スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド6
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【目的】犯罪組織と繋がるレコード会社の経営者の辣腕を永久に封じること
【指令】おはよう、フェルプス君。 その男スチュー・ゴーマンの経営するレコード会社は実は犯罪組織と繋がっており、ゴーマンは経理面を担当しているジョ ー・ベルカーとともにレコードの製造に販売にあるいはジュークボックスの普及に辣腕を振るい、年間何千万ドルという不当利益を上げてこれをシンジケートの 財源にしている。
そこで君の使命だが、このゴーマンの辣腕を永久に封じることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関 知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: ハワード・バーク&オリビエ・H・ハンプトンHoward Berk & Orville H Hampton
脚本: ハワード・バークHoward Berk
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
スチュー・ゴーマン:ウィリアム・ウィンドムWilliam Windom as Stu Gorman
ジョー・ベルカー:エド・フランダースEd Flanders as Joe Belker
ドン・エクハルト:ヴィンス・ハワードVince Howard as Lt. Don Eckhart
タナー:アレックス・ロッコAlex Rocco as Tanner
密売人:ロバート・ブラルヴァー Robert Bralver as Pusher
アート・ワーナー:ジョン・クロフォードJohn Crawford as Art Warner
ジュディー・サンダース:グウェン・ミッチェルGwenn Mitchell as Judy Saunders
【場所】@指令(媒体):ある小屋の引き出しの中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ジェナー警部補
ケーシー:ジュディー・サンダースの声帯模写→婦警
バーニー:ジョニー・クレイン
ウイリー:ジョン・スミス(ウォルター)
バート:スチュー・ゴーマンの声帯模写
【道具】@爆弾:前に向かって爆発するのでドライバーは安全
【見所】(03分40秒)辞めたいというジュディーを窓から放り投げるゴーマン
(10分10秒)ゴーマンの事務所で連れてこられるバーニーは、社長の尻尾を握っていると言う
(15分50秒)バーニーの部屋に入ってきた三人に、あの晩ジュディーの録音したテープがあると言う
(21分40秒)ベルカーが警察署にやってきて、300ドルで現場写真を分けてくれとケーシーに頼む
(26分50秒)ベルカーが車の鍵を回すと爆発し、ウイリーが犯人として逮捕される
(30分50秒)ウイリーが車から発砲され、ゴーマンの依頼で爆弾を仕掛けたと言って絶命する
(34分30秒)薬中毒のバーニーより薬を取り上げ、テープを持っているのはジェナー警部補(ジム)と聞く
(37分20秒)ゴーマンが2倍の金を出すという電話を受け、バーニーに何かあったと心配するジム
(40分50秒)タナーを殴り倒し、鍵を奪って逃げるバーニー
(44分20秒)ゴーマンがベルカーを射殺しようとしたところを警官隊が踏み込む
【疑問点】@ゴーマンの声帯模写をしたバートは何者だろうか?
【粗筋】辞めたいという歌手ジュディー・サンダースを窓から突き落とすスチュー・ゴーマンである。バーニーはジョニー・クレインというバンドのヴォーカルとして ゴーマンの前でリハーサルをし、ゴーマンがジュディーを殺した内容の詞を盛り込んだ歌を披露する。バーニーのことを何者だと言い、命が惜しくないようだと ゴーマンは怒る。その後、ゴーマンの事務所に連れてこられるバーニーは、社長の尻尾を掴んでおり、ジュディー殺しの証拠を握っていると脅す。そして、歌 手としてデビューをして儲けたいと言う。ゴーマンはひとまずバーニーを帰すが、身辺調査をすると前科三犯で薬漬けになっていることを掴む。このことをゴー マンはバーニーに言うが、あの晩、ジュディーの録音したテープにすべてが入っていると言い、翌日、事務所にテープを持っていくから契約書と金を用意して おいてくれとバーニーはゴーマンに告げる。