スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド6



141 死を呼ぶカード Image
【目的】犯罪組織の支配者とその後釜を葬り去るために、腐敗高級官吏のリストを入手すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 この男エミール・ガドセンは合衆国北東部の巨大な犯罪組織を長年にわたり支配してきたが、連邦政府の追及を逃れるた めパートナーのソア・コフィンに後を託し、海外逃亡を策している。このガドセンの強力な秘密兵器は、組織が買収した高級官吏のリストで、海外逃亡後も支 払いを続けるものと思われる。
 そこで君の使命だが、ガドセンとコフィンを葬り去るためにそのリストを入手することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺され ても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: サム・ローカ&ジェームズ・ヘンダーソンSam Roeca & James Henderson
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: ドン・マクドゥーガルDon McDougall
【ゲスト出演】
エミール・ガドセン:ジョージ・ヴォスコヴェックGeorge Voskovec as Emil Gadsen
ソア・コフィン:ウォーレン・スティーヴンスWarren Stevens as Thor Coffin
トニー・ガドセン:ダン・トラヴァンティDan Travanty as Tony Gadsen
ハウザー:デル・モンローDel Monroe as Hauser
スコット:ポール・マリンPaul Marin as Dave Scott
チャールズ・バーク医師:デヴィッド・M・フランクDavid M. Frank as Dr. Charles Berk
ベルキン:ドン・ガザニガDon Gazzaniga as Belkin
トム・ホーキンス:ジョージ・マコーリスター George McCallister Jr. as Tom Hawkins
ネイト:ウォルター・バークWalter Burke as Nate Ullstead
【場所】@指令(媒体):あるボイラー室の配電盤の中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:タンジール
【役割】ジム:ジェームス→誘拐犯
ケーシー:レオナ
バーニー:レバリエ
ウイリー:トンネル工事→教授を拷問
スコット:ガダガス教授
【道具】@パイプ:催眠剤入りで10秒で効果が出る
A1837年発行の切手
【見所】(07分40秒)ウイリーはトンネルを掘って酒蔵からコフィン邸に侵入する
(09分40秒)ジムがスイッチを押すと、警報機が鳴り響く
(14分50秒)次のカードが鍵を握っていますと言って、カードを開くと"死のカード"とバーニーは告げる
(17分20秒)ウイリーが500万ドルの切手を持って出ようとしたところを見つかってしまう
(22分30秒)レストランでエミール・ガドセンと瓜二つのガダガス教授が対面する
(25分50秒)リストを教えろと言うトニーに、知っている人間が二人いたら秘密でなくなると言う
(27分00秒)ガダガス教授がトニーの目の前で何者かによって誘拐される
(37分10秒)トニーがコフィンの酒蔵に行くと、教授がウイリーに拷問されているのを目撃する
(40分20秒)バーニーは教授が死ねばあんたも死ぬとエミールに言う
(42分00秒)教授が死んでいると言って、"死のカード"をジムがエミールに見せる
(43分10秒)時計にフィルムが入っていると言って、エミールがトニーに渡す
【疑問点】@コフィンが所持していた500万ドル相当の切手の行方は?
Aトニーと酒蔵を見にいったコフィンの手下は見知らぬ男(ウイリー)がエミール(教授)を拷問していることをコフィンに報告しなかったのか?
