スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド6



143 毒ガス!全市滅亡の危機 Nerves
【目的】盗まれた毒ガスを奪還し、テロリストを抹殺すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 大統領命令で廃棄処分が決定していた毒ガスTX222が陸軍研究所から盗まれた。犯人は元シンジケートの殺し屋ウェン デル・ホイズで、服役中の兄ケイマンの釈放を要求し、万一要求が容れられない場合には市街地で毒ガスを放出すると脅迫している。しかもケイマンを釈放 してもウェンデルが毒ガスを引き渡すとは考えられない。
 そこで君の使命だが、この毒ガスを奪還しウェンデルを抹殺することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一 切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: ヘンリー・シャープHenry Sharp
脚本: ヘンリー・シャープ&キャリー・バテソンHenry Sharp & Carrie Bateson
製作: ブルース・ランズバリー Bruce Lansbury
監督: バリー・クレーンBarry Crane
【ゲスト出演】
ウェンデル・ホイズ:クリストファー・ジョージChristopher George as Wendell Hoyes
ケイマン・ホイズ:ポール・スティーヴンスPaul Stevens as Cayman Hoyes
セレタ・レーン:タイン・ダリーTyne Daly as Saretta Lane
ジャック・タリー:ラファー・ジョンソンRafer Johnson as Jack Tully
ウェストフィールド准将:チャールズ・ベイトマンCharles Bateman as Brig. General Westerfield
ビル・ウィリアムス:ピーター・キルマンPeter Kilman as Bill Williams
機械工:ロバート・ブロイルスRobert Broyles as Mechanic
ワーデン:ラッセル・ソーソン Russell Thorson as Warden
医師:シェプ・メンケン Shep Menken as Doctor
エド・キンベル:ロン・マサックRon Masak as Ed Campbell
ウェンデル:ハル・ニードハムHal Needham as double, Wendell
【場所】@指令(媒体):海辺で釣りをしている男に鮫が来ているそうだと言い、オープンテープレコーダーを受け取る
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:セレタの護送車に車を追突
ケーシー:リー・コリンズ
バーニー:セレタの位置確認
ウイリー:倉庫の外で見張り
ビル・ウィリアムス:ケイマンに変装
【道具】@発信機:セレタにつける
A受信装置:セレタの位置を確認
【見所】(01分20秒)ウェンデルがウェストフィールド准将に兄とガスの交換を要求する
(08分20秒)護送車にジムの車が追突し、ジムは撃たれるがケーシーとセレタは逃走する
(13分00秒)ケーシーとセレタが倉庫に入ると、よそ者を連れてきてと怒るウェンデル
(17分30秒)ケイマンが死亡し、ケイマンが死んだことを知られたら計画は終わりだとジムが言う
(26分20秒)ケイマンをタリーに引き渡すと、ジムの車のタイヤに向けて発砲するタリー
(31分30秒)俺についてくるかと聞くウェンデルに、私はついていくとセレタが言うと皆同意する
(34分20秒)セレタが別の車に乗せられ、どうしてタリーの車に乗せないのとウェンデルに聞く
(37分50秒)タリーがキンベルに電話すると、ケイマンが死んだことを知らされる
(40分10秒)奴は偽者とタリーがウェンデルに告げる
(41分40秒)ウェンデルがケイマンの仮面を剥がすと、ビルの顔が現れる
【疑問点】@ボンベの欠陥からガス漏れの起こる時間を予測するが、本当にできるのか?
