状の絶縁体:1万ボルトの電圧が電極間に発生する
B盗聴機
C家具:中にジムが隠れる
D麻酔銃
E銃:4発目までは実弾で5発目からは空砲
【削除】(10分10秒)ピカード首相はテレサにもう昔の関係でないと言う
(20分30秒)テレサを車椅子で押しながら無理するなといたわるヴォルトラン
【見所】(06分10秒)電気椅子の電極にテスターでは1万ボルトの表示をベネットが確認する
(13分30秒)ジムが演台の上で警備員に銃を突きつけられ、パリスとともに捕まってしまう
(17分50秒)ヴォルトランがパリスのかつらを取り、俺と瓜二つで兄弟かと思ったと言う
(20分20秒)隠しマイクを監房の中で見つけ、ジムとパリスはピカード首相に頼まれたと言う
(31分00秒)作戦のおさらいをするパリスとヴォルトラン
(35分10秒)バーニーとウイリーがヴォルトランと軍曹を麻酔銃で撃ち、軍曹を衣装棚に隠す
(40分00秒)ヴォルトランがタルゴじゃないとジムに言い、パリスと大佐が仕組んだと怒る
(43分10秒)ヴォルトランが銃をジムから奪い、テレサのところへ向かう
(45分30秒)ヴォルトランがパリスのことを偽物と言い、銃を発砲する
(46分20秒)銃声が聞こえヴォルトランは射殺される
(48分10秒)誰か知らんがありがとうとピカード首相はパリスに握手を求める
【疑問点】@ヴォルトランが誰によって射殺されたかは劇中では映されない。
【粗筋】ジムは奇術師としてヴォルトランとベネット大佐の前で、パリスを電気椅子に座らせ処刑するショーを見せる。記念館式場へはジムが木製家具の中に 隠れて侵入し、配線を変えてしまい、気づいた警備員は捜索を始め、ジムとパリスは見つかり捕まってしまう。そして、電気椅子のカラクリを見破られ、パリス のかつらを取るヴォルトランは、自分とそっくりなパリスを見て双子の兄弟ではないかと驚き、何のためにやったのか深い理由があるはずだと興味を示して二 人を監房に入れる。隠しマイクがセットされていることを知る二人は、ピカード首相に頼まれたことを話すのだ。そして、ヴォルトランは二人を呼び、ジムは10 万ドルでピカード首相に雇われたと自白する。これを聞いたヴォルトランは計画通りに行なって、電気椅子の芝居が終わったら入れ替わろうと提案するが、パ リスは20万ドルの報酬を要求してヴォルトランも了承する。しかし、ヴォルトランは仕事が終わったら二人を消そうとベネット大佐に漏らすのである。一方、バ ーニーは宮殿に忍び込み、花瓶などに爆薬をセットする。そして、首相が記念館で演説をしている最中に、バーニーとウイリーがヴォルトランと軍曹を麻酔銃 で撃って、軍曹を衣装棚に隠す。そして、パリスが電気のスイッチを押すと1万ボルトの電圧がかかり、何者かの工作だと怒って控え室に戻ってしまう。控え 室でヴォルトランとジムを倒したパリスは、二人の死体を始末しろとバーニーとウイリーに指示する。しばらくして、ヴォルトランは目を覚まし、ジムに大佐とパ リスが仕組んでやったのかと疑う。そして、ジムより空砲の入った銃を奪い、テレサとピカード首相の前で自分がヴォルトランと名乗ってパリスを銃で撃つ。と ころが、パリスが銃弾を受けても不死身なので、皆パリスのことをヴォルトランと思い、逃げたヴォルトランは射殺されてしまう。パリスはテレサに別れる時が 来たと言い、ピカード首相に従いなさいと言って去るのだ。首相はパリスを追いかけ、"誰か知らんがありがとう"と言ってパリスに握手を求めるのであった。
【解説】この「山師が公国を狙っている」では、敵の悪漢がパリスに似ているという設定で、パリスはマスクを被らずに変装する。つまり、レナード・ニモイがパ リスとヴォルトランの一人二役を演じる。オリジナル版の音声については、レナード・ニモイが恐らく一人で二役こなしたのだろうが、日本版では、パリスはい つものように納谷悟朗氏、ヴォルトランは別人の穂積隆信氏が吹き替えを担当している。
ヴォルトランが不死身ということで大公妃テレサの信用を得ており、IMFはヴォルトランの目の前で、ヴォルトランにそっくりなパリスが1万ボルトの電気椅子 をもろともしないマジックを見せ、興味を持たせてイカサマを暴露する。そして、瓜二つのパリスに記念館で電気椅子の芝居をさせて、その後に自分とすり替 わる提案をするヴォルトランである。
そこでIMFの取った作戦は、パリスが記念館で電気椅子の芝居を見せた後、ヴォルトランにすり替わらずにパリスがそのままヴォルトランになりすまし、ヴ ォルトランをパリスとして倒して眠らせてしまう。目を覚ましたヴォルトランに、ジムもヴォルトランだとは知らぬふりをすると、ヴォルトランはパリスと大佐が仕組 んだ罠と怒り、ジムより空砲の銃を奪って宮殿に向かうのである。
宮殿ではテレサとピカード首相の目の前で、ヴォルトランは自分がヴォルトランだと名乗ってパリスを狙撃するが、パリスが銃弾を浴びても不死身なことか ら、テレサをはじめ皆がパリスをヴォルトランと信じ、ヴォルトランは警備兵に連行されて射殺されてしまう。
フィナーレはパリスがテレサに別れを告げて去ってしまうが、首相はヴォルトランでないと気がつきパリスを追いかけ、"誰か知らんがありがとう。"と手を差 し伸べて礼を言うところは、印象的に描かれている。それに引き換えテレサは、最後までヴォルトランの正体に気がつかぬ純真で、悪く言えば愚かな女性と して扱われている。 |
|
|
Copyright (c) from 2001 BONBEL
|