【粗筋】1837年発行の切手を持参するジムはソア・コフィン邸を訪れ、コフィンが切手を鑑定する間、ウイリーがトンネルを掘って酒蔵から侵入し、配電盤を細 工して、ジムがスイッチを押すと警報機が鳴り響き、その隙にウイリーは壁に穴を開けて金庫の裏から切手のコレクションを盗んでしまうのだ。しかし、逃げる ところをコフィンの手下に見つかり、銃を突きつけられるがうまく殴り倒してウイリーは逃走する。その後、コフィン邸では500万ドル相当の切手が盗まれたこ とに気がつき、警報機が役に立たなかったとコフィンは怒りまくる。一方、バーニーは占い師としてエミール・ガドセンに会い、病と死が近づいており、血を分け あった双子の弟と一緒だと予言する。そして、次のカードが鍵を握っていると言って、カードを開くと"死のカード"ですと告げて、催眠薬入りのパイプを吸わせ て催眠術をかけ、"死のカード"を見て特殊な反応を起こすんだと命令する。さらに、地下室でこれを見たら体の自由が効かなくなるが言葉は喋れると続ける。 その後、レストランの支配人より自分と瓜二つの人物がいると連絡を受けたエミールは、息子トニーを連れてやってきて、ガダガス教授(スコット)とケーシー に対面するのである。心臓に持病があるガダガス教授はケーシーより薬を飲まされ、"死のカード"を見せられたエミールも胸が苦しくなる。気になるエミール はバーニーを呼び、双子によく見られる現象で相手の感情が移ると説明される。トニーは新聞記事を見てコフィンの切手500万ドルが盗まれたことをエミール に知らせる。その後、エミール邸で会う約束をしていたガダガス教授がトニーの目の前で誘拐され、暴行を受ける度にエミールの体に異変が表れる。チャー ルズ・バーク医師が診察をし、エミールの腹の傷を見て、シャム双生児を切り放した傷と同じだと告げるのだ。教授が自分の身代わりになって誘拐されたこと に気がつくエミールにバーニーは身近に犯人がいると予言し、地下の酒蔵で教授が拷問されていると告げるのだ。これを聞いたトニーはコフィン邸に出向き、 酒蔵で教授がウイリーより拷問をされているのを目撃する。一方、ジムはネイトに盗んだ切手を持ち込み、切手をさばいてくれと頼む。このことをネイトはエミ ールの耳に入れるのだ。バーニーはケーシーを呼び、教授とエミールが双生児だと告げ、二人は同じ体験をしており、教授が死ねばエミールも死ぬと言う。 教授を何とか助けたいエミールはコフィン邸に侵入して切手を盗んだジムを呼び、トンネルを使って警報装置の裏をかいたとジムが言うと、皆でそのトンネル を通ってコフィン邸の酒蔵に行くことになる。酒蔵に到着すると、教授が死んでいると言って、ジムが"死のカード"を見せるとエミールは胸が苦しくなり、銃声 がしてコフィンらが駆けつけてくる音が聞こえ、死ぬ前にフィルムの場所を教えてくれと言うトニーに、時計にフィルムが入っていると告げてトニーに渡すのだ。 そして、IMFは急いでトンネルを通って逃げ、ウイリーがエミールに手を貸してトンネルを破壊して塞いでしまう。やっとの思いでトンネルから出てきたエミール の前には教授の姿があり、どうしたんだ死んだのにと驚くエミールにスコットはマスクを剥ぎ取ってみせるのだ。さらに、周囲は警官隊に囲まれていることに 気がつくのであった。
【解説】IMFはこの「死を呼ぶカード」でも敵に対して奇妙な作戦を二つ展開してみせる。一つはガドセンに催眠術をかけて、タロットカードの"死のカード"を見 ると、息が苦しくなって体の自由が利かなくなると命令する。もう一つはガドセンに瓜二つの双子の兄弟がおり、ガドセンの腹部にある傷跡を利用して、子供 の頃に二人は繋がっていたというでっち上げである。これらの作戦はコミカルに映り、真剣になって役者は演じているにもかかわらず、見ている者には滑稽に 見えてしまう。
 バーニーが予言師としてガドセンに会い、ガドセンに病と死が近づいており、双子の弟と同じ運命と予言した後、催眠剤入りのパイプを使って"死のカード" を見ると特殊な反応を起こすんだと催眠術をかける。そして、ガドセン行きつけのレストランの支配人より呼び出しを受けて、自分と瓜二つのガダガス教授と ケーシーに対面する。教授は心臓に持病があり、薬を飲む瞬間にケーシーより"死のカード"を見せられ、自分も息苦しさを感じるガドセンは驚く。気になるガ ドセンはバーニーから双子によくある現象と聞かされる。
 ガドセン邸で教授と会う約束をするが、息子トニーの目の前で教授が何者かにさらわれ、ガドセンは教授が自分と間違えられて拉致されたことを知る。自分 の体の異変は教授が拷問されているからと思うようになる。バーニーはガドセンと教授が双子で二人は同じ体験をしており、教授が死ねばガドセンも死んで しまうと告げる。
 教授が拷問を受けている場所に到着したガドセンであるが、教授は既に死んでおり、ジムが"死のカード"を見せると、ガドセンは胸が苦しくなって自分がそ のまま死んでしまうと思い、時計にフィルムが入っていると言ってトニーに渡すのであった。このように敵に死を予感させて、大切な情報を差し出させるのは、 「死のロープウェイ」と同様の作戦である。最後にトンネルから出てきたガドセンに死んだはずの教授が現れ、マスクを剥がして素顔を見せると、ガドセンの驚 きようは言葉では言い尽くせない程見事に演じられている。


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