【粗筋】ウェンデル・ホイズは毒ガスボンベを盗み、ウェストフィールド准将に電話を入れ、服役している兄のケイマンと交換という条件を突きつける。ウェンデ ルの盗んだボンベには欠陥があり、あと43時間でガス漏れが発生することが確認される。刑務所の囚人として潜入したケーシーは移送されることになり、護 送車の中でウェンデルの元情婦セレタと同乗する。そして、ジムの車が護送車に追突して銃撃戦となり、ジムと看守が相打ちとなり死んだと見せかけて、そ の隙にケーシーとセレタは車で逃走する。ケーシーが車を運転するが、途中でセレタが銃をケーシーに突きつけ、ウェンデルの待つ倉庫へ行くように指示をす る。セレタの胸に発信機をつけているので、バーニーは受信装置で位置を確認して追跡し、ジムにも連絡を取る。所長は踏み込んだらいいと主張するが、ジ ムはウェンデルがいてもガスボンベがあるとは限らないと言い、様子を見ることになる。また、病床のケイマンが死亡したことにより、ウェンデルにこのことを知 られたら作戦は終わりだと心配する。倉庫ではケーシーのことを不審がるウェンデルは、手下のタリーに命じ、刑務所看守のキンベルにリー・コリンズを調べ させる。その結果、強盗、人殺しまで何でもやるよろずやということがわかる。ケイマンの死体は別の名前で隠し、ビルがケイマンのマスクを被り、トンネルの 前でタリーに引き渡すが、タリーはボンベをよこせと言うジムの車のタイヤをめがけて発砲し、逃げてしまうのだ。倉庫では毒ガスに関して、兄のケイマンは当 局に返せと指示し、セレタもケーシーも返せということに怒るウェンデルである。その後、気を落ちつかせたウェンデルは俺についてくるかと聞き、私はついて いくわとセレタが返事すると、皆もついていくと同意する。しかし、セレタとケーシーを別の車に乗せ、金を受け取ったら男三人になると言い、ケーシーとセレタ を始末しろとタリーに指示する。タリーは車を修理するが、修理工からメモを渡されキンベルに電話すると、ケイマンが死んだことと、今いるケイマンは偽者と 知らされる。毒ガスを隠している倉庫に着き、遅れて到着したタリーはウェンデルにこっそりとキンベルから聞いたことを告げる。ウェンデルがケイマンのマスク を剥がすと、ビルの顔が現れ殺そうとするが、ジムが踏み込みタリーに銃を撃つ。そして、ウェンデルとタリーは逃走するが、タリーは毒ガスをまこうとするウェ ンデルに俺は死にたくないと言ってウェンデルを狙撃する。弾を受けたウェンデルを追うジムらは追いつめ銃撃戦となるが、ウェンデルは射殺されてしまう。ジ ムはウェンデルが標的にしていたのは自分たちでないことに気がつき、標的にしていた建物の上にガスボンベがあるのが発見される。最後はガスボンベを漏 れないようにセメント漬けにするのであった。
【解説】第6シーズンの特徴として、ストーリーの内容のほとんどがマフィアやシンジケートを相手にIMFが戦うという構図のものが多い中、この「毒ガス!全 市滅亡の危機」は「時間差で口を割れ」と同様、テロリストが相手ということで、シーズン内では異色の存在と言えよう。毒ガスのボンベに欠陥が見つかった ことにより、43時間という制限時間が加えられ、核爆弾の時限装置を外すのと同様な緊張感が描かれることになる。
 毒ガスボンベを盗んだウェンデルが兄の釈放を条件に交渉するが、囚人として潜入したケーシーがウェンデルの情婦セレタとともに護送される途中、ジムの 助けにより二人は脱走してウェンデルのアジトに到着する。病床のウェンデルの兄が死亡したことで、IMFは替え玉を準備する。そして、ジムは交換するため に兄の替え玉を連れていくが、ウェンデルの手下のタリーに毒ガスを得られないまま逃げられてしまう。
 ウェンデルとタリーは毒ガスを隠している倉庫に向かうが、兄が替え玉であることがばれてしまう。ジムが踏み込みタリーを撃ち、二人は逃げるが毒ガスの 流出を好まないタリーはウェンデルを狙撃するのだ。二人の死後、ウェンデルのヒントから意外な場所から毒ガスが発見されるのであった。
 三人の悪漢のキャラクターが実に面白く描かれている。不道徳なセレタは護送車からケーシーに銃を突きつけ、気丈なところを見せつける。しかし、ウェンデ ルを最後まで信じており、自分が殺されようとしているのに気がつかない愚かな女である。タリーは兄と毒ガスの交換の時には、ジムの車のタイヤを撃って まんまとウェンデルの兄を得て逃走するという賢さを見せ、また、ウェンデルの片棒をかつぐ残忍なところもあるが、最後に毒ガスが漏れることで自分の命が 危機に晒されることを好まない人物として描かれる。ウェンデルは、自分についてくると宣言したセレタまで殺そうとし、また、毒ガスが漏れることで自分の命 も厭わないという残忍極まりない危険な人物である。まさに、テロリスト魂の持ち主なのかもしれない。


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