スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館
エピソードガイド7
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【目的】シンジケートの資金を隠匿した人物を奪還し、その金を回収すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 犯罪者の国外脱出を請け負う某組織が、昨日シンジケートの不法金融業務のブレーンであるガンサー・シェルを脱走させ た。シェルは逮捕される直前にシンジケートの金数百万ドルを隠匿した。
そこで君の使命だが、シェルを奪還しその金を回収することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知し ないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: リー・ヴァンスLeigh Vance
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: デヴィッド・ローウェル・リッチDavid Lowell Rich
【ゲスト出演】
ハーグリーブス博士:ピーター・マーク・リッチマンPeter Mark Richman as Dr. Hargreaves
クラヴェリング:ロバート・ミドルトンRobert Middleton as Clavering
カープ:ジョセフ・E・ベルナルドJoseph E. Bernard as Karp
笑っている人:ジェフ・モリスJeff Morris as Smiler
アーノルド・ラッツ:デニス・クロスDennis Cross as Arnold Lutz
ガンサー・シェル:H・M・ワイナントH.M. Wynant as Gunther Schell
ボス:ジョン・スティーヴンソンJohn Stephenson as Director
ターキス:カール・バードCarl Byrd as Takis
カルス:ヘルマン・ポッペHerman Poppe as Kales
バーテン:ロバート・ローデス Robert Rhodes as Barman
【場所】@指令(媒体):ある日本庭園でオープンテープレコーダーを聞く
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:フィリップ・ブラディ博士
ケーシー:見張り
バーニー:ジョージ・カーター→ジムの車の尾行
ウイリー:ジムの車の尾行→トンプソン博士
【道具】@薬:糖尿病の人だけ反応
A発信受信機:耳に埋め込む
B受信機:ジムの乗った車の位置を確認する
C催眠ガス:カバンから出る
【見所】(05分20秒)バーニーは車に乗せられて動物園に連れられ、脱出請負業のボスに会う
(09分30秒)ジムが車に乗せられ、バーニーとウイリーが尾行する
(12分30秒)ジムが鉛の棺に入って酸素マスクをつけ、棺のふたを閉められる
(18分50秒)バーニーはラッツのところに行き、シェルと引き替えに25000ドルよこせと言う
(23分50秒)心理的拷問を続けるが、2700万ドルの隠し場所を言わないガンサー・シェル
(28分20秒)ハーグリーブス博士はジムに尋問するが、何を聞いても何も喋らないので不審に思う
(38分00秒)麻酔ガスで一味は気絶し、ジムとウイリーはシェルを病院から連れ出す
(39分40秒)シェルを渡すとバーニーがアーノルド・ラッツに事務所に来いと電話する
(44分40秒)金を確認したシェル、ラッツに銃を突きつけるジムとバーニー
【疑問点】@脱出請負業のボスは最後まで名前を明かさなかったが、何者だろう?
【粗筋】バーニーは客がいると言って、脱出請負業の組織に電話し、車に乗って動物園に連れていかれボスに会う。そして、ブラディ博士を脱出させて欲しい と頼み、5万ドル前金でと言われる。翌日、ブラディ博士に扮したジムは車に乗せられ、倉庫に連れていかれる。そこで、鉛製の棺の中に入れられ、尾行して いるバーニーとウイリーとの通信が遮断されてしまうのだ。倉庫内に入った二人は既にジムが他の場所に移されたことを知り、バーニーは"矢は放たれた"と 言う。ジムとの通信が途絶えてケーシーが心配するが、作戦通りに行こうとバーニーはガンサー・シェルの兄貴分のアーノルド・ラッツのところに行き、シェル と引き替えに5万ドルで前金25000ドル受け取って帰る。ジムは目が覚め、地下のタンクに糖尿病の人だけに反応する薬を投入する。ハーグリーブス博士 はガンサー・シェルに心理的拷問を続けた後、2700万ドルの隠し場所を聞き出そうとするが失敗する。その後、ジムに尋問するが、何を聞いても何も喋らな い。自己催眠をかけているということで、ハーグリーブス博士はそれを解こうとする。これを見て脱出請負業のボスは、スパイの可能性もあるからこの場で殺 そうとすると、博士はスパイだったら何か当局から指示されたことを喋るはずで、その可能性は低いとし、さらに、心理的拷問を続ける。ジムの投入した薬を 飲んで体調の異変を起こしたシェルに、ハーグリーブス博士は診察するが、脈拍と血圧が低下したことはわかるが、精神科の専門で内科はよくわからないと 言う。そして、ボスはいい人物がいるとしてジムに見させることにする。ジムはシェルの症状は肺塞腺でこのままだと2、3時間で死亡すると診断する。金の 隠し場所を言わずに死なれては困るボスは、ジムに外科手術をしろと命令するが、ジムは麻酔医が必要だと言い、ウイリーが麻酔医として招かれる。ウイリ ーは麻酔ガスを放出して、一味が気絶した隙にシェルを病院から連れ出すのである。その後、バーニーはアーノルド・ラッツにシェルを渡すから事務所に来い と連絡する。そして、シェルは洗脳されているからと説明し、シェルは場所を言ってしまったかもしれないと心配する。早速、隠し場所の倉庫に行き、鍵を見つ けて金を確認するが、そこへジムとバーニーが踏み込み、さらに尾行していた脱出請負業のボスにウイリーが銃を突きつけ、警察隊が踏み込んで全員を逮 捕するのであった。
【解説】この「脱出請負業」では初めてジムが自己催眠をかけるシーンが見られる。第2シーズンの「第二の防衛配置図」では、ローランがジムに、また、第4 シーズンの「ヤング・パワー」では、パリスがジムに催眠術をかけているので、その時はジムにはこのような能力がなかったはずなのに、いつの間にか体得し ているのには恐れ入る。ローランも初期の頃は催眠術ができなかったことを考えると、スパイには探究心とか向上心が常に要求されるのかもしれない。
ジムがそうした前準備をしたということは、敵による心理的拷問を想定したからである。果たして、ジムは強力な薬を使われ、椅子に縛られたまま移動する ような装置に入れられて、怪しい光や騒音の中に失神状態で放り込まれる。「殺し屋製造工場」でバーニーが心理的拷問を受けたのと勝るとも劣らない内容 だ。しかし、自己催眠のおかげでハーグリーブス博士の厳しい訊問にジムは何一つ答えないのだ。
敵も尻尾を出さないように慎重に動くさまがなかなか面白く描かれている。ジムに発信機をつけて受信機を装備して万全の体制を敷くバーニーとウイリーだ が、敵は鉛製の棺にジムを入れてしまい、通信が遮断されて追跡不能にしてしまう。敵のアジトに入れられると、ジムは糖尿病の人物にのみ反応する薬を 地下のタンクに投入する。そして、救出すべき糖尿病のシェルの異変に、医者のジムが肺塞腺でこのままだと2、3時間で死ぬと診断をし、巧みにウイリーを 呼び込むところは素晴らしい。
シェルの身柄を確保したIMFは、シェルに金を持ち逃げされたシンジケートのボスのラッツに連絡を取る。一方、シェルはハーグリーブス博士の厳しい心理 作戦と訊問で自分がお金の隠し場所を吐いたと思い、隠してある倉庫に確認しにいくのである。そして、脱出請負業のボスも含めてIMFは全員逮捕するの であった。それにしても、シンジケートのボスのアパートがジムのアパートとそっくりなのだが何故だろうか。 |
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