スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド6



133 殺し屋製造工場 Mindbend
【目的】シンジケートのボスと心理学者の共同作業になる要人暗殺に終止符を打つこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 シンジケートのボス、アレックス・ピアソンは行動心理学の分野における天才的心理学者バーク博士と手を握り、博士に刑 務所からの脱走者を洗脳して暗殺者に仕立て上げ、これを使って今までに少なくとも三人の要人を葬ってきた。しかも、バーク博士による洗脳の結果、暗殺 者は例外なく犯行後直ちに自殺してしまうため、警察ではその証拠が掴めずに苦慮している。
 そこで君の使命だが、ピアソンとバーク博士の共同作業になるこの要人暗殺に終止符を打つことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、 あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジェームズ・ブキャナン&ロナルド・オースチンJames D Buchanan & Ronald Austin
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: マーヴィン・チョムスキーMarvin Chomsky.
【ゲスト出演】
バーク博士:レナード・フレイLeonard Frey as Dr. Thomas Burke
アレックス・ピアソン:ドナルド・モファットDonald Moffat as Alex Pierson
ピート:デニス・クロスDennis Cross as Pete
スタンブラー:リック・モーゼRick Moses as Stambler
リタ:アン・ウィリス Ann Willis as Rita
労働者:イワン・ナランジョ Ivan Naranjo as Laborer
スタン:ビル・フレッチャー Bill Fletcher as Stan
【場所】@指令(媒体):海辺の警笛が聞こえる金網の内側でオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:バーニーを尾行→クリーニングの袋の中に潜入
ケーシー:スーザン・ミラー
バーニー:ホーキンズ
ウイリー:クリーニング屋
ティーリ・ウィリアムス:バーニーに変装
【道具】@黄色の薬:洗脳防止薬
Aオレンジの薬:洗脳防止薬
Bサイフ型カメラ
C無線機
D盗聴器
Eバーニーの人形
【見所】(06分40秒)ウイロビー通りでピアソンに電話した後、バーニーは黄色い薬を飲む
(10分50秒)薬を飲まされバーク博士より洗脳が始まり、バーニーは失神してしまう
(17分10秒)自分のファイルに同封してあるテープを再生し、自分が誰かを暗殺する時刻を知る
(21分50秒)オレンジの薬を床に落としてしまい、助手に踏みつぶされてしまう
(27分00秒)バーニーから連絡がないことを心配するメンバーだが、予定通りに行うとジムが言う
(31分20秒)10時の休憩で作業員が持ち場を離れ、ジムは袋を破って工場に侵入する
(35分00秒)バーニーがいないので警察に連絡を取れとケーシーにジムは指示する
(39分50秒)ティーリが部屋に入ってピアゾンを銃で撃った後、窓から転落死してしまう
(42分20秒)暗殺目標を見せるとピアゾンのスライドと人形が出てきて、目標はワッツと言うバーク博士
(43分50秒)市政会館の法廷で目標は副知事のワッツとバーク博士の助手より聞き出すジム
(44分50秒)バーニーが副知事を狙撃するところをウイリーが間一髪阻止する
【疑問点】@バーニーに変装したティーリ・ウィリアムスは何者だろうか?
