スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド6
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【目的】ヘロインを押収し、麻薬業者と手下の殺し屋を警察の手に引き渡すこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 来る11月10日、800万ドル相当のヘロインがある海岸に荷揚げされることになっているがその地点は明らかでない。内偵 員ミルト・アンダーソンがその荷揚げ地点を突き止めるべく潜入していたが殺されてしまった。北西部きっての麻薬業者であるティナーと、その部下殺し屋の フランク・カーニーだけが荷揚げ地点を知っている。
そこで君の使命だが、このヘロインを押収しティナーとフランクを警察の手に引き渡すことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは 殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ダン・ウルマンDan Ullman
製作: ローレンス・ヒースLaurence Heath
監督: レナード・ホーンLeonard J. Horn
【ゲスト出演】
フランク・カーニー:ジョー・ドン・ベイカーJoe Don Baker as Frank Kearney
アルヴィン・ティナー:ロナルド・ファインベルグRonald Feinberg as Alvin Taynor
ハンク・ベントン:ビリー・ディー・ウィリアムズBilly Dee Williams as Hank Benton
スティーヴ・ジョンソン:ローレンス・モンテーニュLawrence Montaigne as Steve Johnson
ミルト・アンダーソン:リー・デラノLee Delano as Milt Anderson
ソイヤー:ジョン・ジルグリーンJohn Gilgreen as Sawyer
メニー:オリー・オトゥールOllie O'Toole as Manny
サム・エヴァンス:レオン・ラッサムLeon Russom as Sam Evans
ウェイトレス:リッキー・スティーヴンスRikki Stevens as Waitress
看護婦:フランシーヌ・ヘンダーソンFrancine Henderson as Nurse
【場所】@指令(媒体):ある室内でオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ジョン・マレット
ケーシー:ケティ・ノーマン
バーニー:外科医
ウイリー:ジョン・マレットの手下
ステーヴ:ジョンソン神父
メニー:銃のスリ
【道具】@麻酔銃と血糊
Aビデオテープ:心臓移植手術のシーン
B盗聴器:スピーカーに仕込む
C録音テープ:ラジオで流す心臓移植に関する話題
Dトリックの銃
【見所】(01分50秒)内偵していたミルトを殴り倒し、車に乗せて崖から突き落とす
(08分50秒)ウイリーが店に入ってきてフランクの心臓めがけて銃を撃ち込む
(12分00秒)バーニーは心臓移植手術が成功だとフランクに告げる
(19分00秒)ヘロインの入荷でティナーとキャメロンらに銃を向け、ジムとウイリーは金を奪う
(23分20秒)ジムが病院から出るところを狙撃しようとしたベントンから銃を取り上げるウイリー
(28分40秒)ワインなんか見るのもいやだとワインを割るフランクに、店で頼んだくせにと茶化すケーシー
(32分00秒)やけどより結婚をとフランクが言うと、ケーシーは聖書の言葉を持ち出してと笑う
(34分20秒)フランクがケーシー宅から出たところ、銃をすり替えるメニー
(44分40秒)フランクがヘロインを持っており、ベントンが発砲するところを警官隊が押さえる
【疑問点】@偽の心臓手術をしたフランクの胸には、手術で縫った痕があるがこれも偽物だろうか?偽物だとしたら、どのように痛みを与えていたのだろう か?
