スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド6
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【目的】波止場におけるシンジケート支配を壊滅させること
【指令】おはよう、フェルプス君。 この男フランク・デラニーはシンジケートの配下で波止場を支配している。ドックは全て市当局が所有する公共施設であるに 関わらず、シンジケートに礼金を支払わぬ船舶は錨も積荷も降ろすことができぬ状態だ。このデラニーを失墜させんがためすでに多くの努力が払われてきた が、その都度証人を消されて失敗に終わった。
そこで君の使命だが、波止場におけるシンジケートを壊滅させることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一 切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: エド・アダムソン&ノーマン・カトコフEd Adamson & Norman Katkov
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ポール・クラズニーPaul Krasny
【ゲスト出演】
フランク・デラニー:ジェラルド・S・オラフリンGerald S. O'Loughlin as Frank Delaney
マイク・サンダース:クリストファー・ストーンChristopher Stone as Mike Saunders
ビル・オルコット:ルーニー・チャプマンLonny Chapman as Lt. Bill Orcott
レオナード・モーガン:アンソニー・カルッソAnthony Caruso as Leonard Morgan
ジェニー・デラニー:グレース・アルバートソンGrace Albertson as Jenny Delaney
ミスターC:ロバート・マンダンRobert Mandan as Mr. C.
ヴィック:ラリー・ワトソンLarry Watson as Vic
バーテン:バディー・ルイスBuddy Lewis as Bartender
【場所】@指令(媒体):ある雑貨屋のカウンターにあるオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ヨハンソン船長
ケーシー:マーサー・マーフィー
バーニー:殺されたソイヤの後がま→ウェアハウスに侵入→爆発と水漏れ工作
ウイリー:エド・コービー
【道具】@催眠針
A弾が空砲の拳銃
Bデラニーの声色のテープ
【見所】(01分10秒)積荷を落としてフォークリフトを運転するデーヴ・ソイヤーを殺害する
(06分40秒)マーサー・マーフィーとしてデラニーに紹介されるケーシー
(12分40秒)バーニーの仕掛けた爆弾でペンキが飛び散り、積荷が駄目になり大損害となる
(18分10秒)何故デートを誘ったのと聞くケーシーに、鏡を見ればわかるだろうとマイクが答える
(20分30秒)私の父を殺したのはデラニーという手紙を読むデラニー
(23分10秒)車の中でケーシーがマイクに襲われるが、催眠針でマイクを倒す
(29分20秒)デラニーの手下によりジムは狙撃されるが、ウイリーが背後から殴り倒す
(39分40秒)バーニーとマイクが去り、モーガンが現れたところを射殺するデラニー
(44分30秒)ミスターCを前に言い訳をするが、遠くへ行こうと言われるデラニー
【疑問点】@警察に行ったとしても、何人も殺しているから極刑は免れないデラニーであるが、ミスターCについていくよりも、カトホフ警部補についていったと いうことは、一日でも長く生きたいとデラニーは考えたのだろうか?