【粗筋】刑務所から脱獄したホーキンズはピアソンを頼って電話するが、その後警察に捕まりすべてを自白する。幸いこのことがピアソンに知られていないの で、バーニーがホーキンズになりすます。まず、ウイロビー通りでピアソンに電話した後、バーニーは黄色い薬を飲み、ピアソンの手下に車に押し込められて バーク博士の研究所に連れていかれる。ジムはバーニーの乗った車を尾行して研究所の場所を突き止め、カメラで研究所の外観を写真に取り、設計図から バーニーのいる部屋を特定する。そして、バーニーは薬を飲まされ、バーク博士より洗脳されて失神し、さらにデータ衝撃波を受け監禁される。バーニーは鍵 を開けて研究所内を調査し、自分のファイルを見つけ出し、同封されているテープを再生して自分の暗殺する時刻を知るのだ。部屋に戻ったバーニーは翌日 の2時に誰かを暗殺することやデータ衝撃波を受けたことや人形を使うことなどをジムに無線機で連絡するが、声を聞いたウイリーはバーニーが相当まいって いるようだと心配する。一方、ケーシーはピアソンに気に入られ、絵の話で盛り上がる。バーニーはオレンジの薬を床に落として助手に踏みつぶされてしま い、結局、薬を飲まずに洗脳を受けてしまう。そして、時計のベルが鳴ったら副知事のハロルド・ワッツを殺して自分も死ぬということを指示されるのだ。バー ニーから連絡がないことを心配するメンバーだが、予定通りに行こうとジムは指示する。翌日、ジムはクリーニング袋の中に潜み、ウイリーはトラックで待機す る。10時の休憩で作業員が持ち場を離れた隙に、ジムは袋を破り工場内からベルトコンベアに乗って研究所内に侵入する。しかし、バーニーが発見できず にジムはケーシーに警察に手配してくれと指示をする。また、ティーリ・ウィリアムスにバーニーのマスクを被らせて、ケーシーはピアソンを呼ぶのだ。ピアソン が到着すると、ティーリに狙撃させ、驚いたピアソンはケーシーに事情を聞く。ケーシーはバーク博士から呼ぶように指示されただけで、銃で狙われるなんて 思わなかったと答えるのである。怒ったピアソンはバーク博士の研究所に行って問い詰めるのだ。博士は証拠としてスライドと人形を見せるが、ジムによって すり替えられたおり、それはピアソンを示しており、ピアソンは博士を手下たちに拷問させる。そして、バーク博士が拷問されるのを助手に見せ、市政会館の 法廷で目標は副知事のワッツと聞き出し、ウイリーはバーニーが狙撃しようとするところを、間一髪抑えるのであった。
【解説】「殺し屋製造工場」では、バーニーが敵の組織にうまく入り込むが、予防策が失敗して敵の思う壺にはまり、殺人者に仕立て上げられてしまうという 珍しいエピソードである。これに似たエピソードが、「新スパイ大作戦」でも製作され、「暗殺者ニコラス」がそれにあたる。いずれも、暗殺直前に気がついたIM Fメンバーによって取り押さえられ、事なきを得るのだ。敵が催眠術などの心理作戦を使ってIMFメンバーに施すのは、第5シーズンの「殺しのセンター」以来 である。
 一番の見所は、殺し屋製造工場で予防薬を踏み潰されてしまった後の、バーニーの洗脳シーンであろう。結局、時計のベルが鳴ったら副知事を殺して自分 も死ぬということを洗脳されてしまうのだが、そこまで辿る経緯が細かく描写されている。実験室の剥き出しにされた壁に映像を投影し、データ衝撃波マシン を組み合わせてバーク博士による40時間にも及ぶ洗脳は、ふだん、冷静なIMFエージェントが大声を張り上げて暴れ狂う別人格にされつつあるのを視聴者 にもわかるようなタッチで進行し、最後は、床にボルトでつけられた椅子を剥ぎ取って荒れ狂うのである。
 バーニーから連絡がなく心配するIMFメンバーだが、作戦は予定通りに進められ、ジムはクリーニング工場へ袋の中に入って侵入して研究室に辿り付く が、バーニーの姿がないことからケーシーに警察への手配を指示する。その後、研究室内のスライドや写真を副知事からピアソンにすり替える。
 一方、バーニーのマスクをつけたティーリはピアソンを襲った後、窓から飛び降りて自殺してしまう。怒ったピアソンはバーク博士の実験室にやってきて、タ ーゲットが自分であることを知り、手下に博士を拷問させるのであった。副知事の暗殺は無事くい止めることができたものの、ピアソンとバーク博士の行く末に ついては劇中では語られない。


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