スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド5



117 知り過ぎた娘 Squeeze Play
【目的】麻薬原産地・ルート・売人等の極秘リストを入手し、麻薬帝国の存続に終止符を打つこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 アルバート・ゼンブラは世界のヘロインの約四分の一を扱っている麻薬シンジケートの大ボスであるが、今やガンの為死を 目前に控えている。このためゼンブラは、近く後継者を指名しそれにアヘンの原産地・密輸ルート・売人・買収済みの係官などを記した極秘リストを譲ることに なっている。
 そこで君の使命だが、その極秘リストを入手しゼンブラを中心とする麻薬帝国の存続に終止符を打つことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕ら えられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: デヴィッド・モーシンガーDavid Moessinger
原案: ウォルター・ブロウ&デヴィッド・モーシンガーWalter Brough and David Moessinger
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ヴァージル・W・ヴォーゲルVirgil W. Vogel
【ゲスト出演】
アルバート・ゼンブラ:アルバート・ポールセンAlbert Paulsen as Albert Zembra
カルロス・エンポーリ:ニコ・ミナードスNico Minardos as Carlos Empori
イヴ・ゼンブラ:ヴィクトリア・ヴェトリVictoria Vetri as Eve Zembra
ヴィトー:ニック・ジョージアデNick Georgiade as Vito Nicola
モラット:アルバート・キャリアAlbert Carrier as Pierre Morat
ポール・コリガン:ピーター・キルマンPeter Kilman as Paul Corrigan
【場所】@指令(媒体):更衣室のロッカーからオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:フランス
【役割】ジム:ガストン・ロシェール
パリス:ポール・コリガン→ゼンブラの声帯模写
ダナ:マリア・カーサ(看護婦)
バーニー:レゾン・チャールズ
ウイリー:税関職員→ガストン・ロシェールの手下
【道具】@犬が6時間ぐったりの薬
A爆薬
【見所】(08分40秒)ポール・コリガンとしてゼンブラの屋敷に入って挨拶するパリス
(15分20秒)家捜ししているダナはカルロスに見つかり言い訳をする
(22分00秒)ゼンブラの命を狙ったバーニーはパリスに阻止され捕まってしまう
(26分30秒)ゼンブラの後釜はポールではなく俺だよと自信を持って話すカルロス
(29分40秒)バーニーを逃がしたことで怒りまくるゼンブラ
(33分20秒)地下室の鍵を忘れたと言って入室するヴィトーにゼンブラの声帯模写をするパリス
(35分10秒)イヴを屋敷からさらうジムとウイリー
(38分00秒)イヴはお芝居を止めてと、パリスとジムに秘密のドアの件で尻尾を出したと言う
(43分00秒)ゼンブラがカルロスを撃ち、銃声がイヴにも聞こえる
(43分50秒)ゼンブラは指輪を外し、ルートから運び屋まで全部記してあるとパリスに渡す
【疑問点】@リストをパリスに渡したことにより、麻薬取引の証拠があがったが、先が長くないゼンブラが当局に逮捕されたかどうかは劇中では語られない。