【粗筋】ケーシーはフランク・デラニーの親友であるトーン・マーフィーの娘マーサ・マーフィーとしてデラニーに紹介される。ケーシーがデラニー宅に泊まるという のを、近くのホテルに泊まれとデラニーは金を出すが、夫人の計らいでデラニー宅に泊まらせてもらう。元オリエント号が名前を変えて入港したことに不審を持 ち、船内に入るデラニーは、船長であるジムから船の中で男が殺され、夜になると悪霊が出ると聞かされるのだ。そして、ケーシーが自宅を家捜ししているの を見て、デラニーは出ていけと怒鳴るが、夫人が止める。さらに、ジムに対しても出ていけと怒鳴るが、ジムが出ていかないことに苛立つ。港でデラニーに会 ったケーシーは、マイク・サンダースを紹介され、マイクはケーシーのことを気に入りデートに誘う。ところが、ケーシーの所持している手紙をこっそり盗んだデラ ニーは、マイクにケーシーを殺すように指示するが失敗してしまう。一方、バーニーはウェアハウスでペンキを飛び散らせたり、水浸しにしたりという工作をして 積荷に大損害を与え、デラニーはシンジケートからもプレッシャーをかけられる。さらに、船長であるジムを殺せと指示するデラニーは、失敗した後、ジムが首 つり自殺したことにより、幽霊船の噂は波止場内に広がる。バーニーは眠らせたマイクを起こし、ケーシー死亡の新聞記事を見せ、マイクが女の首を絞めて 殺して海から投げ捨てたと脅し、デラニーに電話して謎が全部解けたので10分後オリエント号で会おうと伝えさせる。そして、マイクを隣の部屋に監禁して、 モーガンに電話するバーニーである。うまく部屋から脱出したマイクはバーニーを射殺して、モーガンとミスターCにも連絡を取り、オリエント号に来て欲しいと 次々と電話をかける。そして、オリエント号のデッキに現れるデラニーだが、そこにマイクが到着し、すべてモーガンの仕業だと報告するのだ。そこへ、モーガ ンが現れ、デラニーはモーガンを射殺してしまう。その後、ウイリーはミスターCの手下ということで、マイクを連れ去ってデラニー一人をデッキに残すのだ。ま もなく、ミスターCも現れ、モーガンの死体を見たミスターCにデラニーは、すべてがモーガンの仕業だと弁解するのだ。しかし、首輪がなく、船長も生きている ことで、すっかり信用をなくしてしまう。ミスターCはデラニーに遠くへ行った方がよさそうだと手下を言い残して去ってしまうのだ。銃を突きつけられたデラニー にカトコフ警部補の乗った車が到着し、うちへこないかという誘いに、車に乗ってしまうデラニーであった。
【解説】この「皆殺し波止場」では、公共の施設である波止場であるにも関わらず、シンジケートが船舶から礼金を取って積荷を降ろさせるという社会問題をテ ーマにしている。現代社会では信じられない内容だが、当時のアメリカではこのようなことが実際にあったのかもしれない。現在でも発展途上国では、これに 似た習慣が残っているところがあるという話を聞いたことがある。また、シンジケートではなく、税関の役人や警察官にお金を払って、問題を解決するという習 慣がまだ根強く残っている国がかなりあるというのは残念なことである。
今回のIMFは波止場を仕切るデラニーに三方向からプレッシャーをかける。バーニーはウェアハウスに侵入して、積荷にペンキをかけたり水浸しにしたりし て大損害を与える。ジムは幽霊船の船長として入港して、デラニーが出て行けと言うもののジムは居座り、最後にジムが自殺したことにより幽霊船の噂は波 止場中に知れ渡ることになる。
ケーシーは旧友のマーフィーの娘ということでデラニー邸を訪れる。デラニーは金を出して近くのホテルに泊まれというのを夫人のはからいでデラニー邸に泊 めてもらう。そして、家捜しをしているのを見つかってしまい、出て行けとデラニーに言われてしまうが、夫人がまた間を取り持ってくれる。その後、ケーシーの 持っている手紙を盗み読みしたデラニーは、手下のマイクにケーシー殺害を指示するが、失敗して眠らされてしまう。
最後の展開は注意してよく見ていないと訳がわからなくなってしまうくらい複雑だ。まず、バーニーがケーシーを殺し損ねたマイクに、ケーシー死亡の新聞 記事を見せて脅し、デラニーに10分後にオリエント号に来るように電話を強要する。バーニーは隣の部屋でモーガンに電話するところをマイクに聞かせる。マ イクはバーニーを射殺後、モーガンとミスターCにオリエント号に来るように次々と連絡を取る。部屋から脱出したマイクは既にオリエント号のデッキにいるデラ ニーにすべてモーガンの仕業と報告をし、モーガンが現れたところをデラニーは射殺してしまう。その後、ウイリーはミスターCの手下と告げてマイクを連れ去 ってデラニー一人をデッキに残す。
最後の登場人物ミスターCはモーガンの死体を見つけ、デラニーはすべてがモーガンの仕業だと一生懸命になって弁解する。しかし、自殺用の首輪がなか ったり、ジムが生きていたりすることで信用をすっかりなくしてしまうのだ。ミスターCは遠くへ行った方がよさそうだと手下を残して去ってしまう。孤立して銃を 突きつけられる絶体絶命のデラニーの目に現れたのは、警察の車で、やさしい呼びかけにデラニーは乗ってしまうのであった。 |
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