【粗筋】店にウェイトレスとして雇われたケーシーは、客として現れたフランクからオーダーを取るが、ワインは飲まないということを覚えておけと言われてしま う。ジムは店から出てきたティナーを車の中で銃を突きつけ、売上の50%をよこせと切り出す。一方、店にはウイリーが入ってきて、フランクの胸めがけて銃 を発砲する。そして、病院に運ばれるフランクは心臓移植手術を受けることになる。IMFは心臓移植手術の模様をモニターに映し、偽の手術を演出する。そし て、バーニーは催眠術を使って、フランクに孤児院にいた頃のことを思い起こさせ、さらに、ケティ(ケーシー)を呼んで誰も愛さないというのを、ケティを愛して 結婚したいというように暗示をかける。ヘロインの取引でティナーとキャメロンらに銃を向け、ジムとウイリーは金を奪い逃走し、ジムは病院に行ってフランクに 一緒に組もうと切り出す。ティナーはベントンにジムを殺すように指示し、病院から出てきたところを狙撃しようとするが、ウイリーが発見して取り押さえる。退 院したフランクはケーシーに嫌いなワインのオーダーをし、自分でも異変に気づく。その後、ケーシーの家ではワインなんか見るのも嫌だと言ってワインの瓶を 割るのを見て、店で頼んだくせにと茶化すケーシーにフランクはむきになる。また、やけどよりも結婚をとケーシーにプロポーズをすると、ケーシーは聖書の言 葉を持ち出してしょぼたれたのはお呼びでないとからかう。そこへ、フランクへ電話を入れるジムと会うことになり、ケーシー宅から出たところをメニーが銃をす り替える。そして、ジムに向かって発砲しようとしたフランクは弾が出ず、ジムに銃を取り上げられ弾が出るのに驚く。ジムはティナーに電話し、フランクではな くもっとまともな殺し屋をよこせとからかうのだ。フランクは教会にケーシーと二人で訪れた後、何者かに銃で襲われ、ジムに対する殺しも失敗し、ティナーの ところはお払い箱だと弱音を吐くフランクに、ケーシーは私ともお払い箱と冷たく言う。ケーシーを車に乗せて港に連れていき、ヘロインを受け取るフランクは、 ティナーとベントンに見つかり、ベントンが発砲しようとするところを警官隊が包囲して三人を逮捕するのであった。
【解説】このエピソードも初回放映時、「800万ドルの麻薬を追え」というタイトルが使われたが、再放送時に、「奇跡の心臓移植」にタイトルが変更されてい る。このように金額をタイトルに使用したものに、「400万ドルの差し足」、第7シーズンの「500万ドル麻薬合成計画」があるが、どうして変更されたか理由は わからないが、確かに、「800万ドルの麻薬を追え」よりも「奇跡の心臓移植」の方がインパクトは強い。
IMFの偽の移植手術は、第4シーズンの「移植手術を演出しろ」でも腎臓移植手術が見られるが、今回は、腎臓よりも難しい心臓の移植手術をやってのけ る。もちろん、インチキであるが、さらに、そのインチキに輪をかけるようなインチキを加える。それは、凶暴な人物に神父の心臓を移植することにより、凶暴な 人物が平和主義者になってしまうというものである。もちろん、これは凶暴な人物に平和主義者になるよう催眠術を使用して、本人は自分の取った行動や発 言に以前の自分と違うと悟らせ、本人が大いに悩むところが面白く描かれている。
心臓の移植手術前に嫌いだったワインを注文したり、やけどよりも結婚をと聖書の言葉を引用してケーシーにプロポーズしたり、ジムに向かって銃を発砲し ようとするが、弾が出ずに銃をジムに奪われてしまい、ジムが銃を放つときちんと弾が出るのに驚く。そして、ケーシーからも冷たく私ともお払い箱と言われて しまう。
ウイリーより心臓目がけて銃を撃たれた後の、フランクの心臓移植シーンは、意識のあるフランクには患部が見えないように視界を遮り、心臓移植手術の 模様は関係者にモニターを通じて見せるのだ。恐らく、本物の心臓移植手術のビデオテープが使われたのであろう。その後、バーニーがフランクを平和主義 者にするために催眠術をかけるが、バーニーが催眠術を使うのは、本シリーズ初めてのことである。また、今回、銃のスリ専門家メニーをこれだけの任務で起 用するが、後のエピソード「指令なき作戦計画」では、ケーシーのスリの腕前が抜群であることが示され、少し疑問が残る。 |
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