スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド6



134 死のロープウェイ The Tram
【目的】シンジケートの二人のリーダーの計画を叩き潰し、二人を再起不能に至らしめること
【指令】おはよう、フェルプス君。 暗黒街の二人のリーダー、ヴィック・ハッチャーとジョニー・ソーンは、財界に隠然たる勢力を築く第一歩としてシンジケートの 親会社の設立を計画、これを披露するためにこのたび全国のシンジケートのリーダーたちに招集をかけたが、もしこの計画が成功すれば、アメリカの産業界 が極度の腐敗・堕落に陥ることは必至である。
 そこで君の使命だが、その計画を叩き潰し二人を再起不能に至らしめることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当 局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: ポール・プレイドンPaul Playdon
脚本: ジェームズ・L・ヘンダーソン&サム・ローカJames L Henderson & Sam Roeca
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ポール・クラズニーPaul Krasny.
【ゲスト出演】
ヴィック・ハッチャー:ヴィクター・フレンチVictor French as Vic Hatcher
ジョニー・ソーン:フェリセ・オーランディFelice Orlandi as Johnny Thorne
ヒンクル:リチャード・カーランRichard Karlan as Hinkle
ルディー・ランダース:シドニー・クルートSidney Clute as Rudy Landers
カボット:ジョン・デューク・ルッソJohn Duke Russo as Cabot
ロッシュ:ブレット・パーカーBrett Parker as Roche
グロセット:アレン・ジャフェAllen Jaffe as Grossett
ジェニングス:トム・ジース Tom Geas as Jennings Blaine
【場所】@指令(媒体):モーターボート置き場にある建物の床の下からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:フランク・コービー(アーニー・ゲイツの右腕)
ケーシー:キャロルの声帯模写→リリー
バーニー:ロープウェイの細工→ジムの部下
ウイリー:ヘネシー(ロープウェイ修理工)
【道具】@ガス:心臓発作を起こさせる
A薬:心臓発作を防止する
B偽造紙幣400万ドル
C金庫のダイヤルの上に被せるダイヤル板:ダイヤル番号を転送する
【見所】(13分30秒)ケーシーがジョニーに電話を入れ、浮気が主人にばれたみたいと言う
(14分50秒)ロープウェイ内でウイリーがジョニーを殴り倒す
(19分40秒)気がついたジョニーを椅子に縛るウイリーは400万ドルと引き換えと電話を入れる
(22分30秒)万一のことがあったら400万ドル弁償するとヴィックが言い残して取引に出かける
(24分20秒)まんまと400万ドルをヴィックから取り、車で逃走するバーニーとウイリー
(35分50秒)事務所の金庫を開けると、アタッシュケースの中に400万ドルが見つかる
(40分20秒)アタッシュケースの中の金が全部偽造紙幣だと言うジム
(42分00秒)コインのペンダントをヴィックがジムに渡し、スイスの口座番号が刻まれていると言う
(44分30秒)ジョニーとヴィックの二人とも銃殺されてしまう
【疑問点】@ヴィックから取った400万ドルとスイスの銀行にある5000万ドルの行方は?
