スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド5



125 革命の黒幕 Blast
【目的】アメリカ革命を企む黒幕の正体を掴み、これを叩き潰すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 その男グレゴリー・トーランは、アメリカ革命を企む地下細胞のリーダーで、主に盗みによる資金獲得を特技としている。トー ランの背後には今のところブレースとしかわからぬ黒幕が控えており、今や全国的な規模で広がる地下細胞を従えて、合衆国政府の転覆を狙っているの だ。
 そこで君の使命だが、そのブレースの正体を掴みこれを叩き潰すことにある。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジェームズ・L・ヘンダーソン&サム・ローカJames L. Henderson and Sam Roeca
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: サットン・ローリーSutton Roley
【ゲスト出演】
グレゴリー・トーラン:ヘンリー・ダロウHenry Darrow as Gregory Tolan
クリンガー:ケヴィン・ヘイガンKevin Hagen as Dave Klinger
シールズ:ラリー・ハドンLarry Haddon as Lee Sheels
ジョージ・ミラー:ダグラス・ヘンダーソンDouglas Henderson as George Miller
グレース:スーザン・オディンSusan Odin as Grace
ヘンドリック:ピット・ハーバートPitt Herbert as Hendricks
モニカ・アンダーソン:タマーラ・エリオットTamara Eliott as Monica Anderson
ジュアン:チャールズ・ピサーニCharles Picerni as Juan Delgado
ウィリアム・カボット:トム・マクドナウTom McDonough as William Cabot
フィンレー:ディック・ジッカーDick Ziker as Finley
警官:ドン・エドワードDon Edwards as Policeman
【場所】@指令(媒体):噴水のある公園のベンチで、男が置いていった袋の中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:カボット
パリス:尾行車運転手→ジョージ・ミラー
ダナ:モニカ
バーニー:ドレーク運送会社警備員
ウイリー:飛行機の監視→ドレーク運送会社社員
【道具】@方向指示装置
【見所】(06分20秒)コインの片割れをそれぞれ合わせ、挨拶するジムとトーラン
(17分30秒)クリンガーが窓に発砲したため警報機が鳴ってしまう
(24分10秒)クリンガーより銃を取り上げたジムが、弾を抜いてからクリンガーに渡す
(25分20秒)尾行車にジムが入ってきて、パリス、バーニー、ウイリーに今後の作戦を話す
(27分20秒)ジムが都合した車に乗って逃げる案に猛反対するトーラン
(30分30秒)パリスが入ってきてミラーだと言うが、トーランはミラーではないと疑う
(36分20秒)トーランとブレースの通信をバーニーが傍受しようとするが失敗する
(38分50秒)ジムとパリスがシールズとクリンガーを捕まえる
(42分40秒)トーランの通信機の中にテープが隠されていることからトーランがブレースと判明
(44分00秒)ゴアがダナのことをモニカでないと言い、怒るトーランはダナに威嚇発砲する
【疑問点】@ミラー夫人を演じたグレースは何者だろうか?
【粗筋】南米から派遣されてくるカボットとモニカになりすまし、ジムとダナは組織に潜入する。早速、シールズ、クリンガーの二人を加えた五人はドレークの運 送会社を襲うことになる。ダナはドレークの運送会社の社員として内部から手引きをする役割で、警報機を解除した合図を四人にする。ジムは警備員のバー ニーを殴り倒し、エレベーターで金庫室に向かい、爆薬でドアを素っ飛ばして金を奪うが、ウイリーらの社員に発砲しようとしたクリンガーをジムが抑えたため、 弾が窓に当たって警報機が作動してしまう。五人は慌てて逃げるが、パトカーに追われる破目になり、民家に隠れるのである。トーランはダナに警報装置を 切らなかったことを責める。一方、パリス、バーニー、ウイリーは現金にセットした発信機と方向指示装置を頼りに尾行車で追跡する。ジムは車を手配してくる と告げて外に出て、尾行車に入って今後の作戦を指示し、ウイリーに車を用意させる。屋敷に戻ったジムは車を用意したので逃げようと提案するが、屋敷の 回りには警察が警戒していて返って危険だとトーランは猛反対する。そこで、屋敷の主であるミラー夫妻を警察が保護してパリスとグレースがミラー夫妻にな りすまして屋敷に入る。トーランは二人を縛った後、ダナにこっそり今後も一緒に仕事をしたいと言うのである。そして、トーランがブレースへの通信を始め、バ ーニーが傍受を試みるが失敗してしまう。その後、ブレースの指示でトーランとダナの二人が車で出発した後、ジムとパリスはシールズとクリンガーを逮捕す る。倉庫に入るトーランとダナであるが、ダナがしつこくブレースに会いたいと言うのでトーランは気を悪くする。エレベーターでゴアが上がってきて、ダナのこと をモニカでないと言うのを聞き、ダナは逃げようとするが、威嚇発砲を放つトーランにダナは足を止める。好きだったんだとトーランはダナに愛を告白するが、そ こへジムらがかけつけ、二人を捕らえるのであった。
【解説】「革命の黒幕」では、警察の全面的な協力を得てIMFの任務が遂行されたと考えるべきだ。そうでないと説明のつかないシーンがあまりにも多い。ジ ムとダナは革命の組織に潜入して、早速、敵のボスのトーランらとともに運送会社を襲い、爆薬を使ってドアを素っ飛ばしたりするのだが、IMFのこうした行動 は事前に当局側の了解を得ていなければ、なかなか実行するのは困難であろう。警報機が鳴って、ジムらの乗った車がパトカーに追われることになるのだ が、これも事前打ち合わせで捕まえるのではなく、単にトーランを心理的に追い詰める作戦だったように思える。
 結局、トーランらは、民家に押し入って立てこもる。たまたま、住人のミラー夫妻は留守で難を逃れる。帰宅途中のミラー夫妻を警察が保護することから、ト ーランがミラー家に押し入ることは計画ではなかったようだ。ジムは逃走する車を探してくると言って、尾行車に待機しているパリス、バーニー、ウイリーに今 後の作戦の指示を出す珍しいシーンが見られ、想定外のことが起こったことを物語っている。そして、ウイリーに車を手配するように指示を出す。屋敷に戻って ジムはトーランに車で逃走しようと提案するが、警察が警戒しているから返って危険と拒否され、作戦は失敗してしまう。
 次の作戦は、パリスとグレースがミラー夫妻に扮して、ミラー家に帰宅することを偽装するが、写真立ての人物と違うことからトーランが疑いを持つものの、 パリスがうまく弁解するのだ。グレースが何者かは明かされないが、恐らく婦人警官を借りたのだろう。もし、IMFのメンバーだとすると、当初からトーランがミ ラー家のような民家に押し入ることを想定していたことになり、辻褄が合わなくなる。
 待機車では、バーニーがトーランと黒幕ブレースとの通信を傍受しようとするが、失敗してしまう。そして、トーランはダナと二人で逃走してしまうのだ。倉庫 に到着して、モニカをアメリカまで連れてきたゴアがダナを偽者だと言って、怒ったトーランはダナに威嚇発砲して愛の告白をするという奇妙な結末だ。結局、 黒幕がトーランの一人芝居ということを知るIMFだが、これほどまでに一人の男に振り回されるのも珍しい。


トップへ

戻る

前へ

次へ



Copyright (c) from 2001 BONBEL