スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド5



126 消えた汚染死体 A Ghost Story
【目的】特殊神経ガスにおかされた汚染死体を発見すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 化学者ハワード・ベインブリッジは、わが国から東側へ亡命、そこでTRAと称する特殊神経ガスの研究・開発を進めていた が、このたび自分の作り出した恐るべき化学兵器に汚染され、急遽鉄のカーテン内から脱出、父親の屋敷に舞い戻った。一方父親ジャスティン・ベインブリッ ジは、戻ってきたハワードを殺し、その死体を密かに隠匿してしまった。東側を脱出する際、ハワードが関係記録を全て処分したため、特殊神経ガスTRAを知 るにはその死体に残る痕跡を分析するしかない。
 そこで君の使命だが、ハワード・ベインブリッジの汚染死体を発見することにある。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: エド・アダムソン&ケン・ペットスEd Adamson and Ken Pettus
原案: ジョン・D・F・ブラック&エド・アダムソンJohn D. F. Black and Ed Adamson
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
ジャスティン・ベインブリッジ:アンドリュー・ダガンAndrew Duggan as Justin Bainbridge
フォスター:マリオン・ロスMarion Ross as Mrs. Foster
ヴィンセント・サンドラー少佐:ウィリアム・スミスWilliam Smith as Vincent Sandler
ハワード・ベインブリッジ:フランク・ファーマーFrank Farmer as Howard Bainbridge
ポール・ベインブリッジ:アンソニー・ノーウォークAnthony Norwalk as Paul Bainbridge
モーガン:ジョン・ウィンフィールドJohn Winfield as Morgan
【場所】@指令(媒体):ある雑貨屋のロッカーからオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:キンケード(家庭教師)
パリス:ジャスティンの耳に受信機を埋め込む→ハワードに変装→コンラッド医師
ダナ:ジェラッド診療所の受付→ジャネット
バーニー:ジャスティンの部屋に音声と映像装置をセット
ウイリー:屋敷の中での各種工作
【道具】@受信装置:ジャスティンの耳の中に埋める
Aレーザー:幻影を映し出す
B薬:幻覚を呼び起こす
Cガスマスクと催眠ガス
D音声装置と映像装置一式
E指輪
【見所】(03分00秒)ハワードを殺害し、穴を掘って遺体を埋めるジャスティン
(14分10秒)ジムは酒の入ったグラスに薬を入れ、ジャスティンはハワードの幻影を見て驚く
(19分20秒)誰かに襲われて階段から転落するジムは、ハワードの部屋を捜索するが何も見つからない
(28分40秒)ジャスティンがクラリネットを窓めがけて放り投げると音楽は消える
(33分30秒)パリスは症状については精神科の範囲と答え、息子さんが死んだのではとジャスティンに聞く
(37分00秒)ジャスティンはフォスターに音楽が聞こえるかと尋ねるが、聞こえない様子である
(39分30秒)ダナがハワードの遺体を焼いて欲しいという幻影を見て、ジャスティンは遺体を掘る
(40分30秒)ポールとハワードが立っているのを見つけるダナ
(43分00秒)フォスターにより階段から突き落とされるハワード
【疑問点】@その後、神経ガスの解毒剤ができて、ハワードが助かったかどうかはわからない。
【粗筋】ジャスティン・ベインブリッジは神経ガスに侵された息子のハワードを殺害し、屋敷内に死体を埋めてしまうのだ。ジャスティンの屋敷には20人もの警 備員がいて警戒が厳しく、ジムを除くIMFメンバーは防空壕を通じて屋敷に侵入する。ジムはジャスティンの孫ポールの家庭教師として屋敷に入り込む。ジ ムはジャスティンの隙を見て酒の入ったグラスの中に薬を入れ、グラスの中を見たジャスティンはハワードの幻影を見て驚く。就寝中にもIMFは催眠ガスを注 入し、ジャスティンの耳の奥に受信装置を埋め込む。その後、ジムは何者かに襲われて、階段の上から転落してしまい、ハワードの部屋を捜索するが何の手 がかりも掴めない。翌日、ポールが森の方に向かうのを尾行するが、サンドラーに見つかり発砲され、ポールを見失ってしまう。その後、屋敷内でジャスティン は息子ハワードの声をはっきりと聞くが、幻聴かと疑う。その夜、ジムとチェスをしている時、ジャスティンは音楽を聞いて気になってハワードの部屋を覗きに いくが、楽譜とクラリネットを見つけ、クラリネットを窓めがけて投げつけると音楽は消えるのである。そして、睡眠中にパリスが変装したハワードの幻影が現 れて、死体を焼いてくれと頼むのを見てまやかしだと叫ぶジャスティンである。翌朝、体調が悪いと思い診療所に電話すると、パリスが医師として診断をす る。そして、パリスは精神科の範囲で精神錯乱の兆候が出ており、息子さんが死んだのではと聞くのである。その夜、また音楽が聞こえてフォスターにも聞 こえるかと尋ねるが、聞こえるはずもなく、さらに、ダナの幻影を見てジャスティンはとうとう遺体を堀りにいく。ジムも見張っていたが、ジャスティンが掘っても 死体は見つからない。一方、ダナはポールと死んだはずのハワードが立っているのを見つける。しかし、女中のフォスターが実は東側のスパイで、ハワードを 連行しようとするが、IMFに挟まれたことで、ハワードを階段の上から突き落としてしまう。ハワードは神経ガスに冒され自分の命の残りが少ないことを告げる と、ジムは神経ガスの全容がわかれば、こちらで解毒剤を作ることができると言って慰めるのであった。
【解説】このエピソードでIMFは、老齢の敵に死者の幽霊を見せるという、第4シーズンの「血の粛清」と同様の作戦を取る。さらに、ベインブリッジを精神的に 追い詰めるために、第2シーズンの「スリラー作戦」で用いられた超自然現象のトリックや、あるいは、薬を盛って夢うつつの中で芝居を見せるという、第2シ ーズンの「イメージをダブらせろ」や、第5シーズンの「暗号名"キタラ"」の手法が用いられる。
 ジムは孫のポールの家庭教師として屋敷に潜入する。そして、何者かに階段から突き落とされ、ポールの行動が怪しいことを知るのだが、確証が掴めない でいる。しかし、ベインブリッジへの作戦は着々と進められるのである。ベインブリッジの睡眠中に、息子に扮したパリスが遺体を焼いてくれと頼み、仕上げ は、息子の嫁のダナの幻影が、遺体を焼いてくれと頼むことにより、ベインブリッジはとうとう遺体を掘りにいくのである。
 いつもならジムがベインブリッジの掘り出した遺体を確認して幕が引かれるのだが、本エピソードでは、さらに、二転三転の展開が待っている。ベインブリッ ジの掘った場所からは死体が見つからず、何と息子のハワードが生きていたのだ。また、屋敷で女中として雇われていた人物が敵側のスパイということがわ かり、ハワードの命を狙って階段から突き落としてしまう。IMFは女中を取り押さえるが、ハワードが生きていたことにより、父ベインブリッジの殺人容疑も消 えてしまい逮捕できなくなるとともに、ハワードの汚染死体の発見という任務も生きたハワードの身柄確保に変わってしまったのだ。


トップへ

戻る

前へ

次へ



Copyright (c) from 2001 BONBEL