【粗筋】スイスの銀行に5000万ドルの隠し金を持つヴィック・ハッチャーとジョニー・ソーンであるが、IMFはそのお金を全額引き出す作戦である。ジムはフラ ンク・コービーを交通事故にみせかけて倒し、コービーになりすましてシンジケートの幹部会に参加する。バーニーとジムはロープウェイの配電盤を細工し、ブ レーキの故障を演出して、ウイリーはロープウェイの修理工として侵入する。ヴィックは会議に集まった幹部を前に南アメリカに新会社を設立し、50万ドルづつ 出資をしてほしいと提案をする。そして、ケーシーが愛人キャロルの声帯模写でジョニーに電話をし、関係が主人にばれてしまったということで呼び出す。ウイ リーがロープウェイ内でジョニーを殴り倒し、バーニーとともに車で連れ出してしまう。そして、気がついたジョニーを椅子に縛るウイリーは、400万ドルとジョニ ーの引き替えの条件を電話でヴィックに要求する。幹部からは400万ドルとは妙な金額で50万ドルを返せと言う者も出るが、ジョニーを見殺しにできないと 言うヴィックにジムも賛同するのだ。出かけ際にヴィックは万一のことがあったら400万ドルは弁償すると告げ、その時はスイスの銀行から引き出すと言って 皆を安心させる。そして、バーニーとウイリーはまんまとヴィックから400万ドルをかすめ取って逃走するのだ。その後、バーニーは偽の400万ドルを持って、 ロープウェイに乗り事務所の金庫に戻す。ウイリーとケーシーはジョニーの前でヴィックに雇われている素振りを見せて、ジョニーを逃がすのだ。戻ってきたヴ ィックはジョニーが拉致されたのはジョニーの自演ではないかと疑いを持つ。一方、逃げ出したジョニーはジェニングにヴィックが誘拐を仕組んだと電話で連絡 し、金も金庫の中にあると知らせる。そして、ヴィックが金庫を開けるとアタッシュケースの中に400万ドルが見つかり、ヴィックがこれは罠だと弁解する。これ に対してジェニングはヴィックに銃を向けるが、バーニーが銃で逆に脅して幹部たちを部屋に閉じ込めて、ジムとヴィックとバーニーは400万ドル持ってロープ ウェイに乗って逃走する。そして、ジョニーも到着し、三人の乗ったロープウェイの到着を待つのである。ジムはアタッシュケースの中の金が全部偽造紙幣だ と言い、スイスの銀行の金も全部ジョニーに取られてしまうと心配する。さらに、ガスによって心臓発作を起こすヴィックは、薬を飲んでも発作がおさまらず、コ インのペンダントをジムに渡し、スイスの銀行口座番号が刻まれていると言うのである。ジムとバーニーはロープウェイを止めて外に逃げた後、ヴィックとジョニ ーはお互いに銃を発射して、双方とも弾に当たって死んでしまうのであった。
【解説】この「死のロープウェイ」は第1シーズンの「シンジケートをばらせ」で見られたような組織の金をIMFが奪うことにより、シンジケートの幹部間の仲に亀 裂を生じさせる手法を使う。それに小道具とはいえないものの、ロープウェイという乗り物をうまくストーリーに取り込んで視覚的に面白くしたものだ。
 ジムは幹部の一人を交通事故に見せかけてシンジケートの幹部会に出席する。バーニーがロープウェイの配電盤を細工してブレーキ故障を演出し、ウイリ ーが修理工としてやってくる。ケーシーの呼び出しで幹部の一人ジョニーがロープウェイに乗ったところをウイリーが倒して拉致するのだ。そして、もう一人の 幹部のヴィックにジョニーと引き換えに400万ドルをよこせとバーニーが電話をして、ヴィックから400万ドルを掠め取るのである。そこでIMFの取った作戦 は、ヴィックには拉致されたのはジョニーの自作自演と見せ、ジョニーにはヴィックの指示で誘拐したと思わせるものだ。バーニーはこっそりと事務所の金庫 に400万ドルの偽札を忍ばせるのである。
 逃げたジョニーは手下に電話でヴィックが仕組んだことを告げ、金庫を開けると400万ドルが見つかってヴィックはピンチを迎える。そこへバーニーが幹部た ちに銃を突きつけて部屋に閉じ込めてしまい、ジムとバーニーとヴィックの三人はロープウェイに乗って逃げようとする。ジョニーも到着して三人を下で待ってい る中、IMFはガスを発生させてヴィックに心臓発作を起こさせ、薬を飲んでも直らない。さらに、400万ドルが偽札であり、スイスの金もジョニーに全部取られ てしまうことを仄めかすと、ヴィックはスイスの銀行口座番号の刻まれているコインのペンダントをジムに渡すのである。死を意識した敵が重要な情報が記載 されたものを後継者に託すシーンは、第5シーズンの「知り過ぎた娘」でも見られ、今後もこのような結末で締めくくるものがいくつか見られる。
 途中でロープウェイからジムとバーニーが脱出した後、ヴィックとジョニーの撃ち合いが始まり、お互いに相手の弾に当たって、両者が相撃ちで死亡してしま うのも珍しい結末である。


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