【粗筋】ウイリーが税関職員に扮してポール・コリガンを捕まえ、パリスがコリガンとしてゼンブラの屋敷を訪れる。ゼンブラとイヴはすっかり信じきっているが、 あまりの顔の変わりようにカルロスは疑念の目でパリスを見る。そして、ヴィトーが犬を差し向けたところ、パリスに向かって吠え続け、皆は疑いの目を向け る。しかし、パリスが犬に近づくと、犬がおとなしくなるので、一同はポールに間違いないと信じるのである。ダナは看護婦としてゼンブラの屋敷に入り込む。 パリスとイヴは昔話をして懐かしみ濃厚なキスをかわすが、二人をスパイするヴィトーに俺にかまうなとパリスは怒る。ゼンブラはイヴが浮かない顔をしている のを見て、自分が何をしているのかをイヴが知る年齢になって悩んでいることを心配するが、イヴの殺しだけはやめてという頼みをかわしてしまうのである。パ リスはカルロスにはゼンブラの後釜は無理だと言うが、ゼンブラはカルロスを褒めちぎる。そこへゼンブラの命を狙うバーニーが侵入し、パリスの機転でバーニ ーは捕らえられ、警備の責任者であるカルロスはひどくゼンブラに叱られるのである。その後、ジムはカルロスに会う約束を取りつけ、ゼンブラの後釜がカル ロスでなくポールだったらどうすると言って、フランスシンジケートの幹部にならないかと誘いをかける。しかし、ゼンブラの後釜はポールではなく俺だよと自信 を持って話すカルロスである。ゼンブラの懐中時計がなくなったことでダナの部屋にあるのを見つけ、ダナが何でもするということで、ゼンブラが何を考えてい るか探れとカルロスは指示する。その隙にバーニーに逃げられ、ゼンブラはこの屋敷では出入りが自由かと怒りまくる。パリスが明日出発ということで、ゼン ブラと話がしたいということで、ゼンブラを眠らせて一人芝居をするパリスは、ゼンブラが後継者を自分にすることとイヴとの結婚の話をする。これを盗聴したカ ルロスはジムに電話を入れ、イヴを誘拐させるのだ。ところが、パリスがポールの偽者と気づいていたイヴは、パリスとジムにお芝居を止めてと言うのであ る。パリスはゼンブラには手を出さないと約束し、ゼンブラは人殺しだと本当のことをイヴに告げて説得する。カルロスとゼンブラ二人を中に入れ、ウイリーがカ ルロスにどいていろと言うのを見て、驚くゼンブラはパリスが突入してジムとウイリーが逃げ去り、裏切ったカルロスを射殺した後、ルートから運び屋まで全部 記した指輪をパリスに渡すのであった。
【解説】「知り過ぎた娘」では、パリスの最後のラブロマンスが展開される。相手は今回の悪漢ゼンブラの孫であるイヴで、彼女は祖父のしているビジネスに 気づきながらも、それに目を背けており、祖父を尊敬して愛し続けているのである。そこで、IMFの任務は祖父の組織を壊滅させるべく組織に潜入するのだ が、罪のないイヴに祖父のしている事実を認識させなければならないということに、パリスは苦悩するのである。
 ゼンブラが病で先の長くないことから、IMFはゼンブラ本人に直接でなく、後釜に座ろうとしているカルロスをターゲットとする戦法を取る。パリスはゼンブラ の子分で整形手術をしたコリガンになりすまし、ゼンブラ邸を訪れる。あまりの顔の変わりように一同が驚くが、犬がなついたことによりゼンブラらはコリガンと 信じきるのだ。パリスが素顔で敵に変装するのも珍しくなく、「死人に口あり」、「山師が公国を狙っている」などでも見られる。パリスが素顔で変装するエピソ ードが多いのは、全く違う人物に変装してしまうと、自分の出番がないことに不満を持つレナード・ニモイの希望でもあったようだ。
 カルロスをはめるために、IMFは数々の作戦を打ち出す。バーニーが屋敷に侵入して、ゼンブラの命を狙ったと見せかけ、パリスがやっつけることでカルロ スはゼンブラに叱られる。さらに、バーニーが脱走したことで、この屋敷は出入りが自由かとさらにゼンブラは怒りまくる。そして、カルロスが盗聴する中、ゼン ブラを眠らせてパリスは一人芝居をして、組織の後継者とイヴの結婚相手がカルロスでなくパリスだと言うのである。また、ジムはカルロスと接触してヘッド ハンティングの話を持ちかける。
 最後は、カルロスがジムに連絡を取りイヴを誘拐させ、ゼンブラが現れたところで、ジムはカルロスが味方であることをゼンブラに示す。そこへパリスがゼン ブラを助けに現れ、ジムとウイリーが逃げた後、ゼンブラは裏切者としてカルロスを射殺してしまう。そして、パリスにヘロインのルートや運び屋を記した指輪を 渡すのであった。
 作戦の途中で、イヴはパリスが偽者と気づいていたことを告白するシーンが見られ、ジムはパリスにすべてを託すのだ。パリスはゼンブラの悪事をイヴに説 明してゼンブラに手を出さないという条件で、作戦に協力させることをする。このように作戦がばれた後に、関係者に口止めをするというのは珍しいことであ る。


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