IMFはあの晩のジュディーの録音テープを作成するということで、ケーシーはジュディー、バートがゴーマンの声帯 模写をして録音編集をする。ベルカーは警察に出向き、婦警であるケーシーに300ドル払って現場写真を入手し、テープレコーダーが録音の状態になってい るのを確認し、バーニーの言う通りに従うとゴーマンは判断する。早速、バーニーの歌をスタジオでレコーディングするのだ。一方、ベルカーは車の鍵を回す と、爆発して車が大破してしまい、犯人としてウイリーが逮捕される。ゴーマンはタナーに何故ベルカーが狙われたのかを探らせるが、はっきりした理由が見 あたらない。ベルカーも婦警のケーシーからウイリーの保釈金を払った男の名前を聞き出し、その住所にやってくるが、ウイリーがベルカーの目の前で車から 狙撃され、ウイリーの口からゴーマンの依頼で爆弾を仕掛けたと聞き、ウイリーは絶命してしまうのだ。そして、バーニーのところを訪れて薬を取り上げ、テー プを持っているのはジェナー警部補(ジム)ということを聞き出す。その後、タナーもやってきて、ゴーマンにテープはジムが持っており、今ベルカーが向かって いると連絡をし、ゴーマンが2倍の値で買うとジムに電話をする。バーニーの身に何かあったと心配するジムだが、作戦通りにいくとジムは指示をする。そし て、ベルカーがジムのところに現れ、テープよりもっと重大な証拠を持っていると仄めかし、一緒に組まないかと誘う。そして、Aスタジオに来るようにゴーマン に告げ、例のテープを聞かせるベルカーだが、このテープは作り物であんなこと言った覚えはないとゴーマンは自信げに話すのだ。ベルカーはもし、万一のこ とがあったら手紙が警察に届くようになっていると言って牽制すると、ゴーマンはそんな手紙は存在しないということに賭けようかと言って、ベルカーを射殺し ようとしたところへ警官隊が踏み込む。ジムは二人の会話のやりとりを録音しており、それをゴーマンに聞かせるのであった。
【解説】「自白テープ」では、バーニーの魅力が満載である。グレッグ・モリスの歌が初めて披露される。日本版吹き替えの田中信夫氏は優しい感じの声に対 して、グレッグ・モリスの声は全く異質な低音で、なかなか渋いことがわかる。IMFメンバーが実際に歌声を披露するのは、これが3回目で、第3シーズンの 「幻の殺人」でシナモン役のバーバラ・ベイン、第5シーズンの「狂気のルート」でダナ役のレスリー・アン・ウオーレンに続くものである。余談になるが、ケーシ ー役のリンダ・デイ・ジョージについても、「陸軍給与を奪回せよ」で歌声を披露する機会が与えられている。
また、今回バーニーに与えられたジョニーという役は、前科三犯で薬漬けというもので、敵の悪漢の二人であるゴーマンとベルカーのさらに上を行く悪役を 演じている。殺害時の録音テープを持っていると、ゴーマンを恐喝して自分を歌手デビューさせる契約書と金を要求するところは、ゴーマンも舌を巻いてしまう くらいだ。
バーニーの言っていることが本当か確かめるためにベルカーは警察署に出向き、殺害現場の証拠写真を婦警であるケーシーに要求するところは面白く描 かれている。結局300ドル受け取ってケーシーはテープレコーダーが録音状態を示す写真をベルカーに渡すが、当時のアメリカでは、このような袖の下が日 常茶飯事だったのかなと思ってしまう。
この後、IMFは詰めの作戦を展開する。ベルカーの車を爆破して犯人のウイリーが逮捕され、釈放後にウイリーが狙撃されてゴーマンの指示ということを暴 露して絶命するのだ。これに怒ったベルカーは、バーニーからテープを持っているのはジムということを聞き出す。ところが、ゴーマンの手下もこれを尾行して いて、ゴーマンからベルカーの2倍の値でテープを買うとジムに連絡が入るという予想外の展開になる。
最後のIMFの取った作戦は詰めの甘いような感じが否めない。ゴーマンとベルカーの前でIMFの作成した偽のテープを聞かせるのだが、ゴーマンの出方 によっては、これまでの作戦が全部水の泡となってしまうようなものだ。幸い、ゴーマンがテープの内容は偽物であんなことを言った覚えはないと殺人を認め る発言をし、その内容をIMFがテープに録音していたというものだ。当時のアメリカならともかく、現代においては、裁判ではこのようなテープの内容は証拠と して採用されないのではないだろうかという疑問が残